母は太陽のように、父は空のように。
わたしの父は雷のような、竜巻のような、嵐のような人でした。怒られると足が竦むほど怖く、殴られたショックからか、ストレスからか、片耳が聞こえなくなるという経験もしたことがあります。母は広い水面のような人です。雷にも嵐にも、大した波は立てず、ただそれを映し、飲み込んでしまうような。その奥底にどんなものが沈んでいるかは見通せないような。わたしが暴力やきつい言葉、大きな声を好まないのは、自分にも父と同じ激しさがあることを理解しているからです。子供が大きくなって親を思うとき、母は太陽のような人だった、父はその空のような人だった、そんな風に単純に喩えられるような子供時代にしてやりたい。子供の笑顔を見るにつけ、そんな風に感じています。なかなか、難しいんですけどね。