【読んだ本】栗の樹ファーム物語@栗山英樹氏
僕も好きな、元スワローズ・栗山英樹氏の本ですが、「フィールド オブ ドリームズ」に感動し、北海道・栗山町に天然芝の野球場を造ったという話を聞いたことはあったのですが、その過程と将来の夢を語った話です。 この本にも少し出ていましたが、当時応援していたスワローズの、選手同士の中の良さにも触れていて、あの当時応援していてよかったなあ、と思いました。 本当は東京都内に天然芝の球場とスポーツバーをセットで作りたかったそうですが、都内にはなかなかそのような物件や土地がなく、都内では断念。 余談ですが、スポーツ文化には、スポーツバーがどうしても必要ということを栗山氏は訴えていたのですが、確かにスポーツを肴に語り合う場って必要ですよね。でも、日本では、スポーツバーの数が少なく、あっても採算が取れないのか、閉店してしまうお店も多いですが。最近、プロスポーツ全般に関して、社会学的な見方をしていた本を読みましたが、こういうところにも日本のスポーツへの理解のなさが表れているような気がします。 話を戻します。金銭的な問題で、希望の場所には作れず、それでも夢を持ち続けていました。 そこへ、北海道の栗山町という町から親善大使になってほしいという電話があり、実際行ってみたところ、地元の人と親しくなり、そして自身の夢を受け止めてもらったことが、「決定打」に。栗山町の人たちも、「クリさんがやるなら、俺らも手伝う」ということに。 しかし、計画を立て始めてから、電気を引くにも、水道を引くにもお金がかかるという当たり前のことに気がつき、他にも土壌が悪く、芝が根付かないとか、樹を切り倒すのが重労働だったそうです。 そのような苦労も、完成してしまえば報われるのでしょうね。実際に子供たちが完成したグランドで野球をやっていると、嬉しかったそうですよ。 芝のメンテナンスなど、栗の樹ファームがあるうちはずっとやり続けなくてはならないことが多く、大変そうですが、それでも本当に好きなことにかかわり続けていられるのですから、幸運な方です。 開墾から芝の手入れまで大変そうでしたが、信念をもって完成した志の高さに感服。ポールが白樺の樹だったり、周りがトウモロコシ畑や林だったり、往年のメジャーりーガの看板が出ていたりして、趣向を凝らしていますね。 こういう志が高く、地味でも野球というスポーツを文化としてとらえ、理解してもらおうという人が、日本のプロ野球界にもいたんだなと思うと、まだまだ捨てたものではないとは思いましたね。それも、かつて応援していたチーム、選手なら、尚のこと嬉しいですよ。 ちなみに栗山氏、僕が在学中3年時の大学の学祭の講演にも来ていて、この時はサークルの仕事を抜けさせて聞いたこともあります。一つ一つの質問にも、誠実に答えていて、頭の良さと同時に、人柄のよさも感じました。質疑応答の中に、「サインください」といった人がいましたが、「あなたにサインしてしまうと、ここにいる人全員にしなくてはならなくなるので、申し訳ないんですが、それはできません」という答え。納得のいく答えでした。あ、ちなみに、この質問は僕ではありません。僕は当時、こんなことがいえるほどの度胸はなかったので。 公式サイトもあります。詳しくはこちらをどうぞ。 http://www.sponichi.co.jp/kuriyama/