如意宝珠を求めて、、、
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散歩にて見つけし白球咥え来て遊ぶ子犬を寝ころんで見る
2013年03月12日
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風もなき真夜中の森枯れ枝の音をたて落つそしてまた夜
己が身の重さ軽さに冬の蜂ただ項垂れてとぼとぼと往く
日暮るるも石垣のまだ温もりて冷たき頬を当てていたころ
2013年03月10日
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果てしない麦踏のごとく三森の峠上れば青き水海
古卓の軋み直さんと天板の裏をのぞけばオカアサンの文字
ニン月の夕陽が見つけしガラス玉
2013年02月15日
鰐口のがらんごろんと春の昼
春うらら亀の静かに島上る
田起こしの女も喰らう握りめし
捨てられし自転車濡らす春の雨
寒犬の終の住処や膝の上
2013年02月14日
立春の朝にせわしき土鳩かな
おにぎりをアルミホイルの無機質な音で包んで始まる朝
2013年02月11日
暗き道小走りに急ぐおみなごの街灯を過ぐ息白くして
ひとしきり鬼遣らい終え食う豆の数えるほどに鬼の悲しき
斑雪闇夜に白く夜の森迷い出る冬の蝶のかそけく
そんな子はおらねど二月ヨーカドー明るき赤のランドセル撫で
2013年02月07日
家族という壜にも堅き蓋あれば倒れても其の中身こぼれず
2013年01月24日
軒下のつらら落として年始酒
2013年01月14日
つかのまの藁の布団で松毛虫
燕の人なき母屋に帰り来ず
寒村に昼のサイレン用務員
古タイヤ集めし父の霜囲い
山鳩の発ちて粉雪初詣
凍て蝶を草の葉でそっと触れてみん
吾が生れし日もきっとこんな小春かな凭れて座る犬のぬくもり
2013年01月12日
主なき母屋の軒下受け口のありがたきかな柊鰯
2013年01月08日
ふるさとでつく嘘はいつも悲しくてそうかそうかと祖母のうなずく
包丁を抜き身で持ち寄る媼さえ「刃物研ぎます」師走も暮れて
2012年12月28日
たわむれに柴の舐めたる団栗の朝陽に光る落葉の森に
2012年12月24日
5メートル以内の自由としあわせを分かちて歩く枯葉踏みしめ
用件も切り出せないで帰る子のバックミラーに母の口ガンバレ
2012年12月08日
凍てついたフロントガラスにお湯をかけ16号線右に見ゆ残月
雑草も後ずさりし冬近し乾いた落ち葉砕き行く林道
霜枯れの土手のススキにゆれながら雀空行く飛行機見送る
校庭は赤白の帽子さかあがり彼女はもっと働きたりけり
若き子も首はさながら蛇腹にて振り向く時その襞を見せ
夕暮れの森往く足の止まる時蘇り来る太郎の獣
2012年11月12日
肉球の冷たさで知る犬の秋土にも温度あるを教わる
2012年11月11日
ポケットに手を入れどんぐりとんがりのすこし痛きを楽しむ電車
飼い主の知らない顔してみいちゃんは夜の公園食肉目ネコ科
2012年11月10日
食欲も失せて臥す犬鍵音に行かねばならぬ顔をもたげて
2012年11月07日
駄菓子屋の因業婆は飴玉を舐めてはまたケースに戻すとか
2012年10月29日
何時何処で人はどうなるか分からないさっぱり下着は婆様の教え
2012年10月08日
八十の父に兄さん兄さんと子どもとなりて叔母は呼びかく
2012年10月07日
馬の鼻引く人もなし馬もなし馬洗橋渡れば夢庵
やまぬ雨あきらめ顔に伏す犬の耳の高さで羽虫の舞いて
朝露に犬の足元あさがおの天に開きてその藍を受く
2012年10月05日
制服を強いられし子は唾を吐き割れた言葉でわたしを探す