如意宝珠を求めて、、、
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手鉤持ち緑衣の忍者軍団が攻め登る森一番の古木
2012年09月17日
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段ボール小脇に抱え誇らしげ文化祭近しおみなごは謳う
2012年09月12日
薄暮れのベンチに座る 眺めるも眺められるも独りは同じ
2012年09月02日
大輪の芙蓉の深紅は淋しけり束の間の帰省真夏に咲いて
2012年09月01日
我を見ずただ風にそよぐけやき見る縁側の叔母に並んで座り
地面より水の音する夜となりブルームーンを犬と二人で
憂いなく黒長靴の寝ておりぬ環状2号追い越し車線
ザラメ粒ほどの石英靴に入り赤信号待ち靴下を脱ぐ
2012年08月29日
人去ればひぐらしと風の森となり厚木のヘリの羽音遠くに
2012年08月12日
老いたるの意味を分かれと撫子の花火のように赤い華咲く
桑の木に土地の記憶を辿りつつ自転車を降り夏の坂行く
読みながら寝てしまう祖父の新聞紙頭傾げて番組欄見る
薄明かり灯す夜の参道を狐顔した柴犬と歩く
2012年08月06日
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迷子のお知らせをします歳八十 ヒグラシの夕べ森にこだます
庭の隅乗る人のない自転車に朝顔の巻く雨しめやかに
2012年07月12日
足元でスリッパ枕に熟睡の犬起こすまい日曜の昼
強風に地べたに倒るアザミ花茨のその身は助けも拒み
陸橋の階段に子らの遊ぶ声バス待つ人のほほえむグ・リ・コ
2012年06月21日
零歳で亡くなりし子の仏壇に四十の姪はお兄ちゃんと呼ぶ
2012年06月15日
子のために買いし文学全集の塵を叩いて千曲川詠ず
古祠白き静かな灯をともし森の鎮守とどくだみはなり
2012年06月11日
飼い犬に素足踏まるる心地よさ爪の少しく痛いもまた良し
2012年06月09日
スーツ来てランドセル来てバイク来て生ごみ置き場カラスもそぞろ
2012年06月08日
下闇にどくだみの香のここちよく紫陽花の後のこころ静める
2012年06月07日
そこまでは許しちゃおらん飼い犬のしっぽつまめばパクリとやられ
2012年06月02日
妖精の翼より垂る水滴を仔犬の舐める雨上がりの庭
2012年05月20日
並ぶ気のない行列に並ばされそれでも私の順番は来る
2012年05月19日
ことさらに去年の花は鮮やかで種の不安に色を尖らす
2012年05月12日
傾きてつぶれかけたる蔵壊し会うたことなき曽祖父の文
月のある森の夜は明るくて懐中電灯消して音聴く
山間に若いいのちか鯉のぼり矢車きっと音たて回らん
主なき母屋守りて門口に柊鰯の誰にか吠えん
八重桜でんぶのように降り積もりおそるおそる猫そを踏み往く
2012年05月02日
透きとおる薄緑の葉のほころびて木漏れ日の森となるを夢みる
2012年04月11日
寄り添いて眠れどやはり君は君獣の匂い高い体温
真夜中の森は小声に溢れてて木々は昼見た人の噂す
散る花の中を歩けるうれしさよどこまでも雪海軍道路
大声で犬のいたずら叱る時ついぞ息子の名前で呼べり
初めてのお使いの供入口に繋がれし犬の切なく鳴いて
2012年04月10日
目を細め鼻ひくひくと梅の香にあそぶ子犬の綱を緩める
2012年04月07日
足許も軽く啄木徴兵を免れし夜の蛙鳴く路
2012年03月11日
がりごりとテーブル齧る幼犬の冷たく濡れた鼻に触れみん
本籍もついでに変えよと若き母 やり直したき新生の地で
美しきわが故郷を過ぎる時旅人は子の口と鼻覆えり
犬叱る大声が家に響きわたりコラーッ ダメッなんともうれし
2012年02月21日
かさこそと夜の公園菓子袋冷たい風に枯葉に身を寄せ
テーブルの下で何やら隠れ食い柴の尻尾は狐となりぬ
2012年02月11日
いつもより歩みの遅い飼い主を気にかけ犬のふりむきふりむき
土喰らい雨におどろき土を出て鳥に喰らわるミミズ目見えず
ずれつづけやがてシンクロ踏切のカンカンチカチカ冬田しずかに
2012年02月10日