|
カテゴリ:城跡と史跡(千葉編)
大河ドラマが観光に与える影響がいかに大きいかは、あちらこちらの観光地で実感するところです。
大河ドラマの主人公が足を踏み入れただけでも大騒ぎになって、大々的に宣伝されていたりします。 ところで千葉県の房総半島においても大河ドラマを誘致する動きがあるのですが、房総の北部と南部では違った題材になっています。 房総半島の南部館山市にて 房総中部の大多喜町にて 同じ千葉県の房総でありながら、旧国名で言うと一方は安房国で一方は上総国です。 里見氏にしても本多忠勝にしても、個人的にはどちらも大河ドラマにぜひ採り上げてほしく、毎回必ず見ると思います。 それでもよくよく考えてみると、それぞれ一長一短があるように思います。 まず「里見氏を大河ドラマに」の方ですが、房総で大河ドラマにするなら里見氏しかないと思います。 さらには題名も「南総里見八犬伝」、「原作 滝沢馬琴」で決まりではないでしょうか。 現に伏姫の居城であった滝田城や、八犬士の誕生と終焉の地である富山などは、八犬伝ゆかりの地として宣伝されています。 さらには南房総ではスーパー銭湯も「里見の湯」などとなっていて、何かと里見ひいきの土地柄です。 その一方で「南総里見八犬伝が大河ドラマになるだろうか?」という疑問もあります。 ある程度史実が含まれているとは言え、あくまでも曲亭馬琴が江戸時代に書いたSF小説なので、これが大河ドラマの題材になるのかという疑問があります。 さらには登場人物が多すぎることがあって、少なくとも8人の主役が必要な上に、伏姫や里見義実などを含めると、オープニングのキャストを流すだけで終わってしまいそうです。 (八房役の犬も探してこないといけません) しかも話が長いので、果たして1年で終わるのかという不安もあります。 (とは言え、「坂の上の雲」のように3年がかりでやる話でもないので) そんなことは百も承知なのか、「『南総里見八犬伝』を大河ドラマに」ではなく、「『里見氏』を大河ドラマに」となったのかも知れません。 それでは八犬伝ではなく里見氏そのものを題材にするとしたら、誰になるでしょうか。 里見氏初代の里見義実に始まって第9代の里見忠義に到るまで、里見氏代々を題材にしたところで、時代も長い上にとらえどころがなく、さらには内紛ばかりなので半年もしないうちに放映中止になってしまいそうです。 誰かに絞るとすれば、やはり里見氏中興の祖と言われる里見義堯しかいないのですが、同じ時代に覇を争った北条氏康・武田信玄・上杉謙信・佐竹義重などと比べると、知名度に劣ることが泣き所です。 一方で本多忠勝の方は、大河ドラマにもピッタリの知名度を誇っています。 上杉景勝の家臣である直江兼続が主人公になるならば、徳川四天王の1人で織田信長や豊臣秀吉も賞賛する本多忠勝が主人公となっておかしくないと思います。 直江兼続の題名が「天地人」ならば、本多忠勝は「蜻蛉切」で決まりでしょうか。 (オープニングのナレーションで、「家康に 過ぎたるものは 二つあり 唐の頭に 本多平八」とか) そうなると、家康に過ぎたるものは2つあったとしても、千葉県には困ったことが1つあって、本多忠勝は転勤で上総大多喜に赴任してきたに過ぎません。 大河ドラマかされたとしても、房総主体になるのは10月とか11月の1回か2回くらいでしょうか。 戦国武将から為政者となって初めて赴任して来た地が大多喜であり、城下町のインフラ整備には定評があるものの、本多忠勝のテーマからはかなり外れています。 三河一向一揆から、三方ヶ原の戦い、姉川の戦い、長篠の戦い、小牧・長久手の戦い、関ヶ原の戦いなど、歴史に名を残す合戦の最前線で名を馳せた人物の半世紀において、大多喜はかなり薄い存在になってしまいます。 本多忠勝が大多喜に配されたのには理由があって、徳川家康が安房の里見氏の抑えとするためでした。 里見氏と本多忠勝、どちらでもいいのでまずは大河ドラマに採り上げてもらえないでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[城跡と史跡(千葉編)] カテゴリの最新記事
|