テーマ:インフルエンザ(1000)
カテゴリ:戯言
急速に世界中に広がりつつある新型インフルエンザだが,はたして映画『感染列島』で描かれたようなパンデミック(世界的大流行)を引き起こす可能性はあるのだろうか。 WHOのブタインフルエンザに関するよくある質問によると,基本的な性質は季節性の一般的なインフルエンザと同じで,タミフルやリレンザも効くようだ。国別の感染者数や死亡者数は刻一刻と変わっているが,Wikipedia英語版の記事が比較的早く更新されている。メキシコに被害が集中しているが,それはメキシコ国内でかなり前から新型インフルエンザの感染が始まっていたからではないかと言われており,そうだとすると,66人という死者数を考えてもウイルスの毒性は今のところそれほど強くはないのだろう。日本は鳥インフルエンザをすばやく撃退した実績もあるし,しっかりした対策がとられさえすれば,インフルエンザによる死者数が例年と比べて突出して高くなるとは考えにくい。 ただ,WHOは4月30日に新型インフルエンザの警戒水準をフェーズ5に引き上げ,パンデミックの状態であるフェーズ6一歩手前という深刻な状況にあると判断している。日本でも5月9日に成田空港の検疫段階で感染が確認され,5月16日にはついに検疫を除く国内初の発生が確認された。これを受けて政府は行動計画を「第2段階(国内発生早期)」に引き上げ,状況に応じて学校,保育施設などの臨時休業や集会,スポーツ大会などの自粛を要請することになる。 撃退に手間取っている間に毒性の強いウイルスに変異してしまう可能性もある。メキシコのコルドバ保健相は,科学的証拠はないとしながらも,ウイルスがすでに変異し,攻撃性の強弱が異なる2つのタイプが存在している可能性を示している。また,WHOは新型インフルエンザウイルスが毒性の強い鳥インフルエンザウイルスと交雑することを懸念しているが,神戸大感染症センターによると,インドネシアの豚から検出された鳥インフルエンザウイルスの中に,人への感染力を一部獲得したタイプが1株見つかったという。 弱毒性の段階でも油断はできない。抗インフルエンザ薬の備蓄量は現在のところタミフル(3380万人分)とリレンザ(270万人分)で計3650万人分用意されているようだが,感染者の拡大により不安に感じた患者が病院に殺到し,必要な人が十分な治療を受けられないといった状況も考えられる。 今のうちにN95マスクを買いだめしておいたり,外出できなくなる状況に備えて防災セットを用意するなど,個人でも何らかの対策をしておいたほうが安心かもしれない。通常のインフルエンザと同じ予防対策が有効だが,手洗いは指の間までしっかりと15秒間以上行う必要がある。また,うがいは順番を間違えると逆効果になることもあるようなので要注意。うがいといえばまず「ガラガラうがい」を思い浮かべてしまうが,その前に必ず「クチュクチュうがい」をしっかりしておく必要があるという。口の中のウイルスを外に出さないままにのどを洗ってしまうと,ウイルスが体内に入る手助けになってしまうようだ。 新型インフルエンザ特集ページ:朝日,読売,産経,日経 流行性感冒:ケンコーコム 新型インフルエンザ予防・対策特集:楽天ブックス 麻疹が流行する国で新型インフルエンザは防げるのか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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