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[CD紹介] カテゴリの記事

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一生モノのジャズ名盤500：Amazonのレコメンデーション的にジャズの名盤を検索

50～60年代のジャズを聴くようになって私がまずしたのは，そのアーティストの作品を順に追っていくこと。Wayne Shorter「Footprints」（リンク先「試聴する」→4曲目）の不穏なかっこよさにやられては「JuJu」（リンク先で全曲試聴可）や「Speak No Evil」あたりの黒魔術的で妖しくも魅力的なメロディに痺れ，The Miles Davis Quintet「Relaxin'」収録の「If I Were A Bell」（リンク先1曲目）でのRed Garlandによるコロコロ転がるピアノの気持ちよさを体験してはRed Garland Trio「Groovy」収録の「Will You Still Be Mine?」（リンク先3曲目）での淀みない転がり具合に悶絶してきた。しかし，ジャズメンは当然ながら色々なことを試しているので，個人的には今ひとつに感じる演奏にあたってしまうことも多い。そこで，昔買っていた講談社現代新書の内藤遊人『はじめてのジャズ』といった入門書や「A to Zジャズ入門講座」などの入門サイトを読み，いったんジャズの歴史を俯瞰した上でその流れに沿って好みの演奏を見つけようとした。それはそれでとても有益なのだが，今ひとつ効率が悪い。実際に私がAmazonや楽天ブックスでCDを買う際にCDの選択に最も影響を与えているのは，結局のところ，それらのサイトのレコメンデーション機能だったりする。あるCDが気に入りその雰囲気にあった別のCDを探そうとする時，「この商品に興味がある人はこんな商品にも興味を持っています。」とサイトが親切に教えてくれるCDのなかから探す方が，年代や文脈はバラバラでも手っ取り早いことが多い。そんな私にぴったりだったのが，小学館101新書の後藤雅洋『一生モノのジャズ名盤500』。500枚のジャズ･アルバムが「聴いた感じ」別に18のグループに分類されている。巻末にはアーティスト索引もあるので，好きなアルバムからそれに似たグループのアルバムに簡単にアクセスできる。Amazonなどのレコメンデーションは，客層も様々なので，特にマイナーなアルバムになると精度が落ちる印象があるが，この本の著書の後藤氏は長年ジャズ喫茶を経営しジャズ評論家としても多くの著作があるので，いわばジャズ喫茶の店主に似たアルバムを聞いているかのような効率の良さがある。たとえば，前回の記事で触れたLester Young「Pres & Teddy」を索引で引いたら出てくるのがこのページ。「リラックス・ジャズ」のグループに入れられている。確かに，同じグループのArt Farmer「Sing Me Softly Of The Blues」（リンク先で全曲試聴可）なども，疲れた深夜にじっくり耳を傾けるにはぴったりなアルバムで，「理知的だが暖かい」とは言いえて妙。基本的に１ページに３つのカタログ的な構成だが，各グループの冒頭にはそのグループの詳細２ページと，そのグループを代表するアルバムの解説１ページがある。巻末の索引にメーカーや録音時期，演奏メンバーを網羅したデータがついているのも親切。18のグループ分類は以下のとおり：第1章これがジャズだ! 　―何かが始まりそうな、予兆に満ちたジャズ―第2章新・これがジャズだ! 　―より刺激的な、開放感を感じさせるジャズ―第3章巨匠たちのジャズ　―聴き手が選ばれる芸術世界―第4章グルーヴィ・ジャズ　―自然と体が動き出す、ノリの気持ちよさ―第5章リラックス・ジャズ　　　　　―緊張を解き、かつ濃厚な味わいが楽しめるジャズ―第6章ジャズに浸ろう　―個性的なジャズマンの世界を味わう―第7章新・ジャズに浸ろう　―ジャズ即興の新しいガイドライン―第8章ピアノジャズ　―日本人の心に響くハードバップ・ピアノの真髄―第9章新・ピアノジャズ　―ビル・エヴァンスの系譜、協調型ピアノトリオを聴く―第10章白人たちのジャズ　　　　　―軽やかで、技巧的、アンサンブル重視のジャズを聴こう―第11章クールジャズ　―聴いて涼しげ、ミント系のジャズ―第12章コンテンポラリー・ジャズ　―1970年代以降“現代的な音”を聴く―第13章ユニーク・ジャズ　―拡散するジャズの到達点を聴く―第14章フリー　―違和感がスリルとなる魅力―第15章ヴォーカル　―個性を表現する歌の世界―第16章新・ヴォーカル　―他ジャンルと融合した新しいヴォーカル―第17章ビッグバンド　―リズムと音色の複雑な混じり合いを聴く―第18章歴史的名盤　―時空を超える豊かで圧倒的なジャズ―これまでにレビューした機器・CD一覧はこちらこのブログ内をGoogleで検索多くのアルバムが試聴可能 CD＆DVD NEOWINGジャズ関連書籍売れ筋ランキング後藤雅洋氏書籍一覧

2013年03月17日

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XLO Reference Recordings Test & Burn-in CD：バランス化HD580＋BLO-0169のエージング

バランス化したSENNHEISER HD580＋BLOSSOM BLO-0169を初めて聴いたときには，そのあまりの分離の良さとリアルな音像には衝撃を受けたが，一方で高音が刺さる感じがあり，しばらく聴いているとすぐに聴き疲れしてきた。またシンバルやギターの高音の表現が明らかにおかしく聴こえることもあった。これはバランス化の代償なのだろうと思ったが，ふと昔エージング用のCDを買っていたことを思い出し，リッピングしてLINN MAJIK DS-Iでリピートし，しばらく放置してみることにした。私は今までオーディオ機器へのエージングの効果については懐疑的だった。「オーディオの科学」のエージングのページにもあるように，物理的にはありうるとしてもそれほど劇的な変化は期待できないと思っていた。これまで個人的にそれほど大きな変化を経験したことがないというのも大きい。特に今回はHD580についてはケーブルを変えただけであり，HD580自体はかなり使い込んでいてエージングもほぼ終わっていると思われるので，10時間ほどのエージングのあと音を出してみた時には半信半疑だった。すると，ほとんど別物といっていいほど音が変化していることに驚いた。まず，高音の刺さりが全くといっていいほど気にならないレベルにまで改善されている。以前のHD580に戻ったようなバランスの良い音になっており，聴き疲れすることがなく何時間でも聴いていられる。一方で痛々しいほどリアルだった音像は一歩後退している印象があるが，生々しさは十分に残っており，このくらいがちょうど自然に感じられる。この変化がバランスケーブルのエージングによるものなのか，それともBLOSSOM BLO-0169のエージングによるものなのかはわからないが，いずれにしても大きな変化を感じることができた。なぜこれまでエージングの効果を感じることがなかったのかを考えてみると，私はヘッドフォンなどは中古で購入することが多く，すでにエージングの余地のない状態だったからかもしれない。あるいは，TANNOY Autograph miniなどはエージング前から気持ちの良い音を出してくれていたので，急激にエージングをさせることがなく，音の変化があったとしてもゆるやかだったために気付かなかったというのもあるだろう。普段のペースであれば１ヶ月ほどかけるエージングを今回は一気に行ったために，その変化が劇的に感じられたというのもあるのではないか。今回使用したのは，エージング用CDとして定評のあるXLO Reference Recordings Test & Burn-in CDのトラック9。雑音のなかに，低音から高音そして再び低音まで連続して変化する電子音が繰り返される。エージング用音源としては普段聴く音楽を流せばよいとも言われるが，こういった専用音源を延々リピートさせたほうが手っ取り早く変化を体験できるのではないか。エージングには大きな音量にする必要はなく，普段より少し小さめの音量で十分のようだ。このCDはエージングだけでなくオーディオチェックCDとしても優秀で，デンオン・オーディオ・チェックCDと同様にチャンネル・チェックや位相チェック，周波数スイープのトラックが収録されているほか，ハンドクラップや消磁用のトラック，ワンポイントステレオマイクでしゃべりながら前後左右に移動して音場空間を説明するユニークなトラックもある。ちなみにここでしゃべっているキース・ジョンソン博士はHDCDの考案者。HDCDと言えば，高音質で聴くためには対応するプレーヤーが必要だが，特定のソフトウェアを使えば本来の音を再生できるようだ。こういったことができるのもPCオーディオならではだろう。エージング用のトラック以降には，高音質CDで有名なReference Recordingsらしく，極めて録音状態の良いジャズとクラシックのトラックが続く。01 チャンネル確認とチャンネル・バランス02 正相の音声03 逆相の音声04 ハンドクラップのトラック05 315Hzテスト・トーン06 キース・ジョンソンよる音場空間解説07 デマグネタイジング・スイープ08 低域周波数デマグネタイジング・フェード09 バーンイン・トーン（エージング）10 モノラル、正相11 モノラル、逆の相対位相12 ステレオ、逆の絶対位相13 ステレオ、正しい絶対位相「ストーミー・ウェザー」14 「シャイニー・ストッキングス」15 モートン・グールド作「デリヴェイションズ」より「”ラグ”ムーブメント」16 ヤナーチェク作「シンフォニエッタ」より「クィーンズ・モナスタリー」17 フランツ・ピープル作「アヴェ・マリア」18 ワインバーカー作「笛吹きのシュワンダ」より「ポルカとフーガ」これまでにレビューした機器・CD一覧はこちらこのブログ内をGoogleで検索ヘッドホン｜デイリー売れ筋人気ランキングオーディオケーブルランキング｜楽天プロダクトエージング用CD

2013年01月19日

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至福のヴォーカル＆トランペット録音のSACD盤：Ella and Louis - Ella Fitzgerald & Louis Armstrong

エラ・フィッツジェラルド＆ルイ・アームストロング / エラ・アンド・ルイ [SACD Hybrid]音質の良いサッチモの録音を求めて買ったSACD。1曲目のエラの歌い出しを聴いた瞬間に，ヴォーカルが得意なオートグラフ・ミニと真空管アンプがあってよかったと改めて思った。２人とも本当に良い声だ。特にエラの，聞きやすいが存在感のある声はとても印象的。リマスタリングのオノ・セイゲン氏はライナーノーツで次のように書いているが，まさに私も同じような印象を持った：「ジャズ・ファンでなくともイントロのピアノ10秒のあと完全に別世界に引き込まれる。エラの声が出たところで鳥肌。実に90%の人が鳥肌で，そうでない人は，こんな歌手の声を聞いたことがないのであっけにとられているのである。」1956年のモノラル録音だが，一聴しただけでは今年の録音だと言われても驚かないほどの生々しさがある。エラとルイの極上のヴォーカルとトランペット，そしてそれらを支えるオスカー・ピーターソン・トリオの心地良い演奏。今となっては決して顔を合わせることのできないこの３者が，細部まで最新の録音のようなリアリティを持って眼前に立ち表れてくる。このディスクは，ヴァーヴ60周年の記念企画として2004年に発売されたSACDのシリーズ「スープリーム・サウンド・エディション」の中の1枚だが，オノ氏によるとマスターの録音状態は「今回のシリーズの中でも特筆もの」だったようだ。もちろんこの音質には，オノ・セイゲン氏による丁寧なリマスタリングの功績も大きいのだろう。曲目はオーソドックスなスタンダード集。それぞれが非常にリラックスした雰囲気で，エラがルイの声を真似る場面もあったりする。この時期のモノラル録音で今まで聴かれ続けているものは，音質が良いものも多いが，何より内容が充実している。今から50年後にも前世紀の音楽として愛聴されているのは，この時代の音楽なのかも。そういえば1995年のブルース・ウィリス主演の映画『12モンキーズ』で，細菌テロで人類がほぼ全滅した2035年から1996年に戻ってきた主人公が，カーラジオを聞き「20世紀の音楽はいいなぁ」と涙ぐむ場面があったが，そこで流れるのもこの頃の音楽（こちらのサイトによるとFats Dominoによる1956年のヒット曲，「Blueberry Hill」）だった。Jane MonheitやAnn Sally，Enya，鮫島有美子，そしてDean Martin（「On The Street Where You Live」あたりは素晴らしい）など，お気に入りのヴォーカル・アルバムはいくつかあるが，「Ella & Louis」はしばらくそのリストの先頭を占めることになりそう。ジャケットの2人の幸福感あふれる表情も良い。01 Can't We Be Friends？02 Isn't It A Lovely Day？03 Moonlight In Vermont04 They Can't Take That Away From Me05 Under A Blanket Of Blue06 Tenderly07 A Foggy Day08 Stars Fell On Alabama09 Cheek To Cheek10 The Nearness Of You11 April In Parisこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちらこのブログ内をGoogleで検索Ella & Louis Again (RMST) (輸入盤CD) ：翌57年に出たElla and Louisの続編HMV 楽天市場ストア楽天レンタルメガプランを試す：意外とクラシックやジャズが充実

2009年07月05日

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ヴィヴァルディ「四季」（Carmignola, Nigel Kennedy），「名曲探偵アマデウス」

ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」他 - ジュリアーノ・カルミニョーラ(Vn)，アンドレーア・マルコン指揮，ヴェニス・バロック・オーケストラ（リンク先で全曲試聴可）この間のNHK「クラシックミステリー名曲探偵アマデウス」での演奏に惹かれ購入。カルミニョーラによるバロック・ヴァイオリンの心地良い響きと，古楽器アンサンブルならではの迫力が存分に楽しめる。録音も素晴らしい。「四季」はこれまで，定番と言われるイ・ムジチ合奏団による録音，ピエロ・トーゾ(Vn)，クラウディオ・シモーネ指揮，イ・ソリスティ・ヴェネティによる録音，そしてナイジェル・ケネディ(Vn)による録音を聴いたが，個人的には録音・演奏ともにカルミニョーラのものがもっともしっくりくる。特に，ライナーノーツで諸石幸生氏も薦めているが，迫力ある「夏」の第3楽章と，ひたすら美しい「冬」の第2楽章は白眉。ナイジェル・ケネディの「四季」は，最も売れたクラシックアルバムとしてギネスに認定されたと番組で紹介されたので興味を持ち今回聴いてみたが，意外と正統派の演奏だったので，なぜこれがベストセラー？と疑問に思った。しかしYouTubeのこの映像を見て納得。パンキーなヘアスタイルで足でリズムを取りながら会場を動き回り，他の奏者は全員サングラスをかけているというそのパフォーマンスはインパクトがあっておもしろい。ヴィヴァルディの時代にはヴァイオリニストのソロはロックのギターソロのように注目を浴びたというが，彼のコンサート（彼は「ギグ」と呼んでいるらしい）はそれを現代に蘇らせているのかもしれない。CDよりは，DVDのライヴ・アット・カルカソンヌのほうが楽しめそうだ。また，ケネディはポップスやジャズとのコラボレーションにも積極的で，特にロン・カーターやジャック・ディジョネットらが参加しているという2006年のジャズアルバム，ブルーノート・セッションズは聴いてみたい。「四季」のCDを2枚も買うきっかけになったこの「名曲探偵アマデウス」は，クラシック初心者を対象にしていると思われるドラマ仕立ての音楽バラエティー番組。しかし私はドラマを見る習慣がないので，この番組は主に専門家による解説と最後の字幕付き演奏を目当てに，気になる回だけチェックしている。ただ，見始めた頃はそのいかにもNHKのコメディといった感じの微妙なノリが苦手だったが，最近はそのノリも万人向けになってきたのか，それとも私が慣れてきただけなのか，あまり違和感はなくなってきた。ドラマは，筧利夫演じる所長と黒川芽以演じる助手が，毎回異なる依頼人の相談に乗る形で展開する。出演者はゲストを含め演技派で固められているようで，安心して見ていられる。場面は基本的に主人公が経営する探偵事務所に固定されており，一応探偵ものの設定だがミステリー要素はあまりなく，形式的にはシチュエーション・コメディに近い印象（欧米のもののように笑い声が入ることはないが）。依頼人は八百屋のおばさんや野球監督，ピエロなど，たいていクラシックとはあまり関係のない人たち。それぞれの悩みが専門家による解説としだいに結びついていくのだが，その脚本家の手腕には毎回感心させられる。曲解説に合った形で，毎回よくあれだけ異なるストーリーを作り出せるものだ。コメディなのでこじつけが基本とはいえ，キャスティングの妙もあり，つい何となく納得させられてしまう。今回は「四季」の「春」「夏」のみを取り上げて終わったが，秋ごろ放送されるという「秋」「冬」編も楽しみ。これまでにレビューした機器・CD一覧はこちらこのブログ内をGoogleで検索クラシックの名曲解剖：「名曲探偵」監修者，野本由紀夫氏による入門書【楽天市場】SACDソフト：Joshin web楽天レンタルメガプランを試す：意外とクラシックやジャズが充実

2009年05月03日

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Earl Klugh / Naked Guitar：スタンダード中心の心地良いギターソロアルバム

EARL KLUGH / NAKED GUITAR (輸入盤CD)（2005年発表）1989年の「Solo Guitar」を聴いて以来気になっていたアール・クルーの一番新しいソロ・アルバム（といっても最新作「Spice Of Life」の前のアルバムだが）を買った。解説を読みたいのでできれば国内盤が良かったが，レーベルが変わった関係か国内盤は1999年の「Peculiar Situation」までしか出ていないようだ。それと，国内盤はCCCDが多いようなので要注意。リマスター盤までCCCDで出るという，何がしたいのかよくわからないことになっている。輸入盤にもCCCDがあるようだが，幸い今回のUS盤は普通のCDだった。これまで輸入盤はたいていAmazonかHMVで手に入れていたが，今回はAmazonより安かったこともあり，楽天のポイントが使える「あめりかん・ぱい」を試してみた。2枚までならメール便が送料無料で使えるのは個人的に便利。メール便は基本的に補償がない上に紛失事故が多いといううわさもあるが，勝手にポストに入っているのはやはり楽。またここでは楽天のポイントに加えて独自のポイントが貯まるのも良心的。このアルバム，内容としては「Solo Guitar」同様スタンダード中心の選曲だが，聴いてみてまず感じるのが「Solo Guitar」よりも音がさらに生々しくなっていること。「Solo Guitar」も高音質ながらややリバーブがかかったような印象があったが，こちらはまさにタイトルのイメージどおりギターそのものの音をダイレクトに聴いているような感じがある。といっても，FAKiEの「To the Limit」のように思わず聞き耳を立ててしまうほどリアルな質感というわけではないので，基本的にはリラックスして聞ける。しかしこの人のプレイは本当に心地良い。引き出しが多いわけではないのか時折別のアルバムで聞いたようなパッセージが顔を出すこともあるが，彼のリズム感が私に合っているのか，つい飽きもせず何度も繰り返しリピートしてしまう。#13なども極めてシンプルなアレンジながら，そのゆったりとした間の取り方のためか，彼にしか出来ない「ムーン・リバー」だと感じる。私にとっては「Trio Volume 1」と共にいつまでも聞き続けることになりそうな作品。01 The Night Has A Thousand Eyes02 Baubles, Bangles, And Beads03 Serenata04 Alice In Wonderland05 In The Moonlight06 The Summer Knows07 Ding Dong The Witch Is Dead08 Who Can I Turn To09 On A Clear Day10 Be My Love11 I Want To Hold Your Hand12 All The Things You Are13 Moon River14 Angelinaこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちらこのブログ内をGoogleで検索輸入盤CDオープナー：あの鬱陶しいセロハンを一発ではがす【楽天市場】SACDソフト：Joshin web楽天レンタルメガプランを試す：意外とジャズやクラシックが充実

2009年03月26日

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定番オーディオチェック用LPのSACD盤：カンターテ・ドミノ世界のクリスマス音楽

気が付けばすでに師走。ついこの間「LUPIN THE THIRD JAZZ CHRISTMAS」の記事を書いたような気がするが・・・。街もクリスマス色に染まりつつあるのでカンターテ・ドミノ（CD/SACDハイブリット盤）」（リンク先で試聴可）を聴いてみる。2本のマイク（Pearl TC4）とオープンリールのテープレコーダー（Revox A77）のみという極めてシンプルな機材で1976年に録音された音源ながら，さすがにオーディオチェック用ソースの定番としてよく引合いに出されるだけのことはあり，ストックホルム，オスカル教会（Oscarskyrkan）の高い天井が作り出す豊かな音場をリアルに感じ取ることができる。LP盤は未聴だが，DSD録音によるSACDへのマスタリングも丁寧に行われているようで，原盤の魅力が十二分に引き出されていると感じる。「世界のクリスマス音楽」というサブタイトルが示すとおり，おなじみの「きよしこの夜」や「ホワイト・クリスマス」の他に，フランスやチェコなどのクリスマス曲が含まれているようだ。ただ，中には韓国の民謡もあったりして厳密なクリスマス曲ばかりを集めているというわけではなく，またクリスマス曲と言っても日本では馴染みの薄い曲も多いため，いわゆる「クリスマス・アルバム」のようにこの時期限定という印象は薄く，高音質な教会音楽として季節を問わず楽しめる。まず#1の冒頭から，圧倒的な重低音を響かせるオルガンの存在感に驚かされる。高らかに響き渡るファンファーレに続いて幻想的なコーラスが静かに立ち現れてくる。6分弱の曲ながら，オルガンのソロにコーラス，そしてトランペットとトロンボーンが順番に加わっていき大団円を迎えるラストも感動的。アルバムを通して言えることだが，教会の豊かな残響音が楽しめる一方で，各楽器はそれぞれその存在感を保っており，混ざり合って聴き辛くなるといったことはない。表彰状授与のBGMとしておなじみのヘンデルによる#6「見よ、勇者は帰る」だが，コーラスのみというシンプルな編成のためか，静かな喜びのようなものを感じ取ることができ，ブラスによる演奏とは一味違った印象。凝ったアレンジで展開される#10など全体的にコーラスの美しさが際立っているが，#15などではオルガンの多彩で豊かな響きが楽しめる。加えて，悲しげに歌われる#8や12，そしてオルガンをバックに優しく歌われる#14でのソプラノも存在感がある。個人的に「教会でのクリスマス」というイメージに最も合致するのが#13の「きよしこの夜」。控えめに始まり透明感を感じさせる女声合唱に，男声合唱が続き，最後は混声で終わるアレンジも良い。一方#17の「ホワイト・クリスマス」は意外にもジャジーなアレンジ。ただ，ノリノリなオルガンに対してあくまでマイペースな女声合唱はヨーロッパの聖歌隊らしい。いや，私がこのあたりの映画に影響され，アメリカの聖歌隊に対して歪んだイメージを持っているだけか（笑）。他にも，男声による冒頭の「ジンジン」がユーモラスな#16など肩肘張らず気軽に楽しめる曲も多く，アレンジが凝っていてバラエティに富んでいることもあり，オーディオチェック用としてはもちろん音楽的にもおすすめ。01 Cantate Domino [Enrico Bossi]02 Concerto for Organ in A major - I. Allegro [Johann Gottfried Walther]03 Concerto for Organ in A major - II. Adagio [Johann Gottfried Walther]04 Concerto for Organ in A major - III. Allegro [Johann Gottfried Walther]05 Advent [Otto Olsson]06 Daughter of Zion， rejoice! [George Frideric Handel]07 Hosanna to the Son of David [Georg Joseph Vogler]08 Rejoice， you bride of Christ [Traditional]09 Lullaby [Korean Folksing]10 Christ is born the Child Divine [French Carol]11 Christmas song [Adolphe Adam]12 O Day full of Grace [Traditional]13 Silent Night [Franz Gruber]14 Mary's Lullaby [Max Reger]15 Christmas [Otto Olsson]16 Zither Carol [Czech Folksong]17 White Christmas [Irving Berlin]これまでにレビューした機器・CD一覧はこちらこのブログ内をGoogleで検索【楽天市場】SACDソフト：Joshin webCD＞クラシック：オークションで掘り出し物を探す露天風呂付客室のある宿一覧【楽天トラベル】

2008年12月04日

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菅野レコーディングバイブル：生々しいアナログ録音

菅野レコーディングバイブル嶋護編著著名なオーディオ評論家，菅野沖彦氏が録音制作家として活動していた時代の音源を紹介したもの。試聴会で付属ディスクの音を気に入ったので購入。このようにハードカバーの本にSACD/CDハイブリッドディスクが付属している。「レコーディングバイブル」という名前から，菅野氏のレコーディングノウハウが書かれていることを想像していたが，むしろ嶋氏による菅野録音の批評といった印象で，それほど専門的な用語は出てこないので初心者の私には読みやすかった。付属ディスクについて曲ごとの詳しい解説もある。また，なぜか英語による解説もついており，どうやら日本語部分の単なる英訳ではなく，菅野氏をよく知らない外国人向けにより基本的なことが書かれているようだ。私は氏について詳しくないのでこの辺りも日本語で読みたかったが・・・付属ディスクに収録されているのは1970～81年に出たアナログ録音の復刻音源だが，それぞれの音の生々しさにまず驚かされる。#1のチェロや#2のパイプオルガンは，解説にあるように楽器の「音の出発点」がはっきり感じ取れるような緻密な録音がなされており，眼前にそれぞれの形が浮かび上がってくるかのような感覚がある。このあたりはTACETレーベルのディスクのように，機材の良さを熟知しそれを生かしきることで実現できた生々しさなのだろう。#5は尺八と琵琶による武満の前衛的な曲で，後の「ノヴェンバー・ステップス」作曲に繋がった録音。唾がかかってくるような尺八と，身を切られるような鋭いバチの音は凄まじい迫力で，小澤征爾にこの録音を聴かせられ気に入ったバーンスタインが，武満にこれを発展させた協奏曲を依頼したというのも頷ける。後半の弦を擦る音などはあまりにリアルなので，初めて立体音響を聞いたときの何とも言えないむず痒さに近いものを感じた。タンゴの#6やジャズの#7，8，13での，やや硬質な感じのピアノの音も好み。#7のトランペットには飛び出してくるかのような鋭さがあるが，音割れするのが惜しい。他にマスターテープ由来のヒスノイズがやや目立つ曲もあるが，音色の変化を避けるためあえてそのままにしているとのこと。ライブ録音#9の「Hello Dolly」でのダイナミックなドラム，#10，11での，嶋氏が言うところの「可触感」のあるヴィブラフォン，#12での存在感のあるベースなど，それぞれに聴き所がある。01 ヤーノシュ・シュタルケル（チェロ）　　 - パガニーニの主題による変奏曲：ボタームンド～シュタルケル02 アマデウス・ウェーバージンケ（オルガン）　　 - オルガン・コラール「人よ汝の罪の大いなるを嘆け」：J.S.バッハ03 宮沢明子（ピアノ） - 前奏曲ロ短調：J.S.バッハ～シロティ04 宮沢明子（ピアノ） - 夜想曲（作品９）第１番：ショパン05 横山勝也（尺八）、鶴田錦史（琵琶） - エクリプス：武満徹06 高橋忠雄（指揮）、グラン・オルケスタ・ティピカ・ケンウッド - エル・クルチョ07 世良譲＆ヒズ・バンド - 嘘は罪08 世良譲＆ヒズ・バンド - ミーン・トゥ・ミー09 マーサ三宅 - ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイ～ハロー・ドーリー10 増田一郎クインテット - ユー・ドゥ・サムシング・トゥ・ミー11 増田一郎クインテット - ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ12 西条孝之助 - クライ13 西直樹（ピアノ）、高橋達也（テナーサックス） - アイ・リメンバー・クリフォードこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら【楽天市場】SACDソフト：Joshin web季刊ステレオサウンドレコードジャケット用額縁の店：レコードジャケット・CD用額縁，音響製品

2008年09月12日

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涼しげなアコギ・ソロ：渡辺香津美，Earl Klugh

渡辺香津美 / Guitar Renaissance II＜夢＞（SACDハイブリッド）（2005年発表）こう暑いと清涼感のあるアコギの音が恋しくなる。シンプルなギターソロはBGMにも心地良いし，じっくり聴いてもその奥深い響きを堪能できる。音質が良いためよく聞くのが押尾コータローや渡辺香津美のこのSACD。渡辺香津美というとTO CHI KA（リンク先で試聴可能）やMO'BOPなどフュージョンアルバムでの独創的なエレクトリックギタープレイの印象が強いが，OYATSUシリーズやこのGuitar Renaissanceシリーズなど，アコースティックギターによるアルバムも割と出している。アコギ1本のみで演奏される「Guitar Renaissance II」の選曲はクラシックからジャズ，ポップスまで多彩。#9などはアレンジも凝っていておもしろい。#3のクライマックスではその超絶技巧に圧倒される。ただ，押尾コータローなどでもそうだが，このあたりは「どうだ！」と言わんばかりに次々と技が繰り出され，つい聴き入ってしまうのでBGMにはあまり向いてないかも。紀尾井ホールでのライブだが，DSD録音により，アコースティックギターの微細なニュアンスからホールの響きの良さまではっきりと感じ取ることができる。01 Smile (Charlie Chaplin)02 Allemande 無伴奏チェロ組曲第1番 BMV 1007より（J.S. Bach）03 Three Views Of A Secret (Jaco Pastorius)04 ワーニャ伯父さん～Fool On The Hill (渡辺香津美～Lennon-McCartny)05 ゴンドラの唄 (中山晋平)06 Blue Steel (渡辺香津美)07 旅立つ秋 (荒井由美)08 Night & Day (Cole Porter)09 So What (Miles Davis)10 夢のあとに (Gabriel Faure)11 Nuages (Django Reinhardt)12 Minor Swing (Django Reinhardt)Earl Klugh / Solo Guitar（1989年発表）生ギターによるスムーズジャズでおなじみのアール・クルーによる1989年のアコースティックギター・ソロ・アルバム。70年代から活躍しているアール・クルーだが，意外にも初めてのソロ・アルバム。こちらはおなじみのスタンダードナンバーばかりが集められており，奇抜なアレンジもなくとにかく聞きやすい。DSD録音の「Guitar Renaissance II」ほどの解像度はないかもしれないが，音質もすばらしく，ひたすら心地良いアール・クルーのギターの響きを堪能できる。私がアール・クルーのギターの音色に最初に触れたアルバムはトリオ Vol.1（1991年発表）だった。シンプルなトリオ編成によるジャズ・スタンダードで，ひたすら地味な印象だが，彼のプレイには不思議と強烈に惹かれるところがあって，結果的に最もよく聞いているCDの１つになっている。Vol.1が気に入ったのでトリオシリーズのVol.2（1993年発表）も聞いてみたが，映画音楽をゴージャスにアレンジしたこちらはVol.1とは対極のような派手さで，個人的にはダメだった。85～97年のアルバムから選曲されたベスト・オブ・アール・クルーも，甘いストリングスにメロウな生ギターが乗る典型的なイージーリスニングといった印象で，私にはやはり今ひとつだった。その点このソロ・ギターは，彼のギタープレイの妙をじっくり楽しめる。その音色は基本的に心地良さが追求されているが，決して退屈ではない。リズムやアレンジを工夫することで，刺激と安らぎの絶妙なバランスが保たれているのだろう。01 It's Only A Paper Moon02 So Many Stars03 I'm Confessin04 If I Only Had A Brain05 Emily06 Love Is Here To Stay07 Someday My Prince Will Come08 Any Old Time Of The Day09 Once Upon A Summertime10 Embraceable You11 I'm All Smiles12 You Make Me Feel So Young13 Autumn Leaves14 The Way You Look Tonightこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら【楽天市場】SACDソフト：Joshin web楽天ブックス：イージーリスニングレコードジャケット用額縁の店：レコードジャケット・CD用額縁，音響製品

2008年08月06日

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Art Blakey / Moanin'：ブルーノートRVGコレクションのリマスター

金曜夜に教育テレビでやっている「美の壺」を長らく見ているためか，「Moanin'」を聞くと反射的に人懐こい谷啓の顔が思い浮かぶようになってしまった。かつてはそれを聞くと卒業式の感動的な思い出が蘇っていたエルガーの「威風堂々」も，CMのせいで今では中華をおいしそうに食べる家族のスローモーションが連想されるようになってしまっているが，それと似たようなものか。テレビの刷り込みの力は恐ろしい(笑)。ファンキージャズの代名詞とも言えるその「Moanin'」を筆頭に，ひたすら気持ちいいハードバップが続くアート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーズの1958年録音の名盤『モーニン』（2008年3月発売，TOCJ-7093）だが，このリマスター盤の音質は以前のものとはかなり異なっているようだ。ブレイキーのこの「Moanin'」は「美の壺」のCDにも当然ながら収録されているが，改めて比べて聴いてみて，その印象の違いに驚かされた。まず，全体を通して音が格段にクリアになっている。例えば，「ナイアガラ・ロール」と呼ばれるブレイキー独特の滝のようなロールは，以前はくぐもったようなローファイな印象だったが，リマスター盤では細部まではっきりと聴き取れ，その迫力が十分伝わってくる。この盤は，EMIミュージック・ジャパンが去年の6月から毎月10枚ずつ発売した，計100枚のリマスター盤シリーズ「ブルーノートRVGコレクション」の一環としてリリースされている。「RVG」とは，ブルーノートを中心に『モーニン』などジャズの名盤の数々を録音したレコーディングエンジニア，Rudy Van Gelderの頭文字から取られている（リマスター盤『モーニン』の冒頭で彼とリー・モーガンのちょっとした会話が聞ける）。彼は1998年から自ら録音したブルーノート音源の24ビットデジタル化を進めており，そのリマスター盤は「RVGエディション」としてリリースされているが，そのシリーズの国内盤が「ブルーノートRVGコレクション」だ（先行する輸入盤と同じ音源のものもあれば，なかには国内向けにさらに手が加えられているものもあるようだ）。カーペンターズのベストアルバム「Singles 1969-1981」のSACD盤のように，やはりオリジナルの録音に携わっていた人間がリマスタリングしたものは高音質になる傾向にあるようだ。またリマスター盤『モーニン』では，それ以前の音源にはあったステレオ感が失われており，モノラルに近い印象になっている。この点に関して発売元に問い合わせた人がAmazonのレビューに書いていたが，RVGはあえて「左右への拡がりを少なくしたリマスタリング」をしているということだ。モノラルでの再生前提で録音されているこの時代の音源を無理やりステレオ化するよりは，こちらのほうが望ましい結果になると考えたのかもしれない。確かにモノラルに近いためか低域の迫力が増しているように感じる。ただ，こういった名盤がリマスターされるのはありがたいが，一般に古いCDをすでに持っている場合に新たに買うかどうかは迷うところ。音質の向上が確信できるなら良いが，「ブルーノートRVGコレクション」のようにすでに発売されている輸入盤のリマスターよりさらに良くなっているかどうかわからない場合，情報もないのに買い直すのはリスキーだ（ちなみに『モーニン』は輸入盤と同じ音源のようだ）。そんな時に便利なのがCDレンタルだが，現在メインで使っている楽天レンタルは，以前にも書いたがサイトに型番情報が載せられていないため，リマスター音源かどうかを特定するのが困難。もっとも，右上に表示されるレンタル開始日によりある程度特定することはできる。最近登録されたものは発売と同時にレンタル開始となっていることが多いので，発売元のホームページなどで発売日の情報を入手すれば，それと照らし合わせることで目当ての盤かどうかチェックできる。楽天レンタルには「ブルーノートRVGコレクション」のCDは割と登録されているようだ。また，ジャンルごとに新着順にソートしたりもできるので，借り放題プランであれば新しいものから順に気になるCDを片っ端からリストに登録していくという荒業も可能。ただ，楽天レンタルは品揃えが私好みなのは良いが，「返却連絡メール」のシステムが終了した（代わりに「つぎクル」という一見似たようなサービスが始まったが，以前よりは時間がかかるようになった）ことに加え，私が使っている「スタンダードプラン」などいくつかのプランが以前より条件の悪いものに変更になってしまったのが少し痛い。他社と比べてサービス面での優位性が薄れた分，ジャズやクラシックなどのマニアックな品揃えで差別化してもらいたいところ。これまでにレビューした機器・CD一覧はこちら【楽天市場】ジャズLP > AUDIOFILE：ＭＣ昭和想い出の音楽・映像をセットでお届け：コロムビアファミリークラブPLATINUM COLLECTION：各界著名人が厳選し一流と認めた珠玉のホテル達

2008年07月05日

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カバー曲（解体系）：椎名林檎，GRAPEVINE，木村カエラ，クラムボン，モータウン

（前回の続き…）ただ，やはり原曲のアレンジを大幅に変えたもののほうがインパクトは高い。大人しめの曲をパンク・ロック風にしたり，ポップスをテクノ風にしたり，「METAL CLASSIC」のようにクラシックをメタル風にしたりなど，別のジャンルにアレンジしてしまう場合が多い。しかしオリジナルを超えた魅力を生み出すのはなかなか難しいようだ。そんな中，個人的にこれぞカバーの醍醐味と感じるアレンジの１つが，ユーミンのトリビュート盤「Queen's Fellows」（2002年）での椎名林檎による「翳りゆく部屋」。歌い出しこそ穏やかなものの，「どんな運命が」のあたりから，感情を爆発させるような彼女らしい歌い方を前面に出してくる。パイプオルガンの荘厳な雰囲気の中淡々と歌われるオリジナルとは対照的だが，不思議とどちらのアレンジも「輝きは戻らない　私が今死んでも」と歌う歌詞の生々しさを存分に引き出しているように思えておもしろい。極端にブーミーに処理されたベースの音は個人的には残念だが。前述の「ユニコーン・トリビュート」にはこちらの方向性のカバーのほうが多いのだが，中でもオリジナルの持つ全く別の魅力を引き出すことに成功していると感じるのが，GRAPEVINEによる「ニッポンへ行くの巻」。外国人が見た日本がユーモラスに歌われ（「義理と人情が一番大切」といった歌詞まである(笑)），アジアを連想させる女性の怒ったような声が挿入されるなど，原曲はかなりとぼけたロックなのだが，それがここではさわやかでノスタルジーを感じさせるギターロックに変えられている。支配的だったユーモラスなベースラインを抑え，新たに加えた印象的なギターリフによって曲を引っ張らせる手腕は見事。またドラムの処理も個人的に好みだ。同時発売された「奥田民生・カバーズ」冒頭の木村カエラによる「マシマロ」も，ハードなリフが刻まれる前のめりなアレンジにより原曲のゆるい雰囲気を一変させている。クラムボンの「LOVER ALBUM」（2006年，リンク先で試聴可能）に収録された「ナイトクルージング」では，原曲でのフィッシュマンズ特有のダブサウンドや印象的なドラムパターンを排し，ピアノと単調なドラムにボーカルが乗るというシンプルなアレンジがなされている。しかしそこにしだいに開放的なギターを加えていくことで，独特の雰囲気を生み出すことに成功している。Motown Meets The Beatles（1995年）は楽天レンタルでたまたま見つけたアルバムだが，リクエストしている人はほとんどいなかった。文字通りビートルズの曲をモータウン風，ブラックミュージック風にアレンジしたものだろうというその予想は間違っていなかったが，その人気のなさから無名に近いミュージシャンによるものだろうと思っていたので，その豪華な顔ぶれには驚いた。スプリームス，フォー・トップス，スティーヴィー・ワンダー，テンプテーションズ，ダイアナ・ロス，マーヴィン・ゲイなどなど錚々たるメンバーが参加。しかも大御所によるやっつけ仕事では決してなく，名曲を徹底的に解体した上でR&Bとして綿密に１から再構築している。全曲素晴らしいが，#3や#5，#9などのアレンジが好み。ただ，惜しむらくはそのペラペラな音質。発売は95年だが，もともとはビートルズの現役時代にアルバム収録曲として録音された音源のコンピレーションのようだ。これはぜひリマスターしてもらいたいところ。01 The Supremes - A Hard Day's Night02 Four Tops - Eleanor Rigby03 Stevie Wonder - We Can Work It Out04 Temptations - Hey Jude05 Marvin Gaye - Yesterday06 Diana Ross - The Long And Winding Road07 The Supremes - Come Together08 Syreeta - She's Leaving Home09 The Supremes - You Can't Do That10 Four Tops - The Fool On The Hill11 Four Tops - Michelle12 Smokey Robinson - And I Love Her13 Martha Reeves - Something14 Gladys Knight & The Pips - Let It Be15 Diana Ross - Imagine16 Jr. Walker - My Love17 Edwin Starr - My Sweet Lordこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら楽天の宅配CD/DVDレンタルを試してみた：メリット・デメリット【楽天ダウンロード】ミュージック - 音楽の無料・試聴版・有料版ダウンロード【楽天トラベル】夏休み特集2008

2008年06月27日

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カバー曲（リスペクト系）：ユニコーン・トリビュート，夏川りみ

相互リンクさせていただいているＳＡＣＤ普及推進委員会会長のろじゃーすさんのブログは，最近ＳＡＣＤレヴューブログも始まるなど，SACDの貴重な情報が集まっている（私も，5.1chサラウンド環境もないのに「ＳＡＣＤ普及推進委員会名誉顧問」というあまりにもったいない役職を頂いてしまったが（笑））。そのろじゃーすさんのところでカバー曲の記事を読んだので，私も安易にマネすることに。2005年に徳永英明が女性ボーカル曲のカバーアルバム「ヴォーカリスト」を出して以来，カバーやトリビュート・アルバムのブームが続いているようだ。昔の良い曲が再評価されるというのは良いが，一方で最近では「良いオリジナルがないからとりあえずカバーやっとけ」みたいな印象のものも多い気がする。ハズレをつかむことが多そうなのでなかなか購入には踏み切れないが，こういった時にCDレンタルはうってつけ。というわけで，楽天レンタルなどで最近聞いたものを中心にいくつか紹介。カバー曲には，原曲に忠実なアレンジを目指す方向性と，原曲を解体し新たな魅力を探る方向性がある。最初の方向性を取るものは，原曲への「リスペクト」からなどとよく言うが，個人的にはあまり面白みを感じないことが多い。かつてのテレビ番組「夜もヒッパレ」のように，あの人があんな曲をカバーしている，という行為それ自体に価値を見出すなら話は別だが，そういった思い入れがなければ，単なるカラオケを聞いているような印象になってしまいがちだ。しかし，音質の面で価値を見出せる場合もある。古い録音だと，マスターテープの質が悪いためにリマスターでの音質向上も望めないことが多いが，そのような曲を現在の録音技術のもと，原曲にできるだけ近いアレンジで改めて録音してもらえるのは個人的にありがたい。以前触れたDeep Purpleのトリビュート盤（1996年）などもこちらだろう。ソロは全く違ったりするが，基本的に原曲と同じ気持ちよさをさらに追求していると思われるのが「ユニコーン・トリビュート」（2007年）の「与える男」（吉井和哉），「おかしな2人」（シュノーケル），「ケダモノの嵐」（SPARKS GO GO）。いずれもオリジナルよりバックギターのザクザク感が際立っており，ドラムの抜けも良くなっている。夏川りみの「歌さがし～リクエストカバーアルバム～」（2007年，リンク先で試聴可能）にある「時代」や「なごり雪」も原曲からかけ離れたアレンジではないが，それぞれ曲の良さをさらに引き出している。しかし，彼女の圧倒的な歌唱力と豊かな声質を最も堪能できるのは，やはり八重山民謡の「デンサー節」だったりするが。（次回に続く…）これまでにレビューした機器・CD一覧はこちらSACDソフト：CD＆DVD NEOWING2007年楽天ブックス年間ランキング> CD編> オムニバス【楽天トラベル】ANA楽パック（航空券+宿泊）ダイナミックパッケージで自由自在

2008年06月27日

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70年代の音：荒井由美，CSN&Y

音楽にはそれが流れていた時代を思い起こさせる力があるとよく言われるが，私にとってそれを強烈に感じさせるのが，「NHKアーカイブス」のテーマ「瞳を閉じて」やこの時期の定番「卒業写真」など，松任谷由実の荒井由美時代の曲だ。（リアルタイムに聞いていた世代ではないが）荒井由美 / Super Best of Yumi Arai（2000年発売）このアルバムは96年のベスト盤の再発で，松任谷由実の復刻・再発盤に詳しいこちらのサイトによると，著名なマスタリングエンジニア，バーニー・グランドマンによるリマスター音源のようだ。確かに70年代のポップスものの再発とは思えないほど分離の良いクリアな音質。どの曲もあの独特の声でサラっと歌われていて，アレンジも松任谷由実時代に比べてシンプルだが，その分彼女の曲の構成の妙がダイレクトに伝わってくる。オリジナリティ溢れる展開の「きっと言える」などの名曲の数々を聴くと，デビュー時からこれほど独創的でありながら親しみ易い音楽が量産されていたことに改めて驚かされる。既にスタンダードになった感のある「春よ、来い」など松任谷由実時代のリマスター音源も合わせて聞くなら，去年発売の季節に合わせたベスト盤，SEASONS COLOURS -春夏撰曲集-，-秋冬撰曲集-が便利。Crosby, Stills, Nash & Young / Deja Vu（1970年発表）ユーミンとは音楽性はかなり異なるが（笑），同じく70年代の音楽で最近改めて聞いてみて強烈に時代性を感じたのが，クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの「デジャ・ヴ」。残念ながらリマスター盤は出ていないようだ。さすが名盤と言われるだけあって，不思議な魅力を持つメロディとハーモニーが印象的なCarry Onからバラエティ豊かな名曲が続く。中でも特に胸を打つのが，この時代のフォーク特有のナイーブさ，もろさを感じさせる，シンプルで美しいOur House。そういえば，昔「Friends」のアコースティックだが呪術的なリフが気に入り，似たような音楽を探して読んだ渋谷陽一氏のLed Zeppelin IIIのライナーノーツが，私がこのアルバムを手に取ったきっかけだった。（実際には似て非なるものとして挙げられているだけだが。）ほんの少し前まで，気に入ったアルバムに近い音楽を探す手がかりは，こういったノーツか雑誌ぐらいしかなかった。そう考えるとインターネットの革新性を改めて感じる。90年代以降，その時代を代表するような，世代を超えて誰でも知っている曲，といったものが少なくなっている気がするが，その要因の１つは，このインターネットを始めとする情報技術の発達により音楽の好みが多様化・細分化してきたことだろう。昔は情報が限られていたことにより，「これを聞いたらこれも聞くべし」みたいな，評論家やメディアが作った流れがある程度はっきりしていたが，今では私のように新旧問わず気の向くままに音楽をつまみぐいする人間が多くなったのでは。何しろ，古い音源が簡単に手に入るようになったこともあり，関連の音楽を片っ端から聞いていてもキリがない。また「～年代リバイバル」が繰り返されることで，その時代を象徴する音といったものがはっきりしなくなってきたように思う。結果として，音楽の，その時代の空気を閉じ込めるタイムカプセルのような力も薄れてきているのかもしれない。それとも単に私が枯れてきて，巷のエンタメ情報に疎くなっただけか？もっとも数十年後には，「千の風になって」を聞いてノスタルジーに浸っているかもしれないが・・・これまでにレビューした機器・CD一覧はこちらコロムビアファミリークラブ：名作・名曲全集，なつかしの音楽・映像青春歌年鑑 70年代総集編：全曲試聴可【楽天トラベル】春休み＆ゴールデンウィーク特集2008

2008年03月23日

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愛着ある機器による丁寧な録音が生む高音質：The Tube (TACET S74) [SACD Hybrid]

Stuttgart Chamber Orchestra / The Tube (TACET S74) [SACD Hybrid]（1999年録音）前回のDas Mikrofonといっしょに購入したのがこのThe Tubeで，マイクからアンプ，ミキサー，そしてテープレコーダーに至るまで，全て真空管式の機器のみを使って録音した，という，さらにマニアックなもの。こちらもTACETの代表的なディスクということで一応購入してみたが，聴く前はその試みにあまり意味があるとは正直思っていなかった。アンプに限っていえば，経験上，それが真空管アンプか半導体アンプかデジタルアンプか，というよりは，個別に音を聴いてみないと判断できないと思っているし，むしろ真空管式にはトランスなど音質上不利な点も多いという認識があった。ライナーノーツではディスクの制作意図についても触れられており，オーディオ技術が真空管から半導体へ移り変わる過程で何かが失われたのではないか，という問いから制作が開始されたという。その真空管へのこだわりは徹底されている。例えば，CDに収めるためにアナログ-デジタル変換する際に半導体の機器を使っていることは認めているものの，それでもその処理において音声信号が半導体の中を通らないよう注意したとし，あくまでも半導体が音に影響を与えることはなかったと主張している。これを読んで私はふと，アルバムのクレジットにいつも「No Synthesizers Used, No Computers Used.」と書いていたトム・ショルツ率いるロックバンドボストンの頑固さを思い出した。テープレコーダーとエディターとして使われたTelefunken M5の中身。ライナーノーツには他にも，今となっては動かすこと自体大変そうな機器の写真が載せられており，録音の過程ごとに詳細な説明がある。ただし，ざっと最後まで読んでみても，上記の問いに対する回答は明確には書かれていないようだ。（私の拙い英語力と知識では文脈を捉えきれていないのかもしれませんが・・・）もっとも実際に聴いてみると，真空管か半導体か，といったことはどうでもよくなるほどに優秀な録音だと感じる。#1の冒頭のバイオリンのピチカートから存在感のある音に驚かされる。#16では低音の重厚な響きから現れるバイオリンの瑞々しいソロが聞ける。また収録曲はバロック音楽で統一されているが，有名曲ばかりを集めたよくあるコンピにはないこだわりの選曲で，不協和音を含むこの#16なども，この時代の音楽の奥深さを感じることができる。シュトゥットガルト室内管弦楽団による演奏もすばらしい。「松脂が飛び散る音」と評されることのあるTACETだが，確かに演奏されている様子が目に浮かぶようなリアリティがある。そういえば，最新の1-bitデジタル録音技術で録られたTo the Limitでもギターの質感まで分かるような音に驚いたが，「Tube Only」にこだわった録音でそれに似た生々しさがあるのはおもしろい。しかし，あんなに古い録音機器でこれほどすばらしい音が録れるというのはどういうことなのだろうか。全くの素人の想像になってしまうが，これは卓越したアナログ録音の技術を持った職人の執念に因るところが大きいのではないかと思う。最近のDTM用機器・アプリケーションを見ても，昔よりはるかに簡単に高音質な録音が可能になってきていることは素人目にもわかるが，その分効率が重視され，音源に合わせてマスタリングを丁寧に行うといったことが少なくなってきているのではないか。現在の録音現場の様子が書かれているこちらのページを読むと，録音エンジニアが試行錯誤を重ねることで積み上げてきた職人の技が失われてきているように感じる。（この方のページは以前ベッドサイドオーディオ設置の際に参考にさせていただいたが，他にもライブとオーディオの違いなどもおもしろい。）いくら録音技術が発達しても，ここをいじるとこんな音になる，という経験やセンスは必要なはず。The Tubeの高音質は，経験豊富な専門家が機能を熟知し思い入れのある機器を，マスター音源の性質に合わせて細かく調整した結果なのだろう。続編のThe Tube Only Violinなども聴きたくなってきた。01 Luigi Boccherini - La Musica Notturna delle strade di Madrid02-04 Giovanni Battista Sammartini - Sinfonia F-Dur JC 3505-08 Charles Avison - Concerto XII09-12 Georg Friedrich Handel - Concerto grosso op.6 Nr.2 F-Dur13-15 Antonio Vivaldi - Concerto alla Rustica G-Dur RV 15116 Heinrich Ignaz Franz Biber - Battalia a 1017-21 Arcangelo Corelli - Concerto grosso op.6 No.7 D-Durこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちらSACDソフト：CD＆DVD NEOWING【楽天市場】クラシックCD売れ筋ランキング【楽天トラベル】全国お花見スポット特集2008

2008年03月14日

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マイクに拘った録音：Das Mikrofon (TACET S17) [SACD Hybrid]

VA / Das Mikrofon (TACET S17) [SACD Hybrid]（1989-1991年録音）シュトゥットガルト室内管弦楽団のメンバーが，理想的な録音を求めて自ら設立したTACET(タチェット)レーベル。自社で録音を行い版権を所有しているため，マスターテープの段階から徹底的に音質にこだわった録音を行うことができ，その録音レベルの高さには昔から定評がある。ライナーノーツに使用機材など録音についての詳細な説明があることでも知られる。高音質CDを探しているとよく目にするレーベルなので以前から気になってはいたが，”楽器ごとの違いを同じ曲、同じ演奏者、同じ録音で”企画があるなど，自分にはややマニアックすぎる感じがしていて未聴だった。しかしFAKiE / To the Limitで録音の質の重要さを改めて感じ，その録音への徹底したこだわりぶりに惹かれて購入。Das Mikrofonはタイトルどおりマイクにフォーカスを当てたTACETの代表作。以前に出た音源から様々なマイクで録音された曲がピックアップされており，マイクによる音の違いを楽しむという趣旨のようだ。主にクラシックを収録。バイノーラル録音でおなじみのダミーヘッドが使われている曲もある。ダミーヘッドで録音された音源はヘッドフォンに最適化されていることが多いが，ここでは他のスタジオマイクと同様に扱われているのがおもしろい。バイノーラル録音のような独特の臨場感はないが，スピーカーでも違和感なく聴ける。球形マイクのSchoeps KFM-6Uやダミーヘッドの1種というClaraなど，珍しいマイクで録音された曲も多い。このように様々なマイクが使われているので，曲によっては個性的な，マイクのクセが強調されたような音が入っているのではないか，と思っていたのだが，実際には全くそんなことはなかった。例えば#1の録音に使われているのは，1927年のNeumann CMV3というまさにビンテージそのものといった感じのマイクなのだが，それで録られた音は極めて現代的な解像度を持っている。それでいてバイオリンの温かみのある豊かな響きも見事で，最新のマイクを用いてデジタル録音されたものでもこういった魅力的な音で録音されたものはなかなかないのではないか。ライナーノーツ片手にそれぞれのマイクの特徴を聴き比べるような聴き方もできるが，私のように録音技術に疎い人間でも純粋に高品質な録音と演奏レベルの高さを堪能できる。最後にサックスの柔らかな音色が楽しいBlue Moonが入っているなど，収録曲もバラエティに富んでいる。01 Joseph Haydn - Streichquartett - Op. 74 Nr.1, 2.Satz02 Johann Strauss (Sohn) - Egyptischer Marsch - Op. 33503 Ludwig van Beethoven - Sonate d-Moll - Op. 31 Nr 2, 1. Satz04 Gioacchino Rossini - Petite Messe Solennelle - Gloria05 Gioacchino Rossini - Petite Messe Solennelle - Cum Sancto06 Gioacchino Rossini - Petite Messe Solennelle - Crucifixus07 Johann Sebastian Bach - Partita d-Moll - BWV 1004, Giga08 Johann Caspar Kell - Toccata Terza in a09 Carl Philip Emanuel Bach - Sonate c-Moll - Wq 161a, 2.Satz10 Wolfgang Amadeus Mozart - Sonate in C - KV 330 (300h), 3.Satz11 Franz Schubert - Streichquartett G-Dur - Op.161 D 887, 3.Satz12 Hugo Wolf - 'Heiss' mich nicht reden' aus den Goethe-Liedern13 Johann Sebastian Bach - Die Kunst der Fuge - Contrapunctus 914 Wolfgang Amadeus Mozart - Fantasie d-Moll KV 39715 Felix Mendelssohn Bartholdy - Klaviertrio - Op. 66 Nr 2, 3.Satz16 Richard Rodgers - Blue Moonこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら高音質ＣＤ　xrcd shopレコードプレーヤー新製品情報【楽天トラベル】春休み＆ゴールデンウィーク特集2008

2008年03月13日

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竹竹 (ジョン・海山・ネプチューン) / エイジアン・ルーツ [SACD Hybrid]

竹竹 with Neptune / エイジアン・ルーツ [SACD Hybrid]デンオンのオーディオ・チェックCDに入っていた#1 Ocean Motionが気に入り購入。そういえばETV特集「人間国宝弥生の謎に挑む」でもこのアルバムの曲がBGMとして使われていた。「竹竹」は，中心となる尺八をはじめベースやドラムまで，使われている楽器が全て竹製という文字通り「竹だけ」のバンド。中心人物であるジョン・海山・ネプチューン自身によって書かれたライナーノーツによると，楽器の枠組みや支えには竹以外も用いられているが，振動体はあくまで竹だという。驚くことに，これらの楽器のほとんどは彼による手作りのようだ。このジョン・海山・ネプチューンというミュージシャン，私はOcean Motionを聞くまで知らなかったのだが，経歴もなかなか興味深い。生まれはアメリカだが，京都で尺八を勉強し，都山流の師範免許まで取得している。その後ジャズやフュージョン，さらにインドや東南アジアの民族音楽などとのジャンルを超えたコラボレーションを積極的に行っているようだ。「竹竹」のメンバーも６人中３人は日本人らしい。このアルバムは，私はどちらかというと音楽性よりは録音の質を重視して選んだのだが，音楽的にもとてもおもしろい。ジョン・海山・ネプチューンの試みているようなジャンルレスな音楽というのは，得てして散漫な印象を与えるものが多い。例えばクラシックとジャズの融合などというものは幾度となく試みられてきたが，たいていどっちつかずで終わっているか，あくまでどちらかがメインなものに多少それらしい味付けが加わっている程度のものがほとんどだ。逆にどちらでもない斬新なものが生まれる例もあるが，実験的すぎて一般うけしないことも多い。しかしこのアルバムはそのどのパターンにも陥っていない稀有な例だろう。アルバムの曲はそれぞれ日本，インドネシア，朝鮮半島，アフリカなどの音楽を基に作曲されているオリジナルだが，何より聞きやすい。ワールドミュージックのSACDとしては以前スローライフへの誘い～バリ・ガムラン・ミュージックを買ったことがあり，音質はすばらしいものの，収録されている男声合唱のケチャに日本人の私はどうしても違和感を感じてしまった。しかしエイジアン・ルーツにそういった難解さはなく，またそれでいて西洋人による「アジア風」アルバムにありがちな，取って付けた様なオリエンタルなメロディも全くない。竹の響きを楽しむヒーリングミュージックとして聞き流すこともできれば，じっくりと１音１音味わうような聞き方にも耐える深みも持っている。特に沖縄民謡を思わせるユーモラスな#4や美しい#5のメロディは耳に残る。もちろん日本プロ音楽録音賞を受賞したその音質も魅力だ。特に個人的には，竹製マリンバであるバリフォーンの豊かな音色がとても印象的。#3，4，5でのソロでは，頭の中で直接鳴っているかのような臨場感がある。#8や#10での深みのあるパーカッションの響きや，# 11-12で６人がそれぞれ２音ずつ受け持ち演奏されるアンクルンの独特の存在感なども聴きどころ。01 Ocean Motion02 In The Hollow03 Jegoging04 Java05 Korea Idea06 Japanese Roots07 Five Nodes08 Uduboo09 Parting Paths10 Sky and Sand Way11-12 Angklung Journey「エイジアン・ルーツ」はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら【楽天市場】SACDソフト：Joshin webスピーカー新製品情報【楽天トラベル】高級ホテル・旅館予約はゴールドプレミアム

2008年02月23日

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The Police / Fiction Plane来日公演＠京セラドーム大阪

大阪の京セラドームでポリスのライブを見た。3人とも調子は良いようで，かなり楽しめた。まずチケットは＠ぴあで入手した。ここは，好きなアーティストを登録しておくと，そのチケットが入手できるようになるとメールで知らせてくれるサービスがあるので，エンタメ情報に疎い私のような人間にはとても便利。送られてきたチケットには「7:30PM開演」と記載されていたが，その上に「FICTION PLANE　START 6:30PM」とあった。感じからして前座だろうなぁと思ったが，知らないバンドなので特に気にすることなく日々は過ぎ，いよいよ1週間前に。ポリスの4枚組ボックスセットからオセアニアツアーのセットリストの曲順で再生リストを作り予習するとともに，フィクション・プレインなるバンドも一応調べておこうと検索してみると，スティングの息子，ジョー・サムナーがリーダーを務めているバンドだと知る。ネットで試聴するとなかなか良さそうだったので，これも予習しておこうと2枚のアルバムを購入。そのうち，コンサート当日までに届いたのが，2枚目に出したLeft Side of the Brain。ニルヴァーナに影響を受けたと認めているとおりダークでパンキッシュな感じでありつつ，サビなどはキャッチーで聞きやすい。ビョークやザ・キュアーあたりを手がけたポール・コーケットのプロデュースもシンプルで，バンドの魅力が素直に出ている。特に私のように「スティングの息子」というところから入ってしまうとどうしてもポリスと比べてしまう。例えば，声質はスティングにかなり似ている。パンクにレゲエを大胆に導入していたポリスよりインパクトは低いかもしれないが，良質なメロディを持つ良いバンドだ。1枚目のアルバムEverything Will Never Be OKはさらに聞きやすいといううわさだが，まだ聞けていない。京セラドームは本来は球場なので，音は雰囲気で聞く感じだろうとあまり期待してはいなかったが，その広さの割にはしっかりと音が届き，なかなか良かった。この時期は寒さも気になったが，屋内なのでそれほどでもなかった。客の年齢層はスティングの時のように高めだろうと思っていたが，意外と若い人も多く，外国人もけっこういたりして幅広い感じだった。私はスタンド席だったので，やはりステージからはかなり遠く，モニターで見ないとよく見えなかった。しかしそのモニターもステージ上の３つだけで，スタンドからは小さく見づらかったのが残念。定刻どおりFICTION PLANEのパフォーマンスが始まった。Left Side of the Brainからの曲が多かったようで私は楽しめたが，まだ客の入りが中途半端だったこともあり会場のノリは今ひとつ。しかしカタコトの日本語で懸命に盛り上げようとしている感じには好感を持った。7:30ごろポリスの３人が登場。ステージから遠いスタンド席なので立つ人はあまりいなかったが，やはり盛り上がり方が違う。スティングのライブは以前見ていたが，３人そろってステージに立ち，ギターソロでスティングとアンディ・サマーズが絡んでいる様子などを見ていると，ポリスは再結成したんだなぁという感慨めいたものが改めてわいてくる。イントロはオリジナルアルバム収録のものと異なるアレンジの曲も多かったが，全体としてはオリジナルに忠実だった印象。何より勢いが当時のままで，最後まで年齢を全く感じさせなかったことに驚いた。アンディなどは60超えているはずだが。個人的に特に印象的だったのがスチュワート・コープランドのパフォーマンス。スティングはオマー・ハキム，マヌ・カチェ，ヴィニー・カリウタら錚々たるドラマー達と共演しているが，ポリスのあの独特の「間」を最もうまく表現できるのはやはり彼だろう。セットリストはさすがに定番曲ばかりで概ね満足。特にぐっと来たのが，スティングのソロライブでも演っていたEvery Little Thing She Does Is Magic。やはりあの展開はライブ向きなのか，会場も一番盛り上がっていたように思う。2chに書かれていた当日のセットリストはこちら。01. Message In A Bottle02. Synnchronicity II03. Walking On The Moon04. Voices Inside My Head / When The World Is Runnming Down05. Don't Stand So Close To Me06. Driven To Tears07. Hole In My Life08. Every Little Thing She Does Is Magic09. Wrapped Around Your Finger10. De Do Do Do, De Da Da Da11. Invisible Sun12. Can't Stand Losng You/Reggatta De Blanc13. RoxanneEncore 114. King Of Pain15. So Lonely16. Every Breath You TakeEncore 217. Next To You2/23に東京ドーム公演の様子をWOWOWでやるそうだ。当日は興奮気味で冷静に聴けたとは言い難いので，今度は家でじっくり見よう。「メッセージ・イン・ア・ボックス～ポリス・ヒストリー」はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちらポリスインサイド・アウト：コープランドが個人的秘蔵映像を基に作成した映画シンクロニシティー・コンサート：83年アトランタ公演だが，この頃と同じアレンジも【楽天トラベル】ポイントもついてお得な海外旅行

2008年02月11日

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ギターの質感まで感じさせる高音質な録音：FAKiE / To the Limit

フェイキー / トゥー・ザ・リミット（2006年発表）オーディオの試聴会で聴き，すぐに気に入りその日のうちに楽天で注文した。FAKiEはヴォーカルのKeicoとクラシックギターNaokiの2人組のユニット。ジャズ・スタンダードからレッド・ツェッペリンまで，幅広いジャンルのカバー曲やオリジナルをシンプルながら躍動感のあるアコースティックアレンジで聞かせる。インディペンデントレーベルから発売されているが，その録音の質の高さから割と知られているバンドのようだ。何より，シャープの1-bitデジタル録音技術をフルに活用してレコーディングされたというその音質がすばらしい。帯には「フェイキーならではの熱い演奏を超高速サンプリングで閉じ込めた，１ビット技術による『録れたて』の音。」とあるが，まさに言い得て妙。デジタル録音だから時間の経過に伴う音の劣化などありえないが，スタジオの音を鮮度が落ちる前に真空パックで閉じ込めている，といった感じがしっくりくる。ジャケット裏面のクレジットにはレコーディング機器の型番まで詳細に書かれている。1ビットオーディオコンソーシアムの代表を務める早稲田大学の山崎芳男氏も関わっているようだ。特に印象的なのが，やや大きめに録られたナイロン弦ギターのリアルな響き。録音の良さから来る生々しさを比較的感じ易い音の１つがアコースティックギターの響きだろうし，押尾コータローのBe HAPPYや山弦のhawaiian munchなどでもその臨場感を楽しむことができるが，エレキギターの奔放な奏法でクラシックギターを弾いているというNaokiの切れの良いカッティングには独特の迫力がある。ギター・ソロの#2では押尾コータローのようにドラム，ベース，ギターをギター１本だけで再現してみせるなど，その超絶技巧ぶりも光るが，カーペンターズのカバーが有名な#3などでの間を生かしたリズム感がすばらしい。フックの効いたアレンジも見事で，ギターソロでリズムギターの中からイントロのフレーズが表れてくるところなどは個人的にかなりツボ。この曲などはちょっと大きめの音量で聴くと，まるで小さなライブハウスの最前列で聴いているかのような臨場感がある。同じように強烈なリアリティを感じるのがビリー・ジョエルの#12で，哀愁あるイントロのクラシカルなギターの響きから一転して激しくタイトに刻まれるリズムギターの音は，まるで弦の肌触りやボディの質感まで感じさせるほど。その#12や#9で自然なビブラートを聞かせるボーカルのKeicoも，くせがなく素直な声質で聞きやすい。多彩な楽曲に合わせ様々なスタイルに挑戦しており，#1や#4では高音のシャウト，#5ではスキャットが聞ける。ただ個人的には，しっとりと自然な歌い方の日本語のオリジナル#8や，伸びやかなヴォーカルが光るポップなオリジナル#10などのほうが彼女にはより合っているように感じる。それにしても，スタジオの空気感まで伝わってくるような優秀録音だ。シャープの1-bitはデジタルアンプのSM-SX10を聴いたことがあるだけで，その時はあまり良い印象ではなかったのだが，ハイエンドになるとやはり違うのだろう。Official WebSite下部「ToTheLimit」から数曲試聴できる。01 Aquarius02 Glow03 (They Long to Be)Close to You04 To the Limit05 言の葉06 The Way We Were07 Ride on Time08 Piece of Life09 航海10 あの雲の下まで11 That's the Way It Goes12 The Stranger13 赤とんぼ「フェイキー / トゥー・ザ・リミット」はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちらFAKiE / Timeless（発売日：2004年03月30日）【楽天市場】高音質CD：車屋本店【楽天トラベル】出張ビジネスホテル予約

2008年02月04日

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高音質なクリスマス曲のジャズアレンジ：大野雄二 / LUPIN THE THIRD JAZZ CHRISTMAS

大野雄二トリオ&フレンズ / LUPIN THE THIRD JAZZ CHRISTMAS（2003年発売，リンク先から全曲試聴可）クリスマス・ソングの本格的なジャズアレンジアルバム。タイトルや峰不二子のジャケットの感じから「Punch The Monkey」シリーズのようなルパン曲のクールなジャズアレンジを想像していたので，最初聴いたときは肩透かしをくらったように感じた。ルパンの曲は#6 Love Squallのみ。しかしジャズアルバムとしては聴き応えがあり，何より音質が非常に良い。そのクリアな感じは試聴用の低ビットレートな音源でも伝わるはず。#1の存在感のあるベース，硬質な印象のピアノ，広がりあるドラムやパーカッションの響き，#3の瑞々しいジャズ・ギターなどが聴き所。特に#2などで際立つパーカッションの響きが気持ちいい。また，「ジングルベル」や「赤鼻のトナカイ」など，この時期至る所で流れているスタンダード曲ばかりだが，全体としてしっとりとしたアレンジながらそれぞれに凝っていて飽きさせない。#6では豊かなアルトサックスの音色を堪能でき，ベースが主旋律を奏でる#5では原曲の素朴な魅力が十分に出ている。01 Jingle Bell02 Rudolph The Red Nosed Reindeer03 Holy But Easy04 Santa Claus Is Coming To Town05 Greensleeves06 Love Squall07 White Christmas08 Candlelight For Two09 Winter Wonderland10 The Christmas Songこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら【楽天ブックス】クリスマス特集：クリスマスソングや新作CDなど品揃え充実【楽天市場】自室が特別空間になる日。インテリアで華やぐXmas【楽天市場】年賀状特集：パソコンで年賀状を作ろう！イチ押しプリンタ＆インク

2007年12月11日

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東京JAZZハイライト　小曽根真ザ・トリオ

NHK BSで東京JAZZのハイライトを見た。各グループ１曲ずつなのだが，その分バラエティに富んでおりすごい密度。大物ミュージシャンたちがそれなりの演奏でお茶を濁しているという感じはなく，それぞれに観客を楽しませようという工夫が感じられたのも良かった。なかでもやはりビッグバンドが気持ち良かった。デューク・エリントン・オーケストラがすばらしいスウィングを聴かせた後に，小曽根真率いるビッグバンドNo Name Horses（こちらで全曲試聴可）が怒涛の迫力で畳み掛ける。特に小曽根のソロが独創的。小曽根といえば，以前NHKでやっていたモーツァルトのピアノ協奏曲第9番「ジュノム」の演奏が強烈だった。途中まではオーケストラの一員として譜面どおりモーツァルトを完璧に弾きこなすのだが，カデンツァに入ったとたんにジャズピアニスト「小曽根」が顔を出し，超絶なソロを展開。次第にクラシカルな旋律から離れ自由奔放にどんどん弾きまくるのだが，不思議と違和感はない。カデンツァにジャズの即興をするというのは全く新しい試みではないのだろうが，お遊びでやった感じに聞こえないのは彼の独創的な展開の魅力によるのだろう。CD出てないのかなあ。小曽根真 / ザ・トリオ（1997年発表）こちらはMakoto Ozone The Trioのデビュー盤。スタンダードな構成のピアノトリオにゲストとしてジョン･スコフィールドのギターが加わる。北川潔の安定したベースラインとクラレンス・ペンの手数の多いドラムに乗った小曽根のバランスの良いプレイが光る。録音の質も高く，特に#5のジョン･スコフィールドのアコギの臨場感，#4，10などのクラレンス・ペンのダイナミックな響きが気持ち良い。01 The Beginning02 Lazy Uncle03 Fairly Dance04 Esperanza05 Home06 Tea for Three07 Stinger08 My Old Book09 A Happy Cat10 Boon-Cha-Cha東京JAZZでは他にも，フォープレイの初代ギタリストでもあるリー・リトナーに，マイク・スターン，ランディ・ブレッカーなど，個人的にツボなミュージシャンによる演奏ばかりで楽しめた。ただボブ・ジェームス・バンドのジャズ・ファンクに挿入されたロブ・スウィフトのDJプレイは，個人的にはいかにもとってつけた感じに聞こえた。彼はハービー・ハンコックの「フューチャー・2・フューチャー」で聴けるようなリミックスのほうがおもしろいように思う。29日（月）の深夜から今度は４夜連続でやるようだ。とりあえず録画しておこう。でもうちの旧式HDDレコーダー，最近見てない番組がどんどん溜まってきてるから，空きがあったかな・・・「小曽根真 / ザ・トリオ」はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら小曽根真 / WIZARD OF OZONE～小曽根真ベスト・セレクションワーナーミュージックが、豊富なジャズ音源の中から癒しの名曲のみを収録したヒーリングジャズ【楽天トラベル】2007秋＆冬特集海外旅行大売出し！第2弾

2007年10月27日

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ソニー・クラーク / クール・ストラッティン

Sonny Clark / Cool Struttin'言わずと知れた1958年録音のモダンジャズの名盤。お洒落なジャケット，タイトルのイメージにぴったりの，ごきげんなファンキージャズ。もっとも，ファンキーとは言っても70年代のジャズ・ファンクのグルーヴとはかなり異なる。何よりそれぞれに曲・アレンジが良い。アート・ファーマーとジャッキー・マクリーンの熱すぎないクールな演奏も心地良い。ソニー・クラークのピアノは流麗なピーターソンらと比べるとややたどたどしい印象があるが，それがまた味がある。音質はクリアで時代を感じさせない。たとえば#4でのフィリー・ジョー・ジョーンズのドラムソロでは，繊細で深みのある響きを堪能できる。楽天ダウンロードのこのページの「無料試聴」から全曲試聴可能。また，非可逆圧縮のWMAながら，全6曲約54分収録のアルバムが810円なのはお買い得感が高い。01 Cool Struttin'02 Blue Minor03 Slippin' At Bells04 Deep Night05 Royal Flush06 Lover「Sonny Clark / Cool Struttin'」はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちらBEST SMOOTH JAZZ...EVER(4枚組CD)【楽天市場】高音質CD：車屋本店食事自慢の宿大特集～評判のグルメ宿で秋の味覚を満喫する食道楽の旅～

2007年10月23日

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Pride & Glory：Zakk Wyldeによるヘヴィなサザン・ロック

プライド＆グローリー（1994年発表）オジー・オズボーン・バンドのギタリストだったザック・ワイルドがヴォーカルも務め，ベースとドラムを加えて結成したスリーピース・バンド。アモリカのころのブラック・クロウズの路線に近いサザン・ロックだが，そこに格段にヘヴィなリフが刻まれるという独特のスタイルを持つ。ハープやマンドリンの素朴な音色も効果的に使われている。#3や#14(ブラック・サバスの曲)のように南部の畑でトラクターに引っ張りまわされるかのような強烈なリフが心地良い曲もあれば，#4のようにシンプルだが美しいバラードもあり，意外とバラエティに富んでいる。それぞれが良いメロディと凝ったアレンジを持っていて飽きさせない。ギターソロも印象的で，気持ち良さそうに弾きまくっている。録音は極めてシンプルな印象。ライナーノーツによると4週間で23曲を録音し，ギターやヴォーカルはほとんどが1回のテイクで録られたらしい。しかしサザン・ロック特有のゆるめの雰囲気と，野太いギターリフやベース，ドラムの迫力を十分に堪能できるよううまく処理されており，各楽器が存在感を持って迫ってくる。#4のマンドリンや#9のドラムの響きなど，細かいところも聴きごたえがある。#9はドラムパターンも個人的に好み。アモリカと同様，一聴すると地味だが，なぜか繰り返し聴きたくなる魅力のある作品。プライド＆グローリーはこの1枚で解散してしまい，新バンドブラック・レーベル・ソサイアティではサザン・ロック的要素を排しひたすらヘヴィな方向に向かっているが，たまには「プライド＆グローリー」のようなアルバムも作ってもらいたいところ。01 Losin' Your Mind02 Horse Called War03 Shine On04 Lovin' Woman05 Harvester Of Pain06 The Chosen One07 Sweet Jesus08 Troubled Wine09 Machine Gun Man10 Cry Me A River11 Toe'n The Line12 Found A Friend13 Fadin' Away14 The Wizard15 Hate Your Guts(これは1994年発売の日本語盤の曲順。現在はボーナスCDを含む2枚組みとなっている）「プライド＆グローリー」はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら【イケベ楽器楽天ショップ】ザック・ワイルド（ZAKK WYLDE）特集！【楽天ブックス】レーナード・スキナード【楽天トラベル】2007秋＆冬特集海外旅行大売出し！第2弾

2007年10月13日

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Enya / Shepherd Moons

エンヤ / シェパード・ムーン（1991年発表）BBCによるドキュメンタリー「The Celts 幻の民ケルト人」のサントラとして発売されたデビュー作「ケルツ」（1987年発表）以来，エンヤはずっと聴いているが，一番聴く機会の多い盤はこの「シェパード・ムーン」。バラエティに富んでおり，どの曲も作りこまれていてそれぞれに魅力的。初めての人にはベスト盤とともにおすすめ。エンヤは比較的どんな環境でもそれなりに心地良く聴けるが，環境を変えると時に全く異なる印象を受けることがあって驚く。昔B&Wのオウムガイのようなスピーカー，オリジナルノーチラスでこのアルバムの#3（だったはず）を聴く機会があったが，眼前に立ち現れるエンヤの存在感にとにかく圧倒された。自らの声を何度も何度も録音して重ねているはずの音源から，本当にすぐ目の前に彼女がいるかのような，くっきりとした一人の音像を感じたのは，何か不思議な感覚だった。他にシンセサイザーによる#4の低音や#12のイリアンパイプの存在感など，オーディオチェックとして使える聴き所も多い。イリアンパイプといえば「ケルツ」の#6「The Sun In The Stream」（リンク先で試聴可）でもその独特の素朴な音色が印象的なメロディを奏でている。楽天ダウンロードのこのページの「無料試聴」から全曲試聴できます。01 Shepherd Moons02 Caribbean Blue03 How Can I Keep From Singing04 Ebudae05 Angeles06 No Holly From Miss Quinn07 Book Of Days08 Evacuee09 Lothlorien10 Marble Halls11 Afer Ventus12 Smaointe.....「エンヤ / シェパード・ムーン」はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちらエンヤ / アマランタイン～プレミアム・ウィンター・エディション～（クリスマス・ソングを収録したボーナスCD入り）ジェットストリームCDセット高音質ＣＤ　xrcd shop

2007年10月07日

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Jeff Buckley / Grace

ジェフ・バックリィ / グレース（1993年）30歳で早世したジェフ・バックリィの遺した唯一のオリジナルアルバム。まだ手に入れば，デジタルリマスター盤に未発表ボーナス・ディスクとDVDが付いた3枚組の「グレース（Legacy　Edition）」（2004年発売）がお得。その若すぎる死のため「伝説のシンガーソングライター」としてその悲劇性にフォーカスが当たりがちだが，精神性を云々せずアルバムだけを見ても，様々なジャンルの影響を受けバラエティに富んでいながら，時代を色濃く反映しているそのユニークな音楽性は大変魅力的。#6の「Hallelujah」の見事なカバーからも分かるように，レナード・コーエンや父親ティム・バックリィら独特な声の魅力で聴かせるシンガーソングライターの系譜からの影響も色濃いが，そこにレッド・ツェッペリンや，何よりニルヴァーナのような激しく印象的なリフが現れる。そのころころと移り変わる感情表現の豊かさはアラニス・モリセットなども思い出す。Legacy Editionのリマスターでは各曲の生々しさがさらに増しており，ボーカルの高音の美しさはもちろん，#5や#9などで聞けるドラムの響きのタイトさも個人的に印象に残る。01 Mojo Pin02 Grace03 Last Goodbye04 Lilac Wine05 So Real06 Hallelujah07 Lover, You Should've Come Over08 Corpus Christi Carol09 Eternal Life10 Dream Brother「ジェフ・バックリィ / グレース」はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら【楽天市場】ジェフ・バックリィなつかし音楽をここに！洋楽・邦楽の90年代に代表されるアーティストを中心に【楽天ダウンロード】“フレディー・マーキュリーの再来”ミーカ特集

2007年10月01日

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高音質なスムーズジャズアルバム：フォープレイ

Fourplay / Fourplay (アメリカ盤)（1991年発表）フォープレイは，1970年代からそれぞれジャズ・フュージョン畑でキャリアがあったボブ・ジェームス(key)，リー・リトナー(g)，ハービー・メイソン(ds)，ネーザン・イースト(b)が1991年に結成したスムーズジャズ・グループ。それぞれが卓越した技術を持つスーパーグループで，そのテクニックの高さを感じる場面は随所にあるものの，実験的な要素をできるだけ排除したそのサウンドは徹底して耳に心地良い。時にボーカルも入るが，主張しすぎることはない。日本のフュージョン・バンドで言えば，アドリブの展開の雰囲気など，アルバム「FOUR BY FOUR」で共演もしているカシオペアに近いところもあるが，彼らほどメロディがキャッチーではないので聞きやすく，聞く状況を選ばない。フォープレイのアルバムはどれもそうだが，このデビューアルバムから録音にこだわりが感じられる。リー・リトナーのあの独特の瑞々しいギタープレイやボブ・ジェームスの控えめながらも印象的なピアノなど，時に響きを強調してアクセントが付けられるが，全体としてそれぞれの音を１つ１つ拾っているかのような丁寧な音作りで，深みを感じさせる。リンクがある曲はリンク先の「無料試聴」から試聴できます。01 Bali Run02 101 Eastbound03 Foreplay04 Moonjogger05 Max-O-Man06 After The Dance07 Quadrille08 Midnight Stroll09 October Morning10 Wish You Were Here11 Rain Forest「Fourplay / Fourplay (アメリカ盤)」はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら【楽天ブックス】フォープレイ【楽天市場】高音質CD：車屋本店デザイン家電と暮らす～一生使えるお気に入り家電を求めて～

2007年09月29日

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私の快眠CD：Brian Eno / Ambient 1: Music for Airports

「最後まで聴けないCD」「運転中に聴いてはいけないCD」と話題のDreams～快眠CD～。JALの国際線でこのCDを流したところ，良く眠れると評判になっているそうだ。70～80曲の候補から医学博士が4カ月間で約170回の睡眠実験を繰り返し，CDに収録している12曲を厳選したということで，それらしい実験結果もPDFファイルで公開されている。ざっとウェブ上のレビューを見てみても，すぐに眠気に襲われるといった好意的なものが目立つ。収録曲のリストには，確かにリラックスできそうな曲が並んでいる。しかし，聞いたこともないくせにとやかく言う権利はないが，曲目を見る限り，少なくとも私にはあまり効果はなさそうだ。モーツァルトの「ディヴェルティメント」や「アヴェ・マリア」，葉加瀬太郎の「エトピリカ」などは，どれもメロディのはっきりしたものなので，私の場合どうしても逆に耳を傾けてしまいそう。私にとって（たいていの人もそうだと思うが），普通は「無音」が一番眠り易い。しかしこういったCDに頼りたくなるほど眠れないときもあって，そういった時に寝付き易いのは，私の注意をほとんど引くことはないけれども，適度に気を紛らわせてくれるようなバランスを持った音楽だ。ブライアン・イーノが「Ambient 1: Music for Airports」（1978年発表）で意図したものは，文字通り空港という空間に心地よく溶け込む音であって，聴き手を眠らせることではないだろうが，少なくとも私が眠れないときに真っ先にかけるのはたいていこれ。ピアノや女性コーラス，電子音によるいくつかの単純な旋律が繰り返されるが，それらが互いに組み合わされることで様々な表情が生まれてくる。その表情は一聴すると偶発的で無機質な印象を与えるが，メロディがないわけではないので適度に耳を楽しませてくれる。美術館などのBGMにぴったりな音楽だ。Ambient 2/The Plateaux Of Mirrorが試聴できるが，個人的には長尺な曲を4つ収録しているAmbient 1のほうが使いやすく，特に#1の子守唄のような親しみ易さが好み。始まりも終わりもないような曲なので，これをリピートにして聞くことも多い。もちろんこれでは眠れないという人もいるだろう。しかし，おそらく各人にとって退屈さと刺激との間のバランスがとれていることが，眠り易さという点では重要なのではないかと思う。Ambient 1を聞いて，メロディがなく退屈だと思えばDreamsなどを試せば良いし，逆にこれでもうるさすぎると感じれば3Dリアル自然音「川のせせらぎ」のような，さらに音楽的刺激の少ないものを試せば良い。「Brian Eno / Ambient 1: Music for Airports」はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちらマタニティ・胎教音楽特集モーツァルト・クラシック編【楽天市場】安眠グッズ【楽天トラベル】全国温泉予約

2007年09月26日

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The Answer / Rise

ジ・アンサー / ライズ（2006年発表）今年6月に発売の，未発表トラックや渋谷AXでのライブなども入った2枚組のフェスティヴァル・エディションはこちら懐かしい感じのハードロックを聞かせると話題のアイルランドの新人バンド，The Answerのファースト・アルバム。いくらオールドスクールなロックをやっていると言うバンドでも，実際にはシーンのメインストリームからの影響を多少なりとも感じさせるものだが，この音はヒップホップやテクノからの影響など微塵も感じさせない。まるで70年代からそのままタイムスリップしてきたかのようなバンドだ。単にそれだけであればレッド・ツェッペリンやフリーのリマスター盤でも聴いとけばいいんじゃね？という話になる。確かに随所でそういったバンドからの強い影響を感じるが，過去の遺産の焼き直しに終始しているわけではなく，しっかりとしたオリジナリティを持っている。陳腐な70年代風ロックが物珍しさのみから売れているというわけではなく，70年代に出ていても普通に評価されていたであろう良質なハードロック。切れの良いギターのカッティングが気持ちいい#2，MR.BIGあたりを髣髴とさせるキャッチーなサビを持つ#3，これぞパワー・バラード（もはや死語？）といった感じでブリッジの展開も凝っている#4，高音のシャウトが懐かしい#7など，聴き所が多い。音質はこういったロックにありがちな薄っぺらさはなく，むしろクリアな部類と言える。ドラムを左右に振っていたりとミックス時にそれなりにいじられてはいるが，違和感はない。ただ個人的には少しクリアすぎて迫力に欠ける印象も。私はこういった音にはローファイな感じの音作りのほうが好み。こういったハードロックバンドは，一昔前は日本では雑誌BURRN!あたりが絶賛して人気が高いが本国ではあまり売れてない，といった状況だったが，このジ・アンサーはイギリスでも売れている模様。この間たまたまテレビを見ていたらリッチー・ブラックモアがCNNのインタビューに答えていたし，HM/HRもようやくかつての勢いを取り戻しつつあるのかな。そのインタビューでリッチーは，あの有名な「Smoke On The Water」のリフはベートーヴェンの「運命」のイントロを逆に演奏したものだと言っていたが，本当だろうか？ちなみにリンク先で聞ける「運命」はエーリッヒ・クライバー指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏の1953年9月録音のもので，48KbpsのMP3と音質は悪いが，1曲まるごと聴くことができ，雰囲気は十分伝わってくる。Blue Sky Labelでは著作権が切れているため無料で公開できるこういったデータが約800曲もある。「運命」だけでも他にフルトヴェングラー指揮ウィーンフィル演奏のものやカラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団演奏のものがあり，私のような初心者には大変ありがたいサイトだ。ついでに，「運命」のサンプルを探していたらUncle Rock / METAL CLASSICというおもしろいアルバムを発見。クラシックのメタルアレンジというありがちな企画だが，「トッカータとフーガニ短調」「幻想即興曲」などはなかなか凝ったアレンジで良い(笑)。しかしこの「Uncle Rock」とは何者だろう？01 Under The Sky02 Never Too Late03 Come Follow Me04 Be What You Want05 Memphis Water06 No Questions Asked07 Into The Gutter08 Sometimes Your Love09 Leavin' Today10 Preachin'11 Always On My Mind「ジ・アンサー / ライズ」はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら【楽天市場】高音質CD：車屋本店ソニー・ミュージック厳選ベスト盤フェア：9月30日まで10％OFF【楽天トラベル】レジャーからビジネスまで　今が旬!!特集＆キャンペーン

2007年09月23日

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V.S.O.P.クインテット / ライヴ・イン・USA

V.S.O.P.クインテット / ライヴ・イン・USA（2001年発売）発売されたばかりの来日記念SACD Hybrid盤はこちらこの10月に来日することで話題のV.S.O.P. THE QUARTET。もともとは1976年ニューポート・ジャズ・フェスティバルでの，60年代マイルス・デイヴィス・クインテット（マイルス・デイヴィス(tp)，ウェイン・ショーター(sax)，ハービー・ハンコック(p)，ロン・カーター(b)，トニー・ウィリアムス(ds)）再結成の企画だった。しかしマイルスが出られず，代わりにフレディ・ハバードが演奏。一夜限りのVery Special One time Performanceということで，クインテットはその頭文字からV.S.O.P.クインテットと名づけられた。しかし好評を得て全米ツアー，1977年には世界ツアーを行う。1979年に2度目の来日を果たした際に録音されたライブ盤，ライヴ・アンダー・ザ・スカイは名盤として名高い（リンク先は最近出たSACD Hybrid盤）。ライヴ・イン・USAは1977年7月にサンディエゴとサンフランシスコで行なわれたライヴを録音したもの。5人それぞれの素晴らしい演奏が聴け，次々と創造的なフレーズが飛び出す様は感動的。個人的には始終存在感を示すロン・カーターの，これぞモダンジャズといった野太いベースが特に印象に残る。#1，4，5，8の疾走する感じはとてもエキサイティング。特別高音質な録音ではないが，5人のすさまじい迫力は十分伝わってくる。SACD盤も聴いてみたいところ。今回の来日公演はトランペット抜きのカルテットで行われ，今は亡きトニー・ウィリアムスに代わってジャック・デジョネットがドラムを叩く。マイルスにトリビュートする内容になるとのことだが，どんな演奏になるのだろう。またライブ盤出ないかな・・・01 One Of A Kind02 Third Plane03 Jessica04 Lawra05 Darts06 Dolores07 Little Waltz08 Byrdlike「V.S.O.P.クインテット / ライヴ・イン・USA」はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら高音質CD：車屋本店ジャズLP > AUDIOFILE：ＭＣ昭和憧れの特等席！ハーマンミラー社製、Eamesチェア

2007年09月21日

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Jimmy Page & Robert Plant / No Quarter

あのレッド・ツェッペリンが再結成するらしい。11月26日にロンドンO2アリーナで行われる予定の，アトランティック・レコードの創設者アーメット・アーティガンのトリビュート・コンサートでロバート・プラント，ジミー・ペイジ，ジョン・ポール・ジョーンズの3人に故ジョン・ボーナムの息子ジェイソン・ボーナムがドラマーとして加わり，レッド・ツェッペリンとして演奏するそうだ。この再結成がこれまでにも何度かあったような一時的なものなのか，本格的な活動再開を意味するものなのかはわからないが，いずれにしても当日会場は大騒ぎだろう。チケットはネット経由の抽選で販売され，運良く手にできる確率は1000分の１以下という。ジミー・ペイジ＆ロバート・プラント / ノー・クォーター（1994年発表）ZEP再結成と聞いて個人的に思い出すのが，1994年の「ジミー・ペイジ＆ロバート・プラント」としての活動だ。ツェッペリンのフロントマンとリーダーの2人がツェッペリン時代の曲と新曲4曲を収録したアルバムまで出したのだから話題になった。アルバムはMTVアンプラグドのライブ音源に，新たにレコーディングされた新曲を加えたもの。しかし多くのリスナーが往年の激しいハードロックを期待する中，エキゾチックでアコースティックなアレンジに終始する内容だったため失望を持って迎えられた。ただ今改めて聴くと，モロッコやエジプトのミュージシャンが加わり大胆にアレンジされた楽曲はそれぞれにすばらしい完成度を持っていることがわかる。特に，アコギでかき鳴らされるリフが繰り返され麻薬的な魅力を持つ#4 Friendsや，民族楽器のリズムが独特なグルーヴを作り出す#13 Four Sticks，ひたすら美しい#11 That's The Wayなどは圧巻。Listen.jpで全曲試聴できる。MTVアンプラグドというとエリック・クラプトンのライブ音源などは高音質CDとして知られているが，このアルバムもライブの雰囲気を上手く伝えてくれる好録音。またスタジオ録音された新曲の音も素晴らしく，#9 Wonderful Oneのどこまでも深いところまで響いていくかのような打楽器の音には怖ろしささえ感じるほど。01 Nobody's Fault But Mine02 Thank You03 No Quarter04 Friends05 Yallah06 City Don't Cry07 Since I've Been Loving You08 The Battle Of Evermore09 Wonderful One10 Wah Wah11 That's The Way12 Gallow's Pole13 Four Sticks14 Kashmir今回のコンサートでどのような曲がどんなアレンジで演奏されるのかははっきりしないが，この面子でまさかアコースティックライブということはないだろう。ジェイソン・ボーナムのドラムは聴いたことがないが，父親のあのグルーヴにどこまで近づくことができるのか気になるところ。また11月14日にベストアルバムMothershipも発売されるようだ。以前のリマスター盤とは別に新たにリマスタリングされるのかどうかはわからないが，こちらにも期待。ポリスに加えてこのZEP，日本でもJUN SKY WALKER(S)やあみんなど今年はなぜか大物の再結成が相次いでおり，音楽ファンとしては単純にうれしい。「ジミー・ペイジ＆ロバート・プラント / ノー・クォーター」はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら【楽天ブックス】レッド・ツェッペリンレッド・ツェッペリン DVD【楽天トラベル】ANA楽パック「航空券予約」と「宿泊予約」が一度にできてお得！

2007年09月19日

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シェリー・マン / マイ・フェア・レディ

Shelly Manne and His Friends/ Modern Jazz Performances of Songs from MY FAIR LADY（紙ジャケ盤）（2006年発売）1956年録音のシェリー・マン(ds)，アンドレ･プレヴィン(p)，リロイ・ヴィネガー(b)のピアノトリオによるモダン・ジャズ・アルバム。同じ年にブロードウェイで初演されたジュリー・アンドリュース主演の同名ミュージカルの名曲を取り上げている。有名なアルバムとは知らず，ジャケットに惹かれて何となく買って以来愛聴している1枚。何より聴きやすく楽しい。原曲が良いというのもあるが，アレンジもそれぞれに凝っていて飽きない。録音もクリアで，心地良くスウィングするアンドレ･プレヴィン，前に出すぎることなく彼を盛りたてるシェリー・マン，そして存在感のあるベースを鳴らすリロイ・ヴィネガー，それぞれの気持ちよいプレイを満喫できる。#4のソロなどでは彼独特のオリジナリティを感じさせ，ジャズ･ピアニストとして素晴らしい才能を持つアンドレ･プレヴィンだが，この後何とクラシックに活躍の場を移す。名指揮者ピエール・モントゥーに師事し，キャリアを重ねてロイヤル・フィルなどの常任指揮者を歴任。指揮者としてさらなる成功を収めている・・・。すごい人もいるもんですね。01 Get me to the church on time02 On the street where you live.03 I've grown accustomed to her face.04 Would't it be loverly05 Ascot gavotte06 Show me07 With a little bit of luck08 I could have danced all nightShelly Manne / MY FAIR LADY（紙ジャケ盤）はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら【楽天市場】ジャズLP > AUDIOFILE：ＭＣ昭和【楽天市場】SACDソフト：Joshin web【楽天トラベル】9月の3連休　9/14（金）～9/24（祝）に泊まれる宿

2007年09月16日

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オアシス「モーニング・グローリー」でのアラン・ホワイトのドラム

オアシス / モーニング・グローリー（1995年発表）イギリスのロックバンド，オアシスの2作目。ビートルズのように良質なメロディが詰まった傑作。デビューアルバム（1994年）を聞いた時には，そのチープな音質もあってあまりピンと来なかったのだが，これを聴いてどっぷりはまってしまった。キャッチーなサビの魅力ももちろんあるが，私が特に好きなのはアラン・ホワイトのドラム。解雇されたトニー・マッキャロルに代わってこのアルバムからドラムを叩いているが，前任のマッキャロルは単調にリズムを刻むだけで，確かに芸に乏しかった。このアルバムで聴けるアラン・ホワイトのドラムはそれとは全く異なり，しなやかでジャズ・ドラムを思わせる手数の多さを持つ。アルバムの録音は，60年代回帰とも言えるこのバンドの音楽性に合ったシンプルなものだが，このホワイトのドラムの響きを上手く処理している。アコギとボーカルで始まる#3に途中から入ってくるドラムは何度聴いてもぐっと来る。#8も#3と似た雰囲気を持つが，ドラムの響きは#3以上に強調されておりなかなか気持ちよい。締めのバラード#12では，ホワイトのマーチングドラムのような叩き方が荘厳な印象を残す。しかし残念ながら，次のビィ・ヒア・ナウからはこのようなドラムの音は聞かれなくなってしまった。メロディとしての魅力でも，2作目に匹敵するものは出てきていないように思う。ただ最新作のドント・ビリーヴ・ザ・トゥルースでは極めてシンプルなサビが新鮮な「ライラ」など，以前の魅力を感じさせるところもある。しかし個人的にはドラムの音が好きになれないが・・・。アラン・ホワイトも辞めてしまったし。「ライラ」は去年出た2枚組みのベスト盤にも収録されている。こちらでオアシスのたいていの曲は試聴できる。「Wonderwall」は「ストップ・ザ・クロックス」のほうにある。01 Hello02 Roll With It03 Wonderwall04 Don't Look Back In Anger05 Hey Now!06 (Untitled) 07 Some Might Say08 Cast No Shadow09 She's Electric10 Morning Glory11 (Untitled) 12 Champagne Supernova「オアシス / モーニング・グローリー」はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちらソニー・ミュージック厳選ベスト盤フェア：9月30日まで10％OFF【楽天市場】高音質CD：車屋本店最長で9/16（日）まで配送可！まだまだ間に合う敬老の日ギフト

2007年09月14日

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カンポーリ / 美しきロスマリン～クライスラーを讃えて：モノラルの魅力

カンポーリ / 美しきロスマリン～クライスラーを讃えて（1999年発売）1906年生まれのイタリア人ヴァイオリニスト，アルフレード・カンポーリによるクライスラー作品集＋アンコール集。《デッカ偉大なる演奏家たち》シリーズ。1954，56年モノラル録音。世界初CD化。1,500 円。オーディオ店で聴かせてもらい，カンポーリの名は知らなかったのだがすぐに気に入り購入。帯には「1960年には来日，そのイタリア人らしいベルカント風な演奏が大変うけました。」とある。そこから私はイタリア・オペラ風の大仰だが表面的な感情表現をイメージしたのだが，実際の演奏はそれとはかなり異なる印象を受けた。もっとも，私のイメージがおそらく書き手の意図と違ったのだろう。「ベルカント」という語にはかなり幅があるようだ。類まれな技巧を駆使して豊かな情感が表現されるが，その情感にはあくまで上品で繊細な響きがある。#2「愛の悲しみ」などもゆったりとした速度で歌われるが，その甘さもくどすぎることはない。#12「カルティエによる狩り」のようなリズミカルで技巧的な曲でもその優雅なテンポのとりかたに彼らしい個性がある。アンコール集は懐かしい雰囲気に満ちており，#17「思い出(ドルドラ)」などの美しさは限りないが，あくまで上品な響きは失われていない。しかし#23「故郷の人々(フォスター)」のクライマックスではその礼節が一瞬壊れ，感情のほとばしりを垣間見たかのような感動を覚える。その#23で終わる曲順も良い。録音はモノラルだが大変クリア。こう書くと，AMラジオとFMラジオの音質の差を実感したことのある方などは「モノラルとしてはましなほうだが並みのステレオ音質には及ばない」といった意味だと思われるかもしれないが，決してそうではない。確かにステレオのような音の広がりはないが，それをほとんど感じないほどこの録音ではモノラルの音の厚みや躍動感が魅力的だ。この年代のモノラル録音は，もともとモノラルでの再生向けに録られているためか，モノラル音源を後で無理やりステレオに分離したものよりも良く聴こえるものが多いように思う。いずれにしても，こういった良質なモノラル録音を聴くと，モノラルで聴いたほうが気持ちの良い音というものは確かにあるように感じる。そういった意味で，まったく同じ曲をモノ・ミックス盤とステレオ・ミックス盤の2枚組みで発売したクラムボンのてん　，（2005年発表）などはおもしろい試み。01 序奏とアレグロ(プニャーニ／クライスラー編)02 愛の悲しみ(クライスラー)03 愛の喜び(クライスラー)04 道化師のセレナード(クライスラー)05 美しきロスマリン(クライスラー)06 ウィーン奇想曲op.2(クライスラー)07 中国の太鼓op.3(クライスラー)08 メヌエット(パデレフスキー／クライスラー編)09 奇想曲変ホ長調(ヴィエニャフスキ／クライスラー編)10 奇想曲イ短調(ヴィエニャフスキ／クライスラー編)11 ベートーヴェンの主題によるロンディーノ(クライスラー編)12 カルティエによる狩り(クライスラー編)13 ジプシー女(クライスラー)14 スペイン舞曲第5番(グラナドス／クライスラー編)15 コレッリの主題による変奏曲(タルティーニ／クライスラー編)16 エストレリータ(ポンセ／ハイフェッツ編)17 思い出(ドルドラ)18 タンゴ(M.アルベニス／デュシュキン編)19 真夜中の鐘(ホイベルガー／クライスラー編)20 歌の翼に(メンデルスゾーン／アクロン編)21 気紛れ女op.17(エルガー)22 深い川(ニグロ・スピリチュアル／ハイフェッツ編)23 故郷の人々(フォスター／クライスラー編)「カンポーリ / 美しきロスマリン～クライスラーを讃えて」はこちら《デッカ偉大なる演奏家たち》シリーズはこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちら【楽天市場】高音質ＣＤ　xrcd shop【楽天市場】ジャズLP > AUDIOFILE：ＭＣ昭和【楽天市場】敬老の日特集

2007年09月12日

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トニー・ベネット＆スーパースター，コール・ポーター，ジャネット・サイデル

BSで「デュエッツ～トニー・ベネット＆スーパースター～」を見た。アメリカポップス界においてフランク・シナトラに匹敵する存在感を持つトニー・ベネットが，80歳を機にアメリカを代表するスーパースターたちとデュエットした様子を収めた音楽ドキュメンタリーの再放送。とにかくそのデュエット相手の錚々たる顔ぶれに圧倒された。エルトン・ジョン，ビリー・ジョエル（このあたりは，まぁありがち），ダイアナ・クラール（ジャズ・ボーカリストでもあるし），スティーヴィー・ワンダー，ボノ, ポール・マッカートニー（な，何ぃ！），ジョン・レジェンド，クリスティーナ・アギレラ（今時の若い衆まで！）という多様さ。スティングらがトニー・ベネットとデュエットした，といった話は聴いていたが，ここまで大掛かりなプロジェクトだとは知らなかった。途中挿入されるMCもロバート・デ・ニーロ，ブルース・ウィリス, ジョン・トラボルタ，ビリー・クリスタルと，いちいちこれでもかというほど豪華。ここまでされるとちょっとやりすぎの感もあるが・・・しかし業界のバックアップがあるとしても，これだけ多様なメンバーが集まるだけでもすごいことだ。日本でこれほど多様な世代に支持されている歌手はいないだろう。最近若い世代にも再評価されている美空ひばりなら，このような企画も可能だったかもしれないが・・・。彼女は生きていればまだ70歳，トニー・ベネットより10歳も若い。トニー・ベネット / デュエッツ: アメリカン・クラシック（2006年発表）放送されたドキュメンタリーの日本語字幕版DVDはまだ発売されていないようだが，CDは出ている。前述のシンガー（クリスティーナ・アギレラは入っていないが）のほかに，マイケル・ブーブレ，エルヴィス・コステロ，ディクシー・チックス，フアネス，ジョージ・マイケル，スティング，バーブラ・ストライサンド，ジェイムス・テイラーらとのデュエットが聴ける。昨日の放送を聴く限り音質も良さそう。トニー・ベネット / シングス・ザ・ブルース（2001年発表）75歳のときにもデュエットアルバムを出しているが，こちらもダイアナ・クラール，スティービー・ワンダー，シェリル・クロウ，B.B.キング，故レイ・チャールズ，ボニー・レイット，k.d.ラング，ケイ・スター，ビリー・ジョエル，ナタリー・コールと豪華。重複するシンガーもいるがこちらはブルース調の曲がメインで，全て別の曲でデュエットしている。SACD盤もある。ドキュメンタリーで，ビートルズが人気絶頂だったころ，ポール・マッカートニーがインタビュアーに「影響の受けたミュージシャンは？」と聞かれて「コール・ポーター」と答え，意外な顔をされた，というエピソードがあった。コール・ポーターが1920年代から作曲した曲の多くはトニー・ベネットをはじめ多くの歌手によって繰り返し歌われ続けるスタンダードとなっている。最近聴いたもののなかで最も気に入っているコール・ポーターは，ジャネット・サイデルによる2005年発表のライブ音源，DELOVELYだ。日本盤は「コール・ポーターと私～スウィーテスト・ライブ」として2006年に出ている。ピアノ弾き語りにギターとベースが加わったトリオによる演奏で，客の咳や食器の音も聞こえる小ぢんまりとしたライブ会場で録音されているが，驚くほどS/N比が高く臨場感のある音だ。彼女のコロコロと表情を変える伸びやかな歌声とユーモラスなMCを楽しんでいる観客といっしょに，そこの温かい空気まで感じることができるような素晴らしい録音。これまでにレビューした機器・CD一覧はこちら「ジャネット・サイデル / SMILE」：寺島靖国氏選曲のコレクション高音質ＣＤ　xrcd shop楽天ブックス：2007年敬老の日特集

2007年09月10日

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The Jon Spencer Blues Explosion / ACME

The Jon Spencer Blues Explosion / ACME（アメリカ盤）（1998年発表）バンド名のとおり，ブルースにパンクを加えて爆発させたようなインパクトのある音を出すジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンによる「アクメ」は，ゆるゆるのブルース・ロックと極端に強調された低音が作り出す独特のノリがなんとも心地良い。アマゾンで数曲試聴できる。#1 Calvinの冒頭から，シンプルなリフに野太いベースが入ってくるところでもうやられてしまう。サビはおろかメロディのような類もほとんどない曲なのだが，そのぶん音そのものの魅力を強く感じる。このあたりのグルーヴは，ブルースというよりはスライ&ザ・ファミリー・ストーン（リンク先で「The Same Thing (Makes You Laugh, Makes You Cry)」試聴可）などのファンクに近いかもしれない。このゆったりとしたグルーヴに乗るエルヴィス（リンク先で「Heartbreak Hotel」試聴可）を妙にしたようなボーカルもくせになる。複数のプロデューサーを起用した音作りはシンプルなロックからヒップホップ色の強いものまで多彩。基本的にボーカルも含めいじり倒された音だが，それぞれの曲の魅力がよく出ている。故意のノイズなども多くピュアオーディオで聴いて良さが出る類の音楽ではないが，JBLのエベレストのような超弩級スピーカーだとどんな音になるのか，ちょっと聴いてみたい気はする・・・01 Calvin02 Magical Colors03 Do You Wanna Get Heavy？04 High Gear05 Talk About the Blues06 I Wanna Make it All Right07 Lovin’ Machine08 Bernie09 Blue Green Olga10 Give Me A Chance11 Desperate12 Torture13 AttackThe Jon Spencer Blues Explosion / ACME（アメリカ盤）はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちらThe Jon Spencer Blues Explosion / Plastic Fang（アメリカ盤）（2002年発表）James Brown / James Brown Gold（2006年発売2枚組みベスト）楽天市場の敬老の日特集

2007年09月09日

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エマーソン弦楽四重奏団 / ハイドン：弦楽四重奏曲集

エマーソン弦楽四重奏団 / ハイドン：弦楽四重奏曲集（2001年発売）結成25周年を迎えたアメリカのエマーソン弦楽四重奏団によるハイドンの弦楽四重奏曲集。私の好きな「ひばり」が入っていた，というのが購入理由だったが，他にも有名な曲ばかり収録されており，演奏も録音も良好だった。収録曲：第35番・第38番《冗談》・第58番・第67番《ひばり》・第74番《騎士》・第76番《五度》・第81番。帯には「古色蒼然とし伝統だけにおもねるハイドンとは一線を画する」現代的な演奏とあるが，素人の私にはそういった革新性はあまりわからなかった。むしろ，原曲のメロディや展開の美しさを十分に引き出した，オーソドックスだがとても丁寧な演奏という印象を受けた。ざっと聴くとBGMとして聞き流せる心地良さを持っているが，じっくり聴くとどの曲も多様な変化・展開を見せることに驚かされる。例えば「ひばり」の疾走感のある第4楽章で，繰り返されるリフレインに低めのメロディが次々と折り重なってくる様など見事。4人の息が少しでも合わないと途端に崩れてしまうであろう緊張感のある美しさだ。録音はドイツ・グラモフォンが開発したという「4Dオーディオ・レコーディング・システム」なるものでデジタル録音されているということで，不勉強な私には例によってよくわからないが，弦楽四重奏ならではのヴァイオリンの響きの魅力を十分堪能できる上品な録音という印象。また，ハイドンの弦楽四重奏曲集を収めた2枚に加え，四重奏団が以前録音したものからの抜粋を収めたボーナスCDも封入されており，モーツァルトからショスタコーヴィチまでバラエティに富んだ内容でおもしろい。四重奏団の技巧の完璧さを見せ付けられるモーツァルトやベートーヴェンでは，演奏の迫力が伝わってくる生々しい録音で，ハイドンの録音とはまた違った魅力がある。CD 101 Quartet in F minor op.20 No.5 - I Allegro moderato02 Quartet in F minor op.20 No.5 - II Menuetto03 Quartet in F minor op.20 No.5 - III Adagio04 Quartet in F minor op.20 No.5 - IV Finale: Fuga a due soggetti05 Quartet in E flat major op.33 No.2 'The Joke' - I Allegro moderato, cantabile06 Quartet in E flat major op.33 No.2 'The Joke' - II Scherzo: Allegro07 Quartet in E flat major op.33 No.2 'The Joke' - III Largo sostenuto08 Quartet in E flat major op.33 No.2 'The Joke' - IV Finale: Presto09 Quartet in G major op.54 No.1 - I Allegro con brio10 Quartet in G major op.54 No.1 - II Allegretto11 Quartet in G major op.54 No.1 - III Menuetto: Allegretto12 Quartet in G major op.54 No.1 - IV Finale: Presto13 Quartet in D major op.64 No.5 'The Lark' - I Allegro moderato14 Quartet in D major op.64 No.5 'The Lark' - II Adagio cantabile15 Quartet in D major op.64 No.5 'The Lark' - III Menuetto: Allegretto16 Quartet in D major op.64 No.5 'The Lark' - IV Finale: VivaceCD 201 Quartet in G minor op.74 No.3 'The Rider' - 1. Allegro02 Quartet in G minor op.74 No.3 'The Rider' - 2. Largo assai03 Quartet in G minor op.74 No.3 'The Rider' - 3. Menuet: Allegretto04 Quartet in G minor op.74 No.3 'The Rider' - 4. Finale: Allegro con brio05 Quartet in D minor op.76 No.2 'Fifths' - 1. Allegro06 Quartet in D minor op.76 No.2 'Fifths' - 2. Andante o piu tosto allegretto07 Quartet in D minor op.76 No.2 'Fifths' - 3. Menuetto: Allegro ma non troppo08 Quartet in D minor op.76 No.2 'Fifths' - 4. Finale: Vivace assai09 Quartet in G major op.77 No.1 - 1. Allegro moderato10 Quartet in G major op.77 No.1 - 2. Adagio11 Quartet in G major op.77 No.1 - 3. Menuetto: Presto12 Quartet in G major op.77 No.1 - 4. Finale: PrestoBonus CD01 Mozart - String Quartet K. 387 - 4. Molto Allegro02 Shostakovich - Allegretto (Polka) for String Quartet03 Dvorak - String Quartet op. 96 'American' - 2. Lento04 Ives - String Quartet no. 2 - 2. Arguments05 Webern - 5 Movements for String Quartet - 4. Sehr langsam06 Schubert - String Quartet in A minor, D 804 'Rosamunde' - 2. Andante07 Bartok - String Quartet no. 4, Sz. 91 - 4. Allegretto pizzicato08 Beethoven - String Quartet op. 59 no. 3 - 4. Allegro moltoエマーソン弦楽四重奏団 / ハイドン：弦楽四重奏曲集はこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちらCD市場：ハイドン入門！クラシック不朽の名盤ファインワインクラブ：2007年敬老の日特集

2007年09月07日

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ローファイの生々しさ：ミッシェル・ガン・エレファント / チキン・ゾンビーズ

ミッシェル・ガン・エレファント / チキン・ゾンビーズ（1997年）今までCDをレビューする時に「生々しい」という表現を何度か使ってきた。山弦のアコースティックギターの音やカーペンターズのカレンのボーカルなどが，まるですぐそばで演奏されているかのような存在感を持ちリアルだと感じたときにそう書いた。それらはいずれも極めてハイファイ（原音に忠実）な音，と言い換えることができると思う。最高の録音技術を駆使してできるだけ元の音をそのまま取り込もうという姿勢で録られたものだ。オーディオの試聴会などで流されることも多い。そういった意味では，今回のこのCDは試聴会で聴く機会はまずないだろう(笑)。それらに比べると極めて「ローファイ」な印象を受ける。しかし，古いポップスなどでは予算の関係でやむなくチープな機器で録られることがあったが，そういったものとは明らかに異なる音質だ。アベフトシの印象的なギターとチバユウスケのがなるボーカルだけでなく，ウエノコウジのうなるようなベースもクハラカズユキの重いドラムもきっちりと聞こえてくる。録音された当時の人気を考えても，あえて「ローファイ」な音にこだわって録られていると考えていいだろう。イギリスのパブロックに影響されつつも独自の魅力を持つその音楽性については，他の人が色々書いていると思うのでここでは省略。一聴すると音の洪水が襲ってくるかのようなその音は人によっては雑音にしか聞こえないと思うが，よく聴くととてもうまく統制され吟味されたものであることに気づく。特に始終魅力的なリフを叩き出しているアベのギターが素晴らしい。ていうか#1とかやっぱかっこええっす！（結局書いてますが・・・）#4は冒頭のドラムからギターリフまで，いかにも「ローファイ」という印象の薄っぺらい音質なのだが，なぜか痛々しいほどの「生々しさ」を感じる。「ローファイ（原音に忠実でない）なのに生々しい（原音っぽく聞こえる）」というこの矛盾は何なのか？その原因には人間の聴覚の仕組みなど色々あるのだろうが，例えばクラシックとロックのライブの音の違いなども影響しているのかもしれない。原音に忠実な音を出すことがオーディオの目的だとすると，自宅でライブの音を再現することが最終目標になる。一般的にクラシックのライブ演奏は残響音まで計算されたホールで増幅器を通さず行われるが，ロックのライブ演奏はたいてい狭いライブ会場でアンプで目一杯増幅した大音響でなされる。このように元々の生々しさの到達目標が異なるので，ロックではこういった「ローファイ」な音でもリアルに感じるのかもしれない。そもそもロックのライブでなぜそのような音が好まれるのか，という本質的なところはよく分からないが・・・。いずれにしても，チキン・ゾンビーズの録音は彼らの音に最適であると感じる。それは，次の傑作ギヤ・ブルーズでも同じ印象だ。音場感など，「チキン・ゾンビーズ」より色々と手を加えられているが，その生々しさは変わらない。しかしカサノバ・スネイク以降の作品は，ローファイではあるがリアルさという点ではこの２作ほどのものは感じられないという印象がある。バンド解散後，チバらの活動が気にはなりながらもしばらく彼らの音楽からは距離を置いていたのだが，最近チバがクハラらと結成したThe BirthdayのRollers　Romantics（2006年発表）を聴き，ドラムなどのその乾いた音質が気に入った。楽曲自体の魅力は個人的には「チキン・ゾンビーズ」などには及ばないが，#9や#11，#12などは好き。楽天ダウンロードのこのページの「無料試聴」から全曲試聴できる。もうすぐ2作目のTEARDROPが発売されるようなので期待。01 ロシアン・ハスキー02 ハイ！チャイナ！03 マングース04 ゲット・アップ・ルーシー(Album Version)05 バードメン06 BOOGIE07 I've never been you. (Jesus Time)08 COW 509 カルチャー(Album Version)10 サニー・サイド・リバー11 ブロンズ・マスター12 ロマンチック(Broiler Dinner Version)13 I've never been you. (King Time)ミッシェル・ガン・エレファント / チキン・ゾンビーズはこちらこれまでにレビューした機器・CD一覧はこちらミッシェル・ガン・エレファント / GRATEFUL TRIAD YEARS 1995-1997(CD)ミッシェル・ガン・エレファント / GRATEFUL TRIAD YEARS 1998-2002(CD)輸入盤豊富な「あめりかん☆ぱい」が9/30までメール便送料無料

2007年09月03日

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European Jazz Trio / Chateau En Suede

ヨーロピアン・ジャズ・トリオ / スウェーデンの城（2003年発売）オランダの若手ジャズピアニスト，カレル・ボエリーを中心に結成されたピアノトリオの２作目（1989年発表）のリマスター盤。トリオはメンバー交代を繰り返し，現在オリジナルメンバーは１人も残っていないものの，今でもコンスタントに作品をリリースしている。このアルバムが気に入っていた私は1995年発表のメモリーズ・オブ・リバプール～ビートルズ讃歌を聴いたが，上質な演奏ではあるが何か物足りず，「ビートルズをビル・エヴァンス風のジャズにアレンジしてみました」という印象以上のものは感じなかった。しかしおそらくこのトリオに求められている音は基本的にそれなのだろう。トリオは当初「カレル・ボエリー・トリオ」という名だったが，日本のアルファ･ジャズ･レーベルからのデビュー時に「ヨーロピアン・ジャズ・トリオ」という名に改めている。結成当初からある程度日本人の聴き手が意識されていたことが伺える。この「スウェーデンの城」にも，「ジャズで聞く○○」といったCDに入っている音のような聞きやすさと，「ヨーロッパ」のイメージにぴったりの叙情性があり，そのニーズは高いクオリティでクリアしている。全体的に抑制された演奏なので，自宅でじっくり読書したいこれからの季節のBGMにも最適。しかし私はこのアルバムには，何度も聴きなおしてしまうようなそれとは別の魅力も感じている。まず叙情的だがあくまで控えめで嫌味のないボエリーのピアノが光るが，それとともに彼を引き立てるバックの演奏がとても印象的。ロイ･ダッカスのドラムは細かく繊細なリズムを刻み，フランス・ホーヴァンのベースにはデリケートな響きがある。#2や#6などではそれらが瑞々しい若さを感じさせ，独特のノスタルジックな雰囲気を作り出す。また12曲中5曲はボエリーのオリジナルだが，それぞれ印象的なメロディを持っており，名曲に混ざっていながら全く違和感を感じさせない。音質は極めて良く，３人の繊細な響きが上手く録られている。ライナーノーツに「このCDは，CD DESIGN MASTERINGがアナログ技術に拘り，独自の技術で開発した『サムアンプ』を通すことで，アナログ処理を主体としたマスタリングを行ったサウンドである。」と謳っており，「サムアンプ」なるものがどんなものかよくわからないが，ともかくリマスタリングにも気を遣っているようだ。01 Eleanor Rigby02 Chateau En Suede03 Roofie04 Baubles Bangles & Beads05 Orange City06 What The Hec07 Nature Boy08 Passage Of Jaco09 Beautiful Love10 You Don't Know What Love Is11 My Ship12 Gentle Brainレビューした機器・CD一覧はこちら

2007年09月01日

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Kings of Convenience / Riot on an Empty Street

キングス・オブ・コンビニエンス / ライオット・オン・アン・エンプティー・ストリート（2004年発表）サイモン＆ガーファンクルのように美しいハーモニーとフォークサウンドを聴かせるノルウェー出身のアコースティック・デュオ，Kings of Convenience。#1などはS&Gのような感傷的な若さを感じさせる響きだが，ピアノを効果的に使った#2や物悲しい転調部を含む#3のメロディラインを聴くと，ベル・アンド・セバスチャンのようなヨーロッパのバンドらしい哀愁も感じさせる。#5などで特に印象的なギターのカッティングがとてもリアルに録音されており，美しいハーモニーと相まって心地良い音空間を作り出す。S&Gが好きだが音質に満足できない方にもおすすめ。時々女性ボーカルやストリングス，ホーンが加わったりと，アレンジもなかなか工夫されている。秋の夜長に家でじっくり聴きたいアルバム。01 Homesick02 Misread03 Cayman Islands04 Stay Out Of Trouble05 Know-How06 Sorry Or Please07 Love Is No Big Truth08 I'd Rather Dance With You09 Live Long10 Suprise Ice11 Gold In The Air Of Summer12 The Build-Up美しいメロディの#4や気持ち良いリフがくせになる#5など，劣らぬ名盤の前作「QUIET IS THE NEW LOUD」は楽天ダウンロードのこのページの「無料試聴」から全曲試聴できます。レビューした機器・CD一覧はこちら

2007年08月29日

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ウィーン・ハイドン・トリオ / スメタナ：ピアノ三重奏曲

ウィーン・ハイドン・トリオ / ドヴォルザーク、スメタナ: ピアノ三重奏曲スメタナといえば連作交響詩「わが祖国」が有名だ。私も中学の音楽の授業で鑑賞したほどである。しかし私がスメタナの名を聞いて真っ先に思い起こすのは，マイナーであろう「ピアノ三重奏曲ト短調作品15」（1855年作曲）のほうだ。昔ウィーンに行った時，普段クラシックはあまり聴いていなかったが，せっかくだから何か聴いて帰ろうとチケットを買おうとした。ハイドンが好きだったので演奏が「Haydn Trio Vienna」となっていたプログラムをあまり考えることなく選択。しかし演奏曲にハイドンの曲はなく，耳なじみのない演奏家による知らない曲の演奏なのであまり期待していなかった。ホールはウィーン・コンツェルトハウスのこじんまりとしたモーツァルト・ホールの安い席だったが，音は響きすぎることなく室内楽にはちょうどよい感じだった。ヤナーチェクやドヴォルザークの作品が演奏されたあと，スメタナの三重奏曲が始まると，ヴァイオリンとピアノが奏でるそのドラマティックな曲調に途端に引き込まれた。特に3曲目のとても印象的な主題は，途中挿入されるゆったりとした旋律との対比もあり，強く私の胸を打った。現代の映画やファイナルファンタジーあたりのRPGの劇的な場面で流れていても違和感がないほど現代的なメロディだと感じたのを覚えている。3人ともかなりの高齢に見えたが，額に汗を光らせながらのその演奏は全身全霊を掛けているかのような鬼気迫る勢いがあり，その年齢をまったく感じさせない素晴らしいものだった。最後の主題部で3人が見事に息を合わせてフィニッシュしホールに割れるような拍手が起こると，思わず涙腺が少し緩むのを感じた。帰国後このHaydn Trio Vienna（ウィーン・ハイドン・トリオ）による同じ曲が入ったCDがあることを知り，すぐに手に入れた。ライナーノーツから，このピアノ三重奏曲はスメタナが4歳の長女の死に直面した時に書いたことも知った。またこのトリオのメンバーはウィーン交響楽団の主席を務めるような実力派だった。CDは彼らがまだ若い1978年の録音で，コンサートでの深みのある演奏に比べるとやや迫力に欠ける印象もあるが，原曲の魅力は十二分に感じることができる。96KHz/24bitリマスターで，音質も良好。ドヴォルザークの「ドゥムキー」も収録（知名度から言えばこちらがメインなのだろうが・・・）。レビューした機器・CD一覧はこちら

2007年08月26日

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ハナレグミ / 日々のあわ

ハナレグミ / 日々のあわ（2004年発表）球体の奏でる音楽のようにピュアオーディオで聴くとおもしろかったアルバムの一つ。これはオーバープロデュースとは対極の，いわゆる宅録に近いシンプルな録音がなされているため，それぞれの音の生々しさをダイレクトに感じることができる。ハナレグミは「声の魅力で味わい深く聴かせる弾き語りバラード」という印象があり，個人的にはちょっと苦手な音楽性だろうと敬遠していた。しかし実際に聴いてみると，そういう曲もあるが，スカっぽい#2やカントリー調の#6などもっとバラエティに富んだ内容で聴き易い。バラードもシンプルに歌い上げておりくどくない。全曲アコースティックでリラックスした雰囲気に満ちている。#1からボーカルの存在感に驚く。カントリーのノリが気持ちいい。#4はパーカッションのゆったりとした響きが良い。#9などを始め，全体としてすぐ隣で演奏しているような臨場感が魅力。Polarisやクラムボンなど，参加している他のミュージシャンも個人的に好きな人たちばかり。楽天ダウンロードのこのページの「無料試聴」から全曲試聴できます。01 うららかSUN02 レター03 マドベーゼ04 ハンキーパンキー05 さらら06 嘆キッス07 きのみ08 ステルトミチル09 心空10 musicaレビューした機器・CD一覧はこちら

2007年08月24日

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T-SQUARE / NATURAL，和泉宏隆 / AMOSHE

以前フュージョンバンドピラミッドを紹介した後，メンバーの神保彰と鳥山雄司についてはそれぞれの名盤を取り上げたので，残る和泉宏隆についても少し。T-SQUARE / NATURAL（2001年発売DSDリマスタリング盤）彼は1998年までT-SQUAREのキーボーディストとして活躍し，「OMENS OF LOVE」をはじめ数々の名曲を作曲するとともにアレンジャーとしても素晴らしい仕事をしている。中でも私が好きなのが，さわやかなジャケットの印象どおりの音が楽しめる1990年発表のNATURAL。鳥山雄司のTRANSFUSIONのように，シンセのアレンジなどが時代を感じさせる響きを持っている。一部の曲でプロデューサーとしてラス・フリーマンを迎えたこともあり，全体として細かいところまで吟味され手を加えられているが，TRANSFUSIONのようなデジタル色はなく題名どおりナチュラルな雰囲気を作り出している。その雰囲気とともに，やはり彼ら独特のキャッチーでメロディアスな旋律が魅力だ。それぞれのソロの１つ１つまでが，ポップスのサビとして使えそうなほど印象的なメロディで満ちている。和泉宏隆 / AMOSHE（2007年発売DSDリマスタリング盤）1988年発表の和泉宏隆のソロ作品。ソロといっても鳥山雄司(g)，神保彰(ds)，有賀啓雄(b)ら，今思うとピラミッドに近いメンバー構成でT-SQUAREに近いフュージョンが聴ける。ここでも彼の高い作曲能力が遺憾なく発揮されている。全体としてリラックスできる曲調で，天気予報などのBGMとして今でも時々耳にする機会がある。そういう点では，中村由利子などのイージーリスニングに近いと言えるだろう。冒頭のリフレインが印象的な#6を始め，感傷的でありつつさわやかな彼らしいメロディにあふれているので，T-SQUAREの彼作曲の曲が好きならぜひ持っておきたいアルバム。もちろん彼の十八番のとめどなく流れるようなキーボードのソロも随所で聞ける。長らく廃盤だったが今年ようやくDSDリマスタリング盤が出た。レビューした機器・CD一覧はこちら

2007年08月22日

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コントラバスの豊かでやさしい低音：アメイジング・グレイス～ベスト・オブ・ゲリー・カー～

Gary Karr / Amazing Grace ～Gary Karr's Lyrical Favorites～（2003年発売）コントラバスソリストの第一人者，ゲリー・カーの1980年から1996年までの録音の中から，おなじみの名曲ばかりを集めたベストアルバム。クラシック中心だが「荒城の月」なども収録。全てオルガン／ピアノのハーモン･ルイスとの共演であり，無伴奏の曲はない。チェロよりもさらに低い，コントラバスの太く重量感のある低音を満喫できる高品質な録音。極めてシンプルでありながらとても豊かな響きを持った独特の音色が胸に染み入る。#1「アヴェ・マリア」や#10「夢見る人」などのたっぷりと間の置かれたアレンジは，原曲が本来持っている限りない美しさをダイレクトに伝えてくれる。ハーモン･ルイスのオルガンの響きも豊かで味わいがある。やさしく太い低音だけでなく，#4「主よ,人の望みの喜びよ」などでは驚くほど朗々とした明るい表情も見せ，コントラバスの音色の幅広さを実感できる。その純朴で聴き手を静かに包み込むような豊かな低音はゆったりとした眠気を誘うので，寝付けない時のBGMとしてもおすすめ。01 アヴェ・マリア(バッハ,グノー)02 夏の名残りのバラ(庭の千草)(フロトー)03 アヴェ・マリア(シューベルト)04 主よ,人の望みの喜びよ(バッハ)05 白鳥(サン=サーンス)06 祈り(ブロッホ)07 夢のあとに(フォーレ)08 ジョスランの子守歌(ゴダール)09 アメイジング・グレイス(黒人民謡)10 夢見る人(フォスター)11 星に願いを(ハーライン)12 ヴォカリーズ(ラフマニノフ)13 アルビノーニのアダージョ(アルビノーニ/ジャゾット編)14 赤とんぼ(山田耕筰)15 荒城の月(瀧廉太郎/山田耕筰編)16 鳥の歌(カタロニア民謡)レビューした機器・CD一覧はこちら想い出の音楽・映像：コロムビアファミリークラブ

2007年08月19日

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小沢健二 / 球体の奏でる音楽

小沢健二 / 球体の奏でる音楽（1996年発表）オーディオをいいものに買えたときに楽しみなのが，手持ちの古いCDをあれこれかけてみること。意外なものが良い録音だったりする。そんな1枚がこの「球体の奏でる音楽」。小沢健二が名作LIFEの後に出したアルバム。「LIFE」に比べてジャズ色が強く，全体として地味で曲数も少なかったためあまり売れなかったはず。しかし「LIFE」はストレートなラブソングが多くやや聞く状況を選ぶのに対して，「球体の奏でる音楽」はBGMとしても聞け，月日を経るに従ってその良さがにじみ出てくるようなアルバム。冒頭の存在感のあるベースが鳴った瞬間から，通常のポップスとは明らかに異なる録り方がなされていると感じる。バックの，ピアノの渋谷穀やベースの川端民生ら一流のジャズミュージシャン達のリラックスした演奏がとにかく心地良い。バンドのお遊びの音合わせをそのまま収録したような#3や#8からもスタジオの温かい雰囲気が伝わってくる。小沢健二はいつもの調子の歌い方で，下手にジャズボーカルっぽい歌い方をしていないところに好感が持てる。01 ブルーの構図のブルース02 大人になれば03 Ale?04 ホテルと嵐05 すぐに会えるかな?06 旅人たち07 球体の奏でる音楽08 みんなで練習をR&B色を強めた次作のEclectic（2002年）やエレクトロニカの最新作Ecology of Everyday Life：毎日の環境学（2006年）も聞いたが，個人的には「LIFE」や「球体の奏でる音楽」ほどのオリジナリティは感じなかった。特に「Ecology of Everyday Life」は思い切ってボーカルレスに挑戦した意欲作で，気持ちの良い良くできたエレクトロニカなのだが，レイ･ハラカミやコーネリアスのように，小沢健二にしか出せない新しい音とは思えなかった。レビューした機器・CD一覧はこちら

2007年08月17日

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オスカー・ピーターソン / ソロ!!

Oscar Peterson / My Favorite Instrument [SACD Hybrid]（2003年発売）SACD層のないぶん安価なCD盤はこちらプリーズ・リクエストを始め，ピアノ・トリオで数々の名盤を生んだオスカー・ピーターソンが，ピアノ・ソロでスタンダードを演奏した作品。高い録音技術を誇るMPSレーベルのオーナー，ブルナーシュワーの自宅のスタジオで1968年に録音されているが，音質は大変クリアですばらしい臨場感があり，ピアノ（スタインウェイ）のダイナミックレンジの広大さを存分に味わうことができる。冒頭の#1からその超絶技巧ぶりに目を見張る。すさまじいテクニックの嵐だが，根底には純粋なジャズの楽しさがある。#2，#7，#9ではドラムもベースもないのに，１台のピアノだけでビッグバンドを聴いているかのような見事なスイング感を生み出している。比類ないジャズ・ピアニストの最高の時期の演奏を最高の録音技術で記録した，価値ある１枚。DTM機材のピアノサンプル曲のようにこれでもかというぐらい派手な指さばきも満載なので，ジャズピアノの音質チェックにも最適。01 Someone to watch over me02 Perdido03 Body and soul04 Who can I turn to05 Bye, bye blackbird06 I should care07 Lulu's back in town08 Little girl blue09 Take the 'A' trainレビューした機器・CD一覧はこちら

2007年08月14日

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スティング / ソウル・ケージ

スティング / ソウル・ケージ（1991年発表）スティングを初めて聴かれる方にはまずはベスト盤をおすすめするが，個人的にスティングのアルバムの中で一番好きなのがこのThe Soul Cages。一番地味なアルバムかもしれない。制作直前に父親が亡くなっているが，その影響もかなりあるだろう。しかしキャッチーな名曲#2などもあり，ただ暗いだけで終わっていない。父の死を機会に自らのルーツを見つめたのか，バグパイプの響きで始まる#1やアコースティックギターのインストゥルメンタル#6などをはじめ，全体としてイギリス北東部やアイルランドの雰囲気が根底にある。素晴らしいアレンジの#7などを聴くと，冷たい波が打ち寄せる寂寞としたニューカッスル付近の海岸の情景が眼前に広がる。圧巻なのは8分近い大作の#9。淡々と語るように始まるゆったりとした曲調が突然明るい曲調に変わるところが感動的だ。新たにリマスターされた音質も良好。#9や#5などで聴けるマヌ・カチェのドラムの響きが印象的だが，ギターのドミニク・ミラー，そしてサックスのブランフォード・マルサリスにも要所要所で見せ場があり，素晴らしいプレイが聴ける。リンク先の「無料試聴」から試聴できます。01 Island Of Souls02 All This Time03 Mad About You04 Jeremiah Blues (Part I)05 Why Should I Cry For You?06 Saint Agnes And The Burning Train07 The Wild Wild Sea08 The Soul Cages09 When The Angels Fallレビューした機器・CD一覧はこちら

2007年08月12日

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バッハ：ブランデンブルク協奏曲第3番，管弦楽組曲第2番

ラインハルト・ゲーベル(指揮), ムジカ・アンティクワ・ケルン (演奏) / J.S.バッハ：ブランデンブルク協奏曲（全曲）（1986年，1987年録音）バッハのブランデンブルク協奏曲はバロックの中でも録音の多いほうだと思うが，その中でもかなり異色であろうゲーベル盤の全曲集。ブランデンブルク協奏曲第1番～第6番のほかイ短調BWV1044も収録した2枚組。古楽器による演奏は今では珍しくないが，驚異的なのがそのスピード。とにかくテンポが速い。私は特に第3番第1楽章最後のゆったりとした和音の響きから一転して畳み掛けるように始まる第2楽章が好きなのだが，最初聴いたときはあまりの速さに思わず笑ってしまったほど。ゲーベルはバッハ自筆のスコアを忠実に再現したということだが，それがとても現代的に感じられるところがおもしろい。またバロックを単なるヒーリングミュージックとしてとらえている方にも，その刺激的なテンポは新鮮に感じられるはず。音質も古楽器の豊かな響きまで再現されており良好。一方，ゲーベル盤は確かにおもしろいのだが，やはりせわしない印象を受けることもある。むしろ私は昔ながらのモダン楽器によるスタンダードな演奏のほうが，バッハ特有の展開のおもしろさや旋律の美しさをじっくりと堪能でき，結局聴く機会も多い。特に思い入れが強いのがヘルムート・ヴィンシャーマン指揮のドイツ・バッハゾリステンによる1977年録音の演奏。これは，昔CDが出始めた頃に買ったものだと思うが，ビクターの100枚組み(だったはず)のクラシックCD集にあった1枚に収録されていたもの。管弦楽組曲第2番とブランデンブルク協奏曲第3番，第5番が収録されているが，今では当然廃盤になっている。録音した年や試聴できる演奏から判断すると，おそらくこの輸入盤に収録されているものと同じだろう。「昔ながら」とは言っても決して古臭いわけではなく，前述の第3番第2楽章などは躍動感溢れる瑞々しさを感じさせる好演奏。いっしょに収録されている管弦楽組曲第2番もすばらしく，第1曲や第4曲でフルートのソロが始まるところなどはぞくっとするほど美しい。こういったモダン楽器によるバッハでは定評のあるカール・ミュンヒンガー(指揮) シュトゥットガルト室内管弦楽団 / J.S.バッハ：ブランデンブルク協奏曲第1番～第6番，管弦楽組曲第2番，第3番なども聴いてみたい。レビューした機器・CD一覧はこちら

2007年08月09日

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レッド・ツェッペリン定番の2枚組みベスト：Led Zeppelin Remasters

レッド・ツェッペリン / ベスト・オブ・レッド・ツェッペリン～リマスターズ（1990年発売）1990年にジミー・ペイジ自らがリマスタリングしたベストアルバム。有名曲をひととおり収録している。私が初めてレッド・ツェッペリンに触れたアルバム。これが気に入り他のCDにも手を出したが，そのころは安物のコンポで聴いていたので音質の良さはあまり意識していなかった。しかし最近改めて聴いてみると，かなり生々しい音が出て驚いた。ペイジリマスターではない他のCDとは明らかに異なる迫力だ。特に，すごいすごいと言われながら以前はそのすごさをあまり意識していなかったボンゾのドラムのすばらしさに圧倒された。低音がくっきりと出ているためか。昔から好きなのだが，Disk1-3 Good Times, Bad TimesのイントロやDisk1-8 Immigrant Songのリズムの気持ちよさなどが格段に増した。やはりこの人の出す独特のグルーヴがレッド・ツェッペリンの気持ちよさの根底にあるのだろう。Disk101 Communication Breakdown02 Babe I'm Gonna Leave You03 Good Times, Bad Times04 Dazed And Confused05 Whole Lotta Love06 Heartbreaker07 Ramble On08 Immigrant Song09 Celebration Day10 Since I've Been Loving You11 Black Dog12 Rock And Roll13 The Battle Of Evermore14 Misty Mountain Hop15 Stairway To HeavenDisk201 The Song Remains The Same02 The Rain Song03 D'yer Mak'er04 No Quarter05 Houses Of The Holy06 Kashmir07 Trampled Underfoot08 Nobody's Fault But Mine09 Achilles Last Stand10 All My Love11 In The Evening1990年以降ジミー・ペイジはオリジナルアルバム全てをリマスタリングしているので，買うときはそれ以前にリマスターされたものではないか注意すべきだ。どうせ買うなら，全てのオリジナルアルバム+未収録4曲を網羅した10枚組みのボックスセットコンプリート・スタジオ・レコーディングス（1998年発売，15,000円）がお得かもしれない。レビューした機器・CD一覧はこちら

2007年08月06日

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鳥山雄司 / 世界遺産，TRANSFUSION

鳥山雄司 / コンプリート「世界遺産」テーマ曲集 [SACD Hybrid]（2004年発売）フュージョンバンドPyramidでギタリストとしてだけでなくプロデューサーとしても素晴らしい仕事をした鳥山雄司だが，そのプロデュース技術はTBSの「世界遺産」のBGMの仕事で高められたものであることは間違いないだろう。TBS「世界遺産」は，動画よりも静止画主体の，写真集を見ているような美しい配置の映像や，俳優による淡々としたナレーション，ソニー単独の短く抑えられたCMなど，他の紀行番組にはない特徴を持っている。そしてその雰囲気を形作っている大きな要素の一つが，様々なアレンジで現れる鳥山雄司のテーマ曲だろう。このCDにも収録されているが，特にアコースティックギターなどの生楽器によるシンプルなソロアレンジが味わい深い。とりわけその音響の処理の巧みさにひかれる。テーマ曲以外の抽象的なBGMや民俗音楽などでもそうだが，1つ1つの音の響きにこだわった音作りがなされており，それが番組の荘厳な雰囲気を盛り立てる。そういえば，番組内で現地の音がそのまま使われることは少ないように思う。映像が古い教会であっても，バックに流れるのは教会の人のざわめきではなく鳥山のピアノ曲だったりする。そういった作りは，リポーター主体のNHKの「探検ロマン世界遺産」とは対照的だ。あちらもエンディングに流れるユーミンの「水の影」（「時のないホテル」（1999年）に収録）が印象的だが。01 The Song of Life～Introduction～02 Welcome to World Heritage03 The Song of Life～with Royal Philharmonic Orchestra 2001 Version～04 Sea foam05 Full moon～with Royal Philharmonic Orchestra featuring Fumiaki Miyamoto～06 The Song of Life～Acoustic Guitar 2004 Version07 Interlude～from Theme～08 Interlude～from Sea～09 Away from Home10 The Song of Life～Allegro～11 Interlude～from Earth～12 The Song of Life～Original 1996 Version～13 Away from Home～Acoustic Guitar Version～14 The Song of Life～with Royal Philharmonic Orchestra 2003 Version～鳥山雄司 / TRANSFUSION [SACD]（通常のCD盤はこちら。）（1988年発表，SACD盤は2000年発売）一方，世界遺産のオープニングで流れる飛翔するようなエレクトリックギターの響きは，80年代のフュージョンギタリストとしての鳥山雄司を髣髴とさせる。その時代の鳥山雄司のもので私がずっと愛聴しているのがこの「トランスフュージョン」だ。スタイルはまさに往年のジャパニーズフュージョンそのものといった，メロディのわかりやすいインストゥルメンタルなのだが，カシオペアやT-SQUAREとはまた違った魅力を感じていた。ドラマティックに展開するメロディ自体も彼独特のものだが，随所に使われているSEがおもしろい。トーキングドラムを用いた#6など，細部までこだわったアレンジも魅力だ。マスタリングも丁寧になされているようで，当時のきらびやかな音を忠実に再現してくれる。そのいかにも「デジタルサウンド！」というアレンジは，人によっては古臭く感じるだろうが，その音質の高さといいアレンジの巧みさといい，この種のギターフュージョンアルバムの中でも傑作といえる。その開放的なサウンドはこの時期のドライブにも最適。01 Captain Haddock02 Lumberjack03 Transfusion04 Silver D05 Lipstick No.24206 An Ecstasy07 In her early days08 The Missing Person09 Work Out10 My Goddessレビューした機器・CD一覧はこちら楽天ミュージックダウンロード：楽曲数100万曲から試聴！購入も1曲105円から！｜CD市場：イチオシ，邦楽，洋楽，アニメ・ゲームミュージック，サウンドトラック｜80年代CD大全集：なつかしの音楽がよみがえる。あの頃のヒット曲をもう一度！｜暑中・残暑見舞いを送った方，送られた方限定！世界10都市のお好きな都市に行ける航空券，現金10万円プレゼント！

2007年08月04日

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「夏の日の恋」パーシー・フェイス・グレイテスト・ヒッツ

パーシー・フェイス・オーケストラ / パーシー・フェイス・グレイテスト・ヒッツ [完全生産限定盤]（2007年発売）春ごろテレビなどでよくかかっていたYUIのCHE.R.RYが妙に印象に残っていた。サビやメロディは取り立てて独創的というわけではないのだが，ドラムのアレンジや処理などが好みだ。また何度か耳にしているうちに，ストリングスのメロディが気になってきた。冒頭の激しめのギターリフのバックで流れているゆったりとしたストリングスだ。何かを思い出させるなぁと思っていたら，パーシー・フェイスの「夏の日の恋」のあの優雅なストリングスだった。急に聞きたくなりレンタル屋で探していたが見つからず，ネットで調べると今年リマスター盤が出たようなので思わず購入。紙ジャケットの限定盤で，1960年に発売されたLP盤の「グレイテスト・ヒッツ」を忠実に再現している。紙ジャケ盤は特に重ねて置いた時の強度不足が気になったり棚に入れにくかったりして個人的にはあまり好きではないが，このように紙袋まで当時のものをこだわって再現されると，なかなか雰囲気があってよい。ライナーノーツはジャケットの英語の解説の訳（おそらく当時のままのもの）に青木啓氏の2006年の解説，歌詞の対訳，パーシーフェイス年表，さらに邦題付きのディスコグラフィまでついており至れり尽くせり。#1「夏の日の恋」のストリングスの音は，ムード音楽として流されることが多いこともあり，今聴くとやや「濃すぎる」雰囲気を作り出してしまうが，原曲のシンプルで美しい魅力が引き立つ素晴らしいアレンジだ。細野晴臣と高橋幸宏のエレクトロニカ・ユニットSKETCH SHOWがファーストアルバムaudio sponge（2002年発表）でカバーしていたり，Fantastic Plastic Machineが「Style #09」でミックスしていたり，この曲には単なるノスタルジーで終わらせないどこか今日的な魅力がある。ベスト盤ということもあり，他も名曲ぞろい。この時代の音楽は，アレンジはシンプルだが，その分メロディ自体がすばらしく印象的なものが多い。現代のポップスやロックの中で，純粋にメロディの良さから時代を超えて聴かれ続けるものが果たしていくつあるのだろうか。マスターテープをDSDマスタリングしたということだが，当時の録音状態の問題かマスターの劣化なのか，音の明瞭さという点では現代の録音と比べるとさすがに劣っているように感じる。しかし#7「ムーラン・ルージュの歌」のフェリシア・サンダースのヴォーカルなど，時にハッとする存在感を感じさせる音もある。リンク先の「無料試聴」から試聴できますが，演奏は101ストリングス･オーケストラです。01 The Theme From A Summer Place02 Non Dimenticar (Don't Forget)03 Till04 All My Love (Bolero)05 Jamaican Rumba06 Delicado07 The Song From Moulin Rouge08 Tropical Merengue09 They Can't Take That Away From Me10 The Rain In Spain11 The Syncopated Clock12 Swedish Rhapsodyレビューした機器・CD一覧はこちら

2007年08月02日

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和のエレクトロニカ：レイ・ハラカミ / lust

Rei Harakami / lust（2005年発表）1996年デビューした京都在住のエレクトロニカ・アーティスト，レイ・ハラカミの，レア音源集を除けば最新のアルバム。彼はレイ・ハラカミとしての活動以外にくるりやUAなどのリミックスでも知られ，今年は矢野顕子とのユニットyanokamiもスタートさせており，8月8日にはアルバムyanokamiを発表する予定。彼の音楽の基本は極めて単純な電子音なのだが，それを組み合わせたり音色を変化させ，さらに複雑なリズムに乗せることで彼独特の雰囲気が生まれる。その抽象度の高さが場面を選ばないためか，NHKのドキュメンタリーや教養番組のバックで流れされることがよくある。このlustは，どちらかといえばデビューアルバムUnrestに近い印象を受ける。より1音1音の音の配置にこだわりシンプルになった分，音の響きやリズムの魅力が前面に出てきているように感じる。Unrest（1998年発表）はこちらで全曲試聴できる。#4，5，7，9，10などは特に彼の特徴をよく表していると言えるだろう。彼の音楽を聴くと，なぜか「和」を感じてしまう。もちろん和楽器など出てこないし，日本の音階を使っているわけでもないのだが。本名原神玲をカタカナ表記した変わったアーティスト名や，広島生まれ京都在住であるという情報がその印象を強くしているのは確かだろうが，それ以上の何かもっと根本的なものを感じる。不思議なものだ。竹村延和も似たようなアプローチを取ることがあるが，彼の音楽が時にクラシックの現代音楽のような実験性を重視するあまり聴き辛くなることがあるのに対し，レイ・ハラカミの基にあるのはあくまでダンス・ミュージックであり，要するに聴き易く心地良いのが魅力。寝つけないときのBGMとしても使える。01 long time02 joy03 lust04 grief & loss05 owari no kisetsu06 come here go there07 after joy08 last night09 approach10 first periodレビューした機器・CD一覧はこちら楽天ミュージックダウンロード：楽曲数100万曲から試聴！購入も1曲105円から！｜CD市場：イチオシ，邦楽，洋楽，アニメ・ゲームミュージック，サウンドトラック｜ヘッドホン＆スピーカー購入ガイド：機能，タイプ別にチェック！快適な音楽生活を体感しよう｜こだわりのオーディオアイテム：スピーカー、アンプ、ヘッドホンなど迫力のサラウンドを味わえる商品が勢揃い！｜楽天市場ラウンジ：人気雑誌のライター・アドバイザー・スタイリストが商品を褒める！斬る！

2007年07月30日

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モニク・アースによるラヴェル「クープランの墓」

モニク・アース Monique Haas / ラヴェル：ピアノ作品全集 Ravel: The Piano Works（2001年発売）。2枚組みで1,995円(税込)！ジャズに興味を持ち始めてネット上のMIDIファイルを探していた頃だったか，たまたま出会って以来よく勝手に参考にさせてもらっているのが，ジャズ中心のレビューを公開されているしほたつさんのQ'sだ（最近は主にブログに書き込まれているようだ）。ジャズだけでなく様々な音楽を大量に聴いておられるであろうことはそのレビューの幅広さから容易に想像できるが，そこで「今まで聴いたあらゆる曲の中で一番素晴らしいと思う」曲として紹介されていたのが，意外にもジャズではなく，ラヴェルのピアノ組曲「クープランの墓」の3曲目，「フォルラーヌ」だった。ラヴェルについては「ボレロ」と「亡き王女のためのパヴァーヌ」（原曲よりもカシオペアがリー・リトナー・グループと共演したFOUR BY FOURでのアレンジを聞いたのが先だったように思う）ぐらいしか知らなかったが，そのレビューにひかれて適当なものを思わず購入。ネット通販が普及して以来，こういうことがとてもし易くなった。人伝てやテレビ・ラジオ，関連の本や雑誌などしかなかった昔に比べて，インターネットの普及により格段に効率よく音楽情報を得ることができるようになっていると思う。「クープランの墓」の1曲目「前奏曲」から，ドビュッシーのような抽象的な曲調から現れる印象的な主題や最後の高音の繊細な響きなど，その美しさに胸を打たれた。「フォルラーヌ」も抽象的で冷たい印象の部分とリズムよく繊細に奏でられる部分の対比が良い。「リゴードン」の民謡風の素朴な部分から再び躍動的な主題が劇的に現れるところは特に印象的で，余韻を残す最後もいい。6曲目「トッカータ」も無機質な印象の冒頭からどこかユーモラスで人間的なメロディが立ち現れてくるところがおもしろい。ラヴェルのピアノ作品が全曲収められており，他にも「古風なメヌエット」などそれぞれに魅力的で，私のような入門者に最適。ライナーノーツには原明美氏による曲ごとの解説がある。録音は1968年，パリのリバン教会でのものだが，自然なピアノの響きが楽しめる好録音。60歳とは思えないアースの瑞々しい演奏を堪能できる。リンク先の「無料試聴」から試聴できますが，演奏はMonique HaasではなくBarry Hanniganのものです。Disc101 鏡第1曲蛾02 鏡第2曲悲しい鳥たち03 鏡第3曲洋上の小舟04 鏡第4曲道化師の朝の歌05 鏡第5曲鐘の谷06 水の戯れ07 亡き王女のためのパヴァーヌ08 古風なメヌエット09 前奏曲10 シャブリエ風に11 ボロディン風に12 ハイドンの名によるメヌエット13 マ・メール・ロア第1曲眠りの森の美女のパヴァーヌ14 マ・メール・ロア第2曲親指小僧15 マ・メール・ロア第3曲パゴダの女王レドロネット16 マ・メール・ロア第4曲美女と野獣の対話17 マ・メール・ロア第5曲妖精の国Disc201 クープランの墓第1曲前奏曲02 クープランの墓第2曲フーガ03 クープランの墓第3曲フォルラーヌ04 クープランの墓第4曲リゴードン05 クープランの墓第5曲メヌエット06 クープランの墓第6曲トッカータ07 夜のガスパール第1曲水の精（オンディーヌ）08 夜のガスパール第2曲絞首台09 夜のガスパール第3曲スカルボ10 ソナチネ第1楽章中庸の速さで11 ソナチネ第2楽章メヌエットの速さで12 ソナチネ第3楽章生き生きと13 高雅で感傷的なワルツ第1曲中庸の速さで、非常にはっきりと14 高雅で感傷的なワルツ第2曲かなりゆるやかに15 高雅で感傷的なワルツ第3曲中庸の速さで16 高雅で感傷的なワルツ第4曲十分に活発に17 高雅で感傷的なワルツ第5曲ほとんどゆるやかに18 高雅で感傷的なワルツ第6曲活発に19 高雅で感傷的なワルツ第7曲活発さを減じて20 高雅で感傷的なワルツ第8曲エピローグレビューした機器・CD一覧はこちら入門！クラシック：クラシック初心者にオススメのアルバムをセレクト！楽しいクラシック・ライフへの道はここから始まります！｜ヘッドホン＆スピーカー購入ガイド：機能，タイプ別にチェック！快適な音楽生活を体感しよう｜こだわりのオーディオアイテム：スピーカー、アンプ、ヘッドホンなど迫力のサラウンドを味わえる商品が勢揃い！

2007年07月28日

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