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カテゴリ:翻訳裁判所
「お前はどこまで馬鹿なんだ。200字のやつは要するに、ラーメンで言えば半ちゃんみたいなもの。1枚ちゅうたら、原稿用紙1枚、400字に決まっとる。何枚か書いて、新しい用紙に入って、「る」で終わったら、そのあとに「。」を打つ。それでも、それで1枚。ちゃんと1枚分の原稿料を払うのが常識だった」 「ええ、そうなんですか」 「当たり前だ。この馬鹿たれが、、。その常識をめちゃめちゃにしたのが、いわゆる産業翻訳業界、技術翻訳業界だ。そういうところに、お前のようなやつが仕事を求めてきて、「平均余命が増加する」なんて文を平気で書く。ちょっと考えておかしいと思っても、それで一応意味がわかるから、そんなところに時間をかけて、ちゃんとした文にしようとしない。そんな時間があったら、次の文を訳した方が金になる。何もかも効率の世界になっている」 「刑事さんのおっしゃる通りです。でも、じゃあ、私のような者はいったいどうすればいいんですか。結婚だって、必ずしも自分の意志だけで何もかも決めることができたわけじゃありません。子どももできて、そんなに簡単に外で働けません。家のローンだってあります。主人の給料だけじゃやっていけません。要するに、社会が悪いんじゃないですか」 「なるほど、理屈だ。じゃあ、もしもそういう問題がなかったとしたら、会社勤めをしたいと思うか。それで、どんな仕事がしたい」 「急に言われても、よくわかりません」 「それじゃあ、たとえば、それでも語学の仕事がしたいと思うか」 「そう思います」 「それじゃあ、お前、ウソじゃないか。ほかに選択肢がなかったから翻訳の仕事を選んだんじゃないのか。で、通訳は、、」 「語学を生かせる仕事なら何でもしたいと思います」 「要するに、語学を生かした何かということか」 「はい」 「ふうん、、」 ←ランキングに登録しています。クリック、よろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.09.14 16:53:56
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