カテゴリ:北米青春記・昔話
大好きなルル子様のリクエストにまた応えます。「物理オリンピック」の話。
アタクシが通ったハイスクールは八年生(中二)から十二年生(高三)まで一緒のキャンパスだった。 科目は全部好きだったわりに勉強らしい勉強をまったくしなかったアタクシだが、なぜか中三の時にはもう物理高三のクラスに放り込まれていて、先輩達に可愛がられていた。何をしても甘やかされて、全校女子憧れの的、ステキなK先輩のラボパートナーになってしまったりして、楽しかった。好きなだけで別に「得意」な科目ではなかったが。 宇宙を分析して行くのが楽しかった。だがいくらデータ解析をしても根本的には殆ど判らない、人間の脳では理解不能なほど不思議、という所も大好きだった。今も。 物理クラブなんてのもしていた。このオタク天国の主な目的は、毎年付近の大学の物理部が高校生ティームを招待して行う「全国物理オリンピック」の参加メンバーを組み、特訓して、出場する事。 何をするのか。色々な競技をその大学物理部が毎年決めて、競技の数週間前、問題を出す。 問題は二種類。「1」数週間、じっくり実験して、その成果を本番で競い合う競技。「2」オリンピックの日に初めて言いわたされる問題の数々をティームのメンバーが知恵を合わせて解く競技。 その年、「1」は『必殺エッグドロップ』と『長距離紙飛行機』。 『必殺エッグドロップ』は、卵を校舎から落としても割れない様に、限られた材料を使ってパッケージを作る、というヤツ。最も高い所から落として割れなかったら勝ち。引き分けになったらまたさらに一階高い所からまた落とす。 その年の材料は確か ・新聞紙五枚 ・マスキングテープ50センチ ・輪ゴム二つ 新聞紙を全部筒型にして十本束にしたロケットにしてみたり。紙をゆるく丸めてクッションにしてみたり。折り紙のテトラ四面体をいくつも作ってクランプルゾーンを広げてみたり(...アタクシの下らない案...)。 放課後、色々試してみて、実験実験実験。卵をいくつも割って毎回転げ回って爆笑したなぁ... 実験を積み、編み出したテクを今度は当日再生しなければならない。タイムリミット内に。 『長距離紙飛行機』は、限られた質と大きさの紙一枚で飛行機を作り、一番長距離飛ばしたティームの勝ち。ただしその日、最初から作りなおさなければならない。 これはもちろん作るテクも大切だったが、それを飛ばすコツをつかんだ手首ってのも同じく大切だった。 これも色々研究。典型的な紙飛行機から始めて、ジェット機、グライダー、パラウィング、はじから形を試してみる。どこにどう切り込みを入れて、どこにどっち向きのフラップをつけて、スタビライザーは必要か?などとあーだこーだケラケラ笑いながら実験。 ふっふっふ、今だに紙飛行機ならおまかせっ。 下らない事にしか自信無いアタクシ...? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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