自分を閉め出しちゃったの巻・妹J編
その日、雨がざんざん降っていたそうだ。妹Jはメイとオイをスケートのレッスンに連れて行った。帰りの時間になっても雨はやむどころかいっそう激しくなっていたので、妹Jは小さな二人を抱えて車へ走った。ホンダの「odyssey」は「車」と言うより「バン」だ。広い駐車場なので遠い。びしょびしょになりながらドアを開け、子供達を車に入れ、まず小さなオイ(三歳)をチャイルド・シートに座らせバックルを閉めた。それまではよかった。さぁ今度は車の反対側にまわってメイ(五歳)のチャイルド・シートを... とバンのスライディング・ドアをバタン!と閉めたとたん、 ボン!とドアの鍵が全部閉まり、次の瞬間 ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!とアラームが鳴り出してしまった。なに?なに?なに?どうやら、オイをチャイルド・シートに座らせている時にポケットからキーレスエントリー一体型キーが落ちて、それをスライディング・ドアでひいてしまいオートロックとアラームが同時にかかってしまった!らしい。 どひゃー。突然のアラーム音にびっくりして泣きそうなオイの顔が窓越しに見える。「it's okay - just wait, sweetie!」と歯を食いしばりながら無理矢理笑顔を作ったそう。母親って、大変。がちゃがちゃドアを開けようとするがダメ。ハンドバッグはほんの数秒前、無意識にオイの足元に置いたまま。その中に携帯も財布もなにもかも入っている。すぐそこの窓越しに見えるのに届かないもどかしさ。ポケットには... くしゃくしゃで雨でびちょびちょになりつつティッシュが一枚きり。ポケットを必死で探っている間も ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!っとアラームが鳴り止まない。その間ずっとずっと降り続ける土砂降りの雨。あぁ、みじめ... - - -時間切れなので続く?