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カテゴリ:オペラ ライブ
新国立劇場中劇場へラ ヴォーチェ制作の椿姫を聞いてきました。
ヴィオレッタ:マリエッラ・デヴィーアMariella Devia アルフレート:ジョゼッペ・フィリアノーティGiuseppe Filianoti ジョルジュ:レナート・ブルゾンRenato Bruson 指揮:ブルーノ・カンパネッラBruno Campanella 東京フィルハーモニー交響楽団、藤原歌劇団合唱部 マリエラ・デヴィーア、生で聞いたのは初めてなのですが、やっぱ凄い!です。 冒頭はいやに冷めてるヴィオレッタだなぁと感じましたが、一幕後半クライマックス の「E starno!不思議だわ!~そは彼の人か~花から花へ」にかけては、最初はソッ トヴォーチェ駆使して、そして一転コロラトゥーラで、享楽と真実の恋にゆらぐ気持 ちみごとに歌いきってくれました、さすがです。 でもデヴィーアの真骨頂は今回は二幕・三幕ではなかったかと思います、叙情性と表 現力がすばらしい!息を飲んで聞き入ってしまいました。二幕一場で愛するアルフ レートのために身を引くところ、でも彼の父との約束でそれを言えない二場のせつな さが胸を打ちすばらしかったです。 フィリアノーティのアルフレート、二幕冒頭「燃ゆる心」は愛する人といる喜びを素 直に出し、ストレス発散させてくれる伸びやかな声で、ひさびさアルフレートらしい アルフレートでした。ちょっと浪花節っぽい泣きが感じられるのが少々不満でした が、それよりあのスカッとした声の魅力の方が大です。 ブルゾンのジョルジュ、この人二幕一場登場してヴィオレッタをなじるところ、二場 でヴィオレッタを侮辱したアルフレートを息子でないと叱責して現われるところと、 まず出だしでサーッと存在感出して引き付ける、さすがです。役柄も、まず当時の身 分や格式という社会規範が先に出て、ヴィオレッタの献身や愛情に敬意を表しなが ら、身分をわきまえるのは当然という態度をとったり、息子のアルフレートへも愛情 よりまず家を継ぐものとしての立場を考えろという感じが出ていましたが、娘のため にというところには心底の愛を一瞬感じました。たぶんこの人の特性がよく出たジョ ルジュなんだと思いますが、私個人的には厳格と威厳の中で慈愛をもう少し出すジョ ルジュでほしかったです。 フローラを、このあいだのベッリーニ歌劇場ノルマでアダルジーザをやったニディオ ・パラチオスがやっていて、もったいなさすぎ!二幕二場では、ヴィオレッタに頼ま れてアルフレートに耳打ちして呼び寄せたり、パトロンの侯爵に浮気のお灸据えたり と、存在感がすごい。なんかこんな端役でホントもったいないです。あとバレエダン サーズがすばらしい踊り披露してくれました。 カンパネッラは最初はテンポが遅すぎると感じましたが、二幕になって叙情的な場面 になるとマッチしてくるようになりました。ただしブルゾンはこれでは遅いのか一人 のとこでは気持ち早く歌い始めてテンポ煽ったりしてました。そのせいか指揮者に短 いブーが出ましたが、私は最後は締めてくれたと思います。 演出も今流行りの、序曲に物語つけたり時代を現代に置き換えたりというのではなく オーソドックスで、でも衣裳もセットもごたごたに華美でなくすっきりして、気に入 りました。 とても満足のひとときでした。 p.s.会場に、コンサートで来日しているコッソットが聞きに来ていたような・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年08月13日 20時52分30秒
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