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カテゴリ:オペラ ライブ
新国立劇場へ。
今回はミラノ版全4幕、1・2幕と3・4幕をそれぞれ続けて上演、休憩は1回のみ、今日の東京の厳しい残暑にクーラーも最初追い付かず、1・2幕は少々つらい鑑賞でした。 歌手はみんな良かったです!特に急遽変更になったロドリーゴのマーティン・ガントナーが、少し高めのバリトンでまさに実直な忠臣という感じ、大きな拍手もらってました。 エリザベッタの大村博美も4幕アリア聞き入ってしまった。そしてフィリポ二世のバス、ヴィタリ・コワリョフがとてもいい響きでした。 タイトル・ロールのミラスラフ・ドヴォルスキーはまさに芯のあるリリコで声的にはとても好きなんだけど、イメージ的に毅然とした感じで、ドン・カルロにはもうちょっと繊細さというかオボッチャン的ひ弱さが個人的には欲しかったです。 そしてキーパーソン、エボリ公女のマルゴルツァータ・ヴァレヴスカ。最初のヴェールの歌が、アジリタできないせいかものすごい遅いテンポ、それでも転がしきれないし高音上がり切れないし、最悪!ただこれで開き直ったのか、その後のドラマティックな展開はお見事で、3幕の「呪わしき美貌」は凄まじい迫力した。ただ個人的には、高音部は思い切り大音量にしてさらに引き伸ばししないでごまかしてるかなぁとか意地悪いこと感じていて、大好きなヴェールの歌が蔑ろだったこともあり、周囲に合わせて拍手は送れませんでした。いずれにしても難役ですよね。 指揮のミゲル・ゴメス=マルティネスは加もなく不可もなく、間を置いて演奏に入るのがかえって逆効果になり、なんとなくメリハリない展開になった気がします。 演出のマルコ・アルトゥーロ・マレッリの、4分割のグレーパネルを上下左右に配置して十字架をイメージした抽象的な舞台は、パネルの移動と照明でとてもスムーズに場面転換表現できるので、良かったと思います。ただ書斎のフィリポ二世と独房に入れられたカルロがまったく同じ状況になってしまうのが残念。こういうのって、音楽でイメージ膨らますようにしないと貧乏くさくなってしまうんじゃないでしょうか。そういう意味では指揮者いまいちだったのかなぁと感じます。 2006年9月10日新国立劇場にて お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年09月13日 21時28分29秒
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