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カテゴリ:オペラ ライブ
注目のドラマティックソブラノ、ジェーン・イーグレンがタイトルロールというので聞いてきました。とても美しい声でした。が・・・
トスカ ジェーン・イーグレン カヴァラドッシ ホセ・センペレ スカルピア オレグ・ブリアク スポレッタ タマーシュ・アルバート 指揮 ヤーノシュ・コヴァーチュ ハンガリー国立歌劇場管弦楽団・合唱団 激しさ溢れるトスカ、清閑だけどいまいちたよりげないカヴァラドッシ、本当に憎々しいスカルピアと、まさに定番のトスカでした。 一幕はみんな一本調子だなぁという感じでしたが、二幕の特にトスカの遠くから聞こえるカンタータをバックにカヴァラドッシへ執拗に詰問するスカルピアとのやりとりは見応え聞き応えありました。今回一番の見せ場だったのではないでしょうか。 二・三幕のカヴァラドッシのホセ・センペレは一幕とは打って変わって力強さ出してびっくりしました。ただ声質が特徴あるので好き嫌いでると思います。 スカルピアのオレグ・ブリアク、二幕のカヴァラドッシをねちねち攻める感じはぞくぞくするくらいよかったのですが、トスカと相対したときにモノにしたいという嫌らしさがいまいち感じられない。悪役としてよかっただけにそこが残念。でもこれは今日の配役の「体型」という見た目に大きく左右されたこともあるような気がします。 ジェーン・イーグレンってとにかく典型的なソプラノ体型、カバリエ張りの体格で、5階席から見下ろすとホントにノッシノッシと歩くんです。(カヴァラドッシ役がまた典型的なテノール体型(つまり大変小柄で)拷問上がりのカヴァラドッシにトスカが付き添うとまるきり肝っ玉母さんが子供を介護してるみたいなんです。) もちろん彼女の歌はすばらしかった、一幕では激しさだけかと思ったら二幕でのカヴァラドッシの拷問に苦悩し真実を話すか揺れる心情はとてもこまやかに感じじられました。三幕も愛情豊かなカヴァラドッシとのやりとりと一転死を確認したときの慟哭とすばらしかった。ただ彼女の貫禄のよさも加わって普通のレヴェルの歌手は完璧喰われてしまう。 二幕のスカルピアとのやりとり、どうしてスカルピアに屈したの?って感じてしまったし、通行証書くよう文机を指差して要求するとこなどはトスカの方が上位。 そして、これは演出も大きく影響してることだけど、スカルピアが通行証書いている間にトスカがワインを飲んでナイフに気付き一回手にしてテーブルに置く躊躇見せながら、勝利宣言よろしく近づいたスカルピにすかさずテーブルからナイフ取って刺して、苦しむスカルピアにもう一回とどめで刺したのにはビックリ!死体が握る通行証を取るのにもぜんぜん躊躇しない、トスカって敬虔なカトリックでしょ?ギャップを出して止められない激しい感情を表現したのでしょうか?ローマ歌劇場のデッシを見たばかりということもあり、あまりの違いにビックリでした。 スポレッタのタマーシュ・アルバートが緊張感の中の清涼剤的なイイ味出していたと思います。 コヴァーチュの指揮も特に二幕カンタータの場面はホント緊迫して緊張感を全体的に出していたと思いますが、オケの弦にバラツキ感じました。 セットはまるきりこないだのローマ歌劇場、ていうかこないだがオーソドックスだったんでしょうか、でもそのまま使ったんじゃと思えるくらい・・・ 席は1階後方と3階正面前列、4階両翼の2列目以降はがらがら。ハンガリー国立歌劇場っていい演目やるのですが、今回ちょっと強気の料金だもんなぁと思っていたけど、残念。 平成18年10月29日 東京文化会館にて お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年10月31日 16時32分26秒
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