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カテゴリ:オペラ ライブ
反戦と愛(当然ながらセックスも含みます)のメッセージをこんなにブラックにアピールできるのかと大衝撃受けました。
このメッセージは全編通じてアピールされ、ブラックはやがて昇華されラストは普遍の愛のメッセージとなって訴えてくる・・・感動しました! そしてアイーダに流れるこのメッセージを読み取り、表現できたコンヴィチェニーに感銘せずにはいられません! 1・2幕続いたあと休憩、そのあと3・4幕が続くスタイルにでしたが長さ感じません、どんどんワクワクしていってしまった。 当然ながら(とくにゼフイレッリの直後で)いわゆる『アイーダ』とまったく違う作りに、カーテンコールのコンヴィチェニー出現時の大ブラヴォに匹敵する大ブーイング。これだけ交錯したということは、それだけアピールしたわけですね。 セットは黒枠はめて画面のようにした白い部屋に赤いカバーかけた白いソファだけで終始変わらず。合唱は常に壁の向こう。ソロも歌う時、必ず姿表すわけでなく、奥から声がするのです。 でも、この画面のような設定と歌声だけって、今の画像社会皮肉っているのかなあという裏読みもして、発想に斬新さ感じました。 2幕フィナーレがブラックの最たる箇所だと感じます。 戦勝にただ浮かれる、戦場には出ない支配階級。ラダメスは血だらけ傷だらけで帰還、戦場の現実を目の当たりにして茫然自失状態。彼は勇敢だけどちょっと思慮が足りない部分があるが、凱旋将軍としてまわりは英雄扱い。そんな雰囲気に馴染めず捕虜の解放を訴えるが、支配階級はまったく聞く耳持たず。戦争で傷を負っているのは前線の兵士や一般民衆なのに、莫大な利益を得ているのは一部の特権階級だけ。大義名分言っても戦争とはこんなくだらないものなのだ・・・という反戦メッセージは裏読みしすぎ? でもそう感じることで、(声はスカンとしてとてもいいけど)英雄らしくない、おバカな感じのラダメス:ヤン・ヴァチックが適役に思えました。歌唱的にはいろいろ文句ありますが。 2幕で反戦アピールして、3幕4幕はひたすら愛。東京の夜景に手をつないで消えていくラダメスとアイーダの後ろからアムネリスがpaceパーチェと歌うのは、すごいイイ発想だなぁと感じました。 まあ当然感じ方は人それぞれ、でも、たぶん多くの方は何かしらのメッセージは感じたのでは? 歌手はアイーダのキャサリン・ネーグルスタッドとアムネリスのイルディコ・セーニがテクニックといいアピールといいすばらしかつた。とくにネーグルスタッドは噂どおりのドラマ性とそれを引き立てるピアニシモの美しさが際立っていた。ちょっとビブラート気味のふくよかな声が、揺れる気持ちと愛の確信を見事に表していた。セーニは王女らしさの圧巻です。 低音人が非常によかったことが今回の演出をサポートした要因と思います、特にアモナスロのヤチェック・シュトラウホがよかったです。 忙しくてずっとイライラしてました。メッセージを感じて、気持ちが少し穏やかになった感じです。 指揮 ヴォルフガング・ボージチ 王 コンスタンティン・スフィリス アムネリス イルディコ・セーニ アイーダ キャサリン・ネーグルスタッド ラダメス ヤン・ヴァチック ラムフィス ダニロ・リゴザ アモナスロ ヤチェック・シュトラウホ 巫女 ウルリケ・ピヒラー=シュテフェン 東京都交響楽団、東京オペラシンガーズ、栗友会合唱団 平成20年4月19日 Bunkamuraオーチャードホールにて お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年04月19日 20時15分05秒
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