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カテゴリ:オペラ ライブ
「ああよかった!」という幸福観に満たされての終演、これがフィデリオなんですね!
とくに、2幕の地下牢のシーン、フロレスタンのソロから、レオノーレ、ロッコ、ピツァロを交えての四重唱の、怒濤のような迫力は、すさまじかったです。ここで登場のフロレスタン役ディーン=スミスのなんと心に染み入る歌か!レオノーレ役ヴォイトも爆発、ピツァロに立ち向かう迫力は半端じゃなかった。 そしてこれに続く、レオノーレ序曲第三番。小澤すばらしい!に尽きます。フロレスタンとレオノーレの再会というドラマティックの余韻を残しながら、心の底から沸き上がる希望をたくみに表現し、充足感を高めていく。小澤の音楽の真骨頂ですね。音楽に接して、その音楽から満たされた感じを受けるなんて、ひさびさでした。 ロッコのヴァルター・フィンクがとてもいい声でした。そして、フェルナンドのアレクサンドル・モイシュクは、一番最後にちょっと出てくるだけなのに、まさに悪を罰するという堂々たる正義のバリトン・バスの歌いで、存在感ありました。インパクトすばらしかったです。 なんだかんだいろいろ言われてもやっぱ小澤の音楽は心に響きます。このフィデリオで、フィデリオ自体に対してだけでなく、小澤のオペラへの見方もかわりました。 終わってサッサと引き上げず、今日の楽団員一人一人をねぎらい握手する小澤征爾が、印象的でした。 指揮 小澤征爾 演出 オットー・シェンク フロレスタン ロバート・ディーン=スミス レオノーレ デボラ・ヴォイト ドン・フェルナンド アレクサンドル・モイシュク ドン・ピツァロ アルベルト・ドーメン ロッコ ヴァルター・フィンク マルツェリーネ イルディコ・ライモンディ ヤキーノ ペーター・イェロシッツ ウィーン国立歌劇場管弦楽団・合唱団 平成20年11月1日 神奈川県民ホール お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年11月01日 21時51分32秒
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