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カテゴリ:オペラ ライブ
タイトルロールのマトスが本当にすばらしかった!彼女がいたからこそ成功したのでしょう、マトスに圧倒された舞台でした。
マトスは1幕登場から惹き付けます。 このジョコンダ役は、ドラマティックな表現不可欠ながら、単に感情を爆発させるのではなく、恋敵を助けて自分の恋人と逃がすために策謀したり、そのため相手のいるところに乗り込んだりと、冷静、理性的、行動的な面を持っていると思います。大きな人間表現が必要で、かなりの難役と感じましたが、マトス見事です。 しかも彼女、高音から中音まで本当にムラなくきれいに響くんですよね~。途切れたり弱くなったりしない、しかも地声になっても高音歌うときとほとんど変わりなく響くんですよね、すばらしいドラマティコです。 4幕の有名なアリア「自殺」は拍手鳴り止みませんでした。 私が一番ぞくぞくきたのは、2幕の恋敵ラウル(エレナ・カッシアン)との二重唱「わたしはそこで待っていた」です! 一歩も引かないバトル、しかしラウルが自分の母の恩人と気付き、逃がすジョコンダ、迫力満点です。 カッシアンは前にアドリアーナ・ルクヴルールのブイヨン公爵夫人を聞いて、そのときもヴィッラロエル(ソプラノ)演じるタイトルロール・ルクヴルールとのやりあいが一番印象のこってます。 マトスは4幕フイナーレの堀口康雄さん演じるバルナバとのやりとりも迫力ありました。 堀口さん、今日はいつもに増して好調、特に苦々しい悪役場面満載のところが、非常によかったです。 このジョコンダは、イタリア語オペラながらグランドオペラで作られて、3幕に「時の踊り」というバレエシーンがあります。男女一組と女性6人が踊るのですが、これが付け合わせ的な振りではなく、クラシックのコールドからパ・ドゥ・トゥのような感じで、非常に良かった! 「時の踊り」の音楽は、よく昼のラジオの情報コーナーのバックに流れているもので、確かアレンジして「レモンのキッス」というポップスにもなってます。(その昔、ザ・ピーナッツとかが歌ってます) 今回結構見入りました、良かったです! 指揮の菊池さん、このオペラが大好きだそうです。 派手さはないですが、ヴェリズモオペラだけどドイツっぽいドラマティックな感じにしてしまうということなく、重苦しくなく、非常にうまくまとめていたと思います。オケも信頼できる響きで、バックアップとかうまいなあと感じました。 演目内で一番有名な、テノールアリア「空と海」、チョン・イグンは全体的にはまあまあのできですが、この歌に関してはちょっと堅すぎ。パヴァロッティがよく歌っていて、それと比べるつもりないですが、もっと自由におおらかに歌ってほしかったなぁと思います。 ポンキエッリの、日本ではなかなか上演されない演目(ドラマティコが6人必要なんですからしかたないですが)、とても有意義な鑑賞でした。 指揮 菊池彦典 演出 岩田達宗 ジョコンダ エリザベート・マトス(ソプラノ) エンツォ チョン・イグン(テノール) バルナバ 堀内康雄(バリトン) ラウラ エレナ・カッシアン(メゾ・ソプラノ) アルヴィーゼ 彭 康亮(バス) チェーカ 鳥木弥生(メゾ・ソプラノ/アルト) ヅアーネ 坂本伸司 イゼーポ 納谷善郎 聖歌隊員 小田桐貴樹 水先案内人 水野洋助 藤原歌劇団合唱部 多摩ファミリーシンガーズ スターダンサーズ・バレエ団 東京フィルハーモニー交響楽団 平成21年1月31日、東京文化会館にて お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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