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カテゴリ:オペラ ライブ
ハンガリー出身ジェルジ・リゲティの1977年の作品、日本初演だそうです。
そうそうたる実力者揃いのキャストに、いったいどんなの?と期待大! これ演奏する・歌う方にとって、相当難しいですね~!あれだけのメンバーを集めたのわかります! そしてパリ・オペラ座張りのモダン・オペラの成功に大拍手!! 〈あらすじ〉 架空の国ブリューゲルランドが舞台。大酒呑みのピートと占星術師アストラダモルスの前に、悪魔ネクロツァールが現れ、世界の終末を告げにいく。統治者ゴーゴー侯はいい加減な政治家、白大臣と黒大臣の言いなり。ネクロツァールたちは最後の審判を下すべくラッパとともに現われるが、勧められるままに大酒喰らい、酔いつぶれて宣告できない。ついに時間切れで、彼は眠りこけ、世界は何事もなかったかのように夜明けを迎える。 いかにも70年代のシラケとサイケの時代のテーマっぽいです。 そこに、演出の藤田さんは、特に字幕に、現代風刺折り込んだ意訳スパイス取り入れ、古くさい感じにしなかったと思います。 でもやっぱ指揮のウリ・セガルの、重たすぎず、後半進むほど軽妙洒脱な雰囲気にした(そして、コントみたいな終焉なのにお笑いライプみたいな軽いノリにしなかった)手腕はやっぱさすがです。 それにしても、コロラトゥーラだらけのゲポポを歌い切った森川さん、お見事としか言えない! そしてなんといってもネクロツァールを見事に歌い切った松本さんすばらしかったです。世紀末演出に失敗しちゃった悪魔の、ちょっと間抜けな感じと重々しさのバランスおみごと、もちろん声は長いフレーズもずっと響いてましたし、肉体負担相当なものだろうに歌い切ったのは本当にすばらしいです。 歌手の方みなさん、個性と実力を存分に発揮され、聞き応えありました! ネクロツァールが霊柩車のボンネットに乗って登場はナンセンス通り越して笑ってしまった! 現代に置き換えて、完璧世相風刺とかにすれば、すごい斬新なモダンオペラになりますね。 海外の劇場ではなく、日本の劇場がこういった演目を、しかも実力者集めてきちんとやったということがすばらしいですね。 二日だけの演目、もったいない! 作曲 ジェルジ・リゲティ ドイツ語上演 指揮 ウリ・セガル 演出 藤田康城 ヴィーナス、ゲポポ(秘密政治警察官) 森川栄子 アマンダ 津山恵 アマンド 小畑朱実 メスカリーナ 西川裕子 ゴーゴー侯(ブリューゲルランドの子供っぽい王) 池田弦 大酒呑みのピート 高橋淳 白大臣 青地英幸 黒大臣 和田ひでき ネクロツァール(世界の終末を告知する悪魔) 松本進 アストラダモルス(宮廷占星術師) 若林勉 ルフィアック(兵士) 小畑秀樹 ショビアック(兵士) 大澤恒夫 シャーバナック(兵士) 中原和人 平成21年2月7日 新国立劇場中劇場 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年02月07日 22時05分01秒
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