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カテゴリ:オペラ CD・DVD・他
アンナ・ネトレプコのルチア、彼女とのコンビで人気のロランド・ヴィリャソンが直前に病気降板して、代わりに同時期のエフゲニー・オネーギンのレンスキー役で出演のピョートル・ベチャワがエドガルドで出演、案内役がナタリー・デセイと相変わらず豪華!
そしてピョートル・ベチャワが噂どおりすばらしいエドガルドでした。 ところで、ピョートル・ベチャワを、ナタリー・デセイは、日本でよく表記されるベチャーラとかベチャーワでなく、はっきりと「ベチャワ」と短く発音してました。 彼を過去何回か来日で聞いたときは、泣きがはいって、勢いだけで一本調子ぽく、まだまだ修行中の印象でしたが、今回は抑えが効くようになって、表現力の深みがましてます。少しダイエットしたみたいで、見た目も端正になり、最後の墓場での自決などすさまじい迫力、すばらしいエドガルドでした。 ネトレプコは出産後の復帰オペラ、なんかすごく気持ちにゆとりというか、やさしさが加わった感じがします。 それゆえ、狂乱の場は、正気を失ったというより、少女の頃の無垢な時に戻ってしまったという印象を受けました。 自分の意志というものを持つことを許されなかった深窓の令嬢が、エドガルドを愛し、兄の設定する結婚に嫌々同意したが、結婚式の日に花婿を殺してしまうことで初めて自分の意志を持ち、しかし今までとのギャップに幼い頃の無垢な自分に後退することでバランス取ろうとするが、結局耐え切れず死んでしまう・・・という、意味合いを私は感じました。 笑顔が暖かい分、悲惨に感じる狂乱だったと思います。 シャープなイメージの狂乱の期待には今一つでしたでしょうが、これから突き詰めていくことで、期待できると思います。 エンリーコのマリゥーシュ・グヴィエチェンが、家のために妹ルチアを政略結婚させようとの策略ぶりと迫力がすさまじかったです。 ライモンドのイルダール・アブドラザコフを初めて聞きましたが、とてもイイ声の素敵なバスでした、拍手も多かったですね! デセイのインタビューで、ベチャワとクヴィエチェンがそれぞれ故国ポーランドへポーランド語でメッセージしたのが印象的。 しかし歌手の皆さん、母国語があって、オペラの言語があって、インタビューは英語と、語学能力すばらしいですよね。 ベチャワに対しデセイが「ロシア語のエフゲニー・オネーギンから間二日でイタリア語のオペラにどう切り替えるの?」と聞いたら、自分は短時間でうまくできると答えていましたが、このあたりも才能なんでしょうね。 堪能できたけど・・・やっぱAV機器通した音、微妙な歌いは本当はどうだったのか、生で聞きたい欲求はあります! しかし、2月7日の話題の公演がもう全世界配信で、しかも日本語字幕つきで見られるのですから、AV機器通した声であっても、やっぱ、お手軽感には驚嘆せずにはいられません。 次の配信、ナタリー・デセイとファン・ディエゴ・フローレスの「夢遊病の娘」を間で宣伝してました、これはもう見たいですね!また楽しみです。 <METライブビューイング> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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