ワーグナー的なバロックという、なにか不思議に融合した感じの公演でした。
クラウディオ・モンテヴェルディ 作曲
ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ 編曲
指揮 高関 健
歌手はウリッセの大沼さんがピカイチでした。張りのある、それでいて艶のある声が、迫力と情感のどちらも訴えかけて来ます。
ミネルヴァの大西さんもよかった!特に一幕は絶好調な感じでした。
羊飼いエウメーテの小林さんも、テノールなのに一歩下がる難しい役回りを、とても的確にうまく表現し歌っていたと思います。
ウリッセの乳母エリクレア役の吉田さんも、最後フィナーレのドラマティックの展開の引き金となる短いけどポイントある役がとても印象に残ってます、主役級に次ぐ拍手をもらってました。
変わった楽器の音色がしていました。
アコースティックギター、エレキギター、アコーディオン、マンドリン、バンジョー、タンバリンが、クラシック楽器にエキゾチックさを与えてくれます。
オケボックス両サイドにはパーカッションスペースがあり、木琴、鉄筋、ティンパニー、ドラが並んでます。
普通に演奏すると、今の時代ではとても単調な流れになってしまう演目なのでしょうから、時代にあった工夫だと思います。
これらの楽器の多くが、同スペース内のミキサーで調整されていたんですよね~。そのため、オケボックスとは違う場所(スピーカー)からけっこう大きい音量が聞こえるのは、1300人くらいの小規模ホールだけに少し違和感ありました。また、パーカッションならではの低音が、スピーカー通して、「ズン、ズン」と聞こえてくるのも、私は正直かなり気になってしまいました。
もっと大きな会場なら、こういったことはあまり違和感ないのでしょうね。でも広すぎるとバロックとか演奏するには難が出てくるのでしょうし・・
この辺は次回期待します。
天界の王神ジョーヴェ 菅野 敦
海神ネットゥーノ 畠山 茂
女神ミネルヴァ 大西ゆか
ジョーヴェの妻ジュノーネ 三本久美子
トロイ戦争の英雄ウリッセ 大沼 徹
ウリッセの貞節な妻ペネロペ 杣友恵子
ウリッセの息子テレーマコ 宮本英一郎
アンティノオ(ペネロペの求婚者) 菅原浩史
ピザンドロ(ペネロペの求婚者) 櫻井 淳
アンフィノモ(ペネロペの求婚者) 園山正孝
メラント(ペネロペの侍女) 醍醐園佳
エウリマコ(メラントの愛人) 西岡慎介
ウリッセの羊飼いエウメーテ 小林大作
求婚者たちの従者イーロ 塚田裕之
ウリッセの乳母エリクレア 吉田理絵
人間のはかなさ 彌勒忠史
時 金子 宏
運命 嘉田真木子
愛 村田ゆう
演出 高岸未朝
東京交響楽団
平成21年6月6日 北とぴあ さくらホール にて