たくＨＡＵＳＥＳ

期待どおりでした。歌手がこれだけ揃ったからこその充実感あふれてます！

ソロがみんなすばらしいです。

姉役の幸田さん清水さん、意地悪でありながらとぼけた感じがとてもよかったです。

今日の一番の発見は、アリドーロってこんなにいいんだ！ということを認識できたこと。

グロイスベックがカサロヴァのアンジェリーナに歌い掛け舞踏会へ誘(いざな)うアリアは、とても説得力があり、それでいて説教臭さや暗さがなく、本当に人生を導いてくれる感動がありました。

わたし、アリドーロがいいと思えたのは実は初めてで、真の姿を実感できた感じで、とてもうれしいです。

ダンディーニのデ・カンディアは、王子の身代わりで調子付いている感じが、笑いを誘い、まさに適役です。

マニフィコのデ・シモーネは、切羽詰まった感じのおかしさがとてもいいですね！

そして、シラグーザはまさに期待どおり！！

絹の糸のように、小音量でも長く、かつビロードのようにやわらかく響き渡る歌声は変わらずです。本当に酔いしれました。

二幕のアリア、ラスト、オケが終わるまで一緒に響き渡ったハイC、あれだけやわらかく歌いあげて、それでいて力強い決意を感じる！もう、最高です！

そしてカサロヴァ。少しスピードが落ちてしまいますが、でもそれをうまく感情表現にしていたと思います。アジリタは相変わらず見事。

彼女のアンジェリーナは、先週メットライブビューイングで見たガランシャのような、王妃予備軍の上流階級が、したたかにチャンス狙い、掴み取ったという感じはしません。
セレブ内で勝ち上がったという感じがほとんどないため、町娘っぽいと評されることもあるようです。
でも自分の気持ちに正直に、従者になりすましていた王子に惹かれ、そして愛する人と結婚できて、純粋に幸せと感じる、そんなあたりまえのことをとても幸せに歌いかけることにとても感銘します。

本当に、みんなが純粋に「よかった、よかった！」と感じる出来事です。それだからこそ、フィナーレのロンドアリアを聞いてる見てる方も、満たされた気分になれるのだと思います。

ウェディングドレスのカサロヴァは、頭が上下せず滑るようにスーッと歩き、本当にお姫さまでした。

今日の席は三階左翼の一列目という、舞台はちょっと見にくいけど、オケピットのほとんど横で、舞台の生の声の波動をビンビンに感じ、進むにつれての熱を直接味わいました。
プロンプターの手の指示も見えます。重唱では、ソリストも合唱も、みんなプロンプター凝視でタイミング間違わないようにしているんですね～
なかなか経験できないポジションでの観覧で、ますます演奏者の思い入れを感じることができました。

今回は奮発、あと二回聞きに行きます。感動を味わいたいです。

指揮  デイヴィッド・サイラス
演出  ジャン＝ピエール・ボネル

再演演出  グリシャ・アサガロフ

ドン・ラミーロ  アントニーノ・シラグーザ
ダンディーニ  ロベルト・デ・カンディア
ドン・マニフィコ  ブルーノ・デ・シモーネ
アンジェリーナ  ヴェッセリーナ・カサロヴァ
アリドーロ  ギュンター・グロイスベック
クロリンダ  幸田浩子
ティーズベ  清水華澄

新国立劇場合唱団
東京フィルハーモニー交響楽団

平成21年6月7日 新国立劇場オペラハウスにて