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2009年06月21日
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カテゴリ:オペラ ライブ

流れるようなドラマティック展開に、聞き入ってしまいました。

やっぱガルージンすごいです!荒れてなんかいません。

特に3幕の『3枚のカード』の秘密を知ってから賭博場、フィナーレと続く狂喜の場面は、3階後方の私の席までビンビンと声波が響いてきます。
字幕を見なくとも、感情を伝えるのはもちろん、表情まで感じさせてくれます。大満足です。

 

今日は、2幕1場のエカテリーナ女帝讃歌で30分休憩という変則構成でしたが、舞台中程の高さに設置された渡り橋をメインに、ほとんどセットが変わらない現代演劇のような演出には、このほうがプッツリせず、よかったと思います。

フォーキンの演出は、ライトと影がうまく緊張感や表情を出して、舞台にもノメり込みました。


でも、やっぱ音楽のすばらしさが今日の感動の一番の要因です。


プレトニョフの指揮は、大げさな表現にせず、またやたらテンポ変えたりせず、それでいて退屈しない緊張感ある(でも疲れない!)非常にすばらしい音運びでした。

また、オケが絶妙!!特に金管が鳴りすぎずかつ自己主張するという、非常に絶妙な響きで、物語の流れにいっそう効果的でした。

 


歌手はみなレベル高いですね~

リーザのポポフスカヤは、純真な愛に生きるという繊細さだしながら迫力のドラマティコでした。

ラデュークは、今回一押しのようにいろいろな(主催元発行の)媒体でアピールされてます。リーザへの愛を延々と語る(歌う)場面は、とても真面目で真摯な人物像を感じました。声はとにかくいいです。この演目は、メインながらあまり歌う場が少ないのですが、今日の印象は、もっと性格づけ・表情づけができてくると、すごいいいだろうなあという感じです。
このあとのエフゲニー・オネーギンにもでるんですよね、感想チェックしたいです。


オブラスツォーワの伯爵夫人はすごすぎです。
ヨボヨボという本来の設定が、カクシャクとしているというように変更になってます、当然!
伯爵夫人はかつてフランスの宮廷では「モスクワのヴィーナス」と呼ばれ、そして「3枚のカード」の秘密を知るゆえ「スペードの女王」の異名を持つ。過去の栄華と妖しさとを併せ持つ老夫人を見事に歌い、表現してます。
存在感の大きさはさすがとしかいいようない、それでいて主役を喰わないんですから、すばらしいです。


残念なのは、日曜であるにもかかわらず、3階席でも空席多なこと。
かなりイイ公演だったのですか、やっぱロシアは日本ではマイナーなんでしょうか?でもイタリアのマイナー田舎劇場より(キツい表現スイマセン)、オケも合唱も演出も、ズ~~~~~~~ッと聞き応え&見応えあります。

土がチェネレントラと重なったというのはあるけど、メインを平日公演のみのエフゲニーにおいた広告戦略は、観客を集めにくいこの時期に、それでよかったの?と思います。順番としてエフゲニーの方があとなんですから、スペードがよければ、平日行ける人はそのあと買うでしょ?
それに、いくら「イイ」S席は売れているとはいえ、直前半額はやっぱリピーター減らしますよね。
私は、好き勝手なこと言いながら、広告代理店のノウハウ全くないんで、無責任は承知ですが、でもこれだけのハイレベル公演をもっとアピールして、いろいろな方に聞いてほしいです。

 


指揮  ミハイル・プレトニョフ
演出  ワレリー・フォーキン

ボリショイ劇場管弦楽団・合唱団

ゲルマン  ウラディーミル・ガルージン
トムスキー伯爵  ボリス・スタツェンコ
エレツキー公爵  ワシリー・ラデューク
伯爵夫人  エレーナ・オブラスツォーワ
リーザ  エレーナ・ポポフスカヤ
ポリーナ  アンナ・ヴィクトロワ
マーシャ  アンナ・アグラトワ
チェカリンスキー  ヴャチェスラフ・ヴォイナロフスキー
スーリン  ヴャチェスラフ・ポチャプスキー
ナルーモフ  ニコライ・カザンスキー
チャプリツキー  ユーリー・マルケロフ
家庭教師  エフゲニア・セゲニュク
式典長  セルゲイ・オルロフ
ミロヴゾール(劇中劇のダフニス)  アンナ・ヴィクトロワ
ズラトゴール(劇中劇のプルートー)  ボリス・スタツェンコ
プリレーパ(劇中劇のクロエ)   アンナ・アグラトワ

平成21年6月21日  NHKホールにて






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Last updated  2009年06月21日 20時35分39秒
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