チェコ共和国北東、ポーランドと国境を接するシレジア地方の都市オパヴァからの音楽。幕が進むにしたがってドラマティックに盛り上がっていきました。
公演案内
やっばダリボル役ミハル・パヴェル・ヴォイタがすばらしかったです。
明るく、ときどき泣きの入るテノールが、民衆にカリスマ的人気持ちかつ本来は彼に復讐したかったミラダが一目で恋に落ちる悲劇の英雄役にハマッていました、本当にかっこよかった。
マンリーコもレパートリーだそうで、想像しただけでわくわくします。
1幕は物語のイントロダクション的な説明が多かったのですか、2幕はソロ・アリアもはいり、聞かせどころ続きます。
看守ベネシ役のペトゥル・ショーシの実直な役どころが見事に表現されたソロに、私はとても感銘しました。結構高めの声で、バリトンだと思っていたら、3幕では見事な低音響かせていてバスなんですね、音域の広さにもびっくりです。
2幕の盛り上がりを引き継いで、3幕クライマックスへ続きます。
3幕は、ダリボルが脱獄してくるのを待つ感情の高まり、そして脱獄に失敗したと見て男の騎士の先頭に立って討ち入る勇ましさ、最後瀕死でダリボルに愛を語りながら死ぬはかなさと、ミラダの見せ場です。
これだけいろいろな感情の移り変りを表現する難役です。今回当初発表からチェンジになったテレザ・スルプスカーが(少々中音域に不満ありましたが)ドラマティックに聞かせてくれました。
ダリボルって、本当に民族に訴えかける英雄ですね。ドラスティックな表現でこそ映える演目、本当にどんどんのめり込みました。
配られたプログラムにあらすじだけでなく、対訳字幕も掲載されていて、すごく理解に役立ちました。
ただ実際の字幕、カーテン上部へ写されていたのですが、ライト調整不足で非常に見にくかった。それが残念。
でも、日本初演に大感謝です。カーテンコールも感動と感謝で鳴り止みませんでした。
オパヴァ シレジア劇場管弦楽団
音楽総監督・指揮 ヤン・スニーチル
日本公演演出 ヨゼフ・ノヴァーク
ダリボル(騎士) ミハル・パヴェル・ヴォイタ
ミラダ(プロシコヴィツェ城主の妹) テレザ・スルプスカー
ヴラヂスラフ(ボヘミア王) アンドレ・シクルハン
プヂヴォイ(近衛隊長) ズデニェック・カプル
ベネシ(看守) ペトゥル・ショーシ
ヴィーテック(ダリボルの使節) アレクサンドル・ウォフク
イィトゥカ(ダリボルの領地に住む農民の娘) オルガ・プロハースコヴァー
裁判官、兵士、ダリボルの使節たちと従僕たち、民衆 イィトゥカ・ハヴルラントヴアー、ロマン・ツィンバル、アンドレア・プラフカー、ヤン・ベドゥナーシ、ロゼン・ディミトロフ・ゲオルギエフ、ヴァーツラフ・マレック
ミラダ役は当初のカタリーナ・ヴォフコヴァー病気降板により配役変更
カナ表記はプログラム記載に従いました
平成21年10月25日 所沢市民文化センター ミューズ マーキーホールにて