レイチェル・ニコルズの魔女アルミーダがよかった!
今日最大の聞きどころは、やっぱ2幕フィナーレのアルミーダとチェンバロのやり合いです。
激しく怒りをぶつけるアルミーダ。その合間で長大なヴァリエーションを聞かせるチェンバロ。息を呑んでバトルに聞き入ってしまいました!!醍醐味です!
今日はメゾがいなくて、カウンターテナーが四人もいるんですよね~ドスの利いたメゾのズボン役の方が映える場合もありますが、今回のメンバーは低音域で響かなくなることもなく、バロックの透明感を出して成功と思います。
タイトルロールのティム・ミードは、まさに繊細さと勇ましさを併せ持つカウンターテナーで、非常に聞きごたえありました。
萩原潤さんは、1幕トランペットに飾られてのカッコいい登場アリアでインパクトにやられてしまった!
存在感出してすばらしい低音響かせてくれました。
アルミーダ役・レイチェル・ニコルズとのカップルのやりとりもホント楽しかったです。
でもやっぱ今日の主役はレイチェル・ニコルズです。尊大さをアピールしながら、リナルドへの恋の悩みや、アルガンテとのコミカルな痴話喧嘩とか、表情がたくさんで、彼女の場面はワクワクしてました。
森麻季さんは有名な「わたしを泣かせてください」では拍手もらってましたが、私は3幕の「至難の愛を享受すれば」の方が感情の訴えがよかったように感じます。
鈴木雅明さんがいるからこそ、日本でこうしたバロックが堪能できるんですよね、感謝です。
ヘンデル:歌劇《リナルド》HWV7a [演奏会形式]
(1711年版/全3幕/イタリア語上演・日本語字幕付)
指揮:鈴木雅明
管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
リナルド:ティム・ミード(カウンターテナー)
アルミレーナ:森麻季(ソプラノ)
アルミーダ:レイチェル・ニコルズ(ソプラノ)
アルガンテ:萩原潤(バリトン)
ゴッフレード:クリストファー・ラウリー(カウンターテナー)
ユスタチオ:ダミアン・ギヨン(カウンターテナー)
マーゴ・クリスティアーノ:上杉清仁(カウンターテナー)
シレーナ1:松井亜希(ソプラノ)
シレーナ2:澤江衣里(ソプラノ)
アラルド:中嶋克彦(テノール)
平成21年12月6日 東京オペラシティコンサートホールにて