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taqk@ Re:リゴレット(09/15) Sheva-さん ヌッチ、良く今回も歌いに来て…
Sheva-@ リゴレット 楽日だったんですね。いや~すごかったん…
taqk@ Re:イギリスっぽく(09/08) Shevaさん 無粋な拍手と通路挟んだ夫婦の…
Sheva@ イギリスっぽく お疲れさまです!イギリスっぽく感じたの…
taqk@ Re:お疲れ様です!(10/28) Sheva-さん よかったですね~~~~~~ …

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2010年09月12日
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カテゴリ:オペラ ライブ

大波乱の椿姫初日!アンジェラ・ゲオルギューの代役キャストのエルモネラ・ヤオが1幕で降板してしまい、2幕からホントのツアー代役、アイリーン・ペレスが歌ったのです!

 

冒頭、ROHオペラディレクターのエレイン・パドモア女史から、ゲオルギュー降板とヤオ起用の説明がありました。

1幕、なんかいやにハイテンションだなぁ、これがヤオの持味?と思ってましたが、「花から花へ」のアジリタで高音となる部分を抜かして歌うように聞こえました。もちろん最後に3点Es出しませんし、ここは出さない人もいるから、私は超高音が苦手ってことかなぁ、まあ2幕以降期待かなぁ、なんて気楽に考えてました。

 

そしたら2幕冒頭またもやパドモア女史が「みなさんもまさか私がまた出てくるとは想像されていなかったでしょう」と現れ、「気付かれた方もいらっしゃると思いますが、ヤオはアレルギー疾患で声が出なくなってしまいした。」と説明始め、会場えぇ~っ!と騒然。代役キャストとしてツアー参加しているアイリーン・ペレスが2幕から歌います、彼女は今大急ぎで衣装をつけています、にはもう観客全員笑うしかないという感じでした。


いくら代役確保していたとはいえ、こんな急遽でいったいどんなことになるやら、しかも2幕にはキーンリサイドのジョルジョとの、最大見せ場があるのに・・・

 

全く杞憂でした。


ペレスはキーンリサイドに張り合うどころか、勢いで喰っちゃってる感じでした!

彼女はドン・ジョバンニのツェルリーナや、グノーのロメオとジュリエットのジュリエットを歌ってるそうで、非常に明るく響き渡る声質。そして強弱使い分けの感情表現が的確で聞き入ってしまい、特に芯のあるようなピアニシモがすばらしい。

ジョルジョに言われ、愛を諦めなければならない葛藤と決意がビシビシ伝わってきます。

「芯を感じるピアニシモ」というのも変な言い方ですが、単に弱音で歌うのではなく、意志の強さというものを感じて、まさにヴィオレッタの性格にぴったりの表現でした。


3幕も絶望から喜び、そしてハイになって突然死ぬという感情の移り変りが見事です。


カーテンコールでは観客全員から一番の大拍手もらってました。今日はひいき目があったとしても、感動与える舞台でなければこんな拍手は起きないはずです。何度も1人で呼ばれて答え、大役を果たした感動に涙ぐんでいるようでした。


影が薄くなった感のキーンリサイド。ショルテイ指揮でゲオルギューが歌っている同演出DVDでも、ジョルジョ役レオ・ヌッチは意外なほど目立たなかった印象があります。もともとそういう演出なのだと思います。
厳格さをだし、ヴィオレッタへの慈愛はまったく出てきません。
しかしかといって尊大さのかたまりではない。自分の属している階級の規範に忠実に従っているだけ、ヴィオレッタは階級外の人だから感情表現の対象外。ヴィオレッタに哀れみを表さないことが、かえってヴィオレッタの人間性を尊重し敬意払うことになるのではと感じました。

キーンリサイドならではの微妙な役どころを表していたと思います。

 

アルフレードのジェームス・ヴァレンティは身長高いイケメンだけど、とてもやさしい歌い方だから、今回の男声陣目立たない演出には合致していたのでは?

 

こんな大波乱の舞台をきちんと仕切ったパッパーノはすばらしい。
正直、ちょっとテンポ早いと感じるところはありましたが、とくにヴィオレッタの感情起伏にあわせたオケの強弱やテンポ指示の敵格差は、見事です。


リチャード・エアの演出は、ヴィオレッタの比重が非常に高いと感じます。ヴィオレッタがきちんと歌える歌手が必要となるわけで、アイリーン・ペレスはそれに見事に答えていました。

テクニックだけでなく、訴えかけるパワーがすばらしいし、なによりステージ度胸素晴らしい、こういう経験踏んでスターになっていくんでしょうね。

 

ロイヤルオペラハウスの底力とマネジメント力を感じた貴重な経験でした。もちろん舞台も大満足です。

 


指揮:アントニオ・パッパーノ

演出:リチャード・エア

アソシエイト・ディレクター:ポール・ヒギンズ

美術:ボブ・クローリー

照明:ジーン・カルマン

振付:ジェーン・ギブソン
-----------------------

ヴィオレッタ・ヴァレリー:エルモネラ・ヤオ(1幕で降板)→アイリーン・ペレス

フローラ・ベルヴォワ:カイ・リューテル

ドビニー侯爵:リン・チャンガン

ドゥフォール男爵:エイドリアン・クラーク

医師グランヴィル:リチャード・ウィーゴールド

ガストン子爵:パク・ジミン

アルフレード・ジェルモン:ジェームズ・ヴァレンティ

アンニーナ:サラ・プリング

ジュゼッペ:二-ル・ギレスピー

ジョルジョ・ジェルモン:サイモン・キーンリサイド

使いの男:シャルベル・マター

フローラの召使い:ジョナサン・コード

ロイヤル・オペラ合唱団 / ロイヤル・オペラハウス管弦楽団

◆上演時間◆

第1幕:15:00 - 15:40
休憩 30分
第2幕(場面転換あり):16:10 - 17:20
休憩 25分
第3幕:17:45 - 18:20


平成22年9月12日 神奈川県民ホールにて
ロイヤル1.jpgロイヤル2.jpg






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Last updated  2010年09月12日 22時50分02秒
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