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カテゴリ:オペラ ライブ
大波乱の椿姫初日!アンジェラ・ゲオルギューの代役キャストのエルモネラ・ヤオが1幕で降板してしまい、2幕からホントのツアー代役、アイリーン・ペレスが歌ったのです!
冒頭、ROHオペラディレクターのエレイン・パドモア女史から、ゲオルギュー降板とヤオ起用の説明がありました。 1幕、なんかいやにハイテンションだなぁ、これがヤオの持味?と思ってましたが、「花から花へ」のアジリタで高音となる部分を抜かして歌うように聞こえました。もちろん最後に3点Es出しませんし、ここは出さない人もいるから、私は超高音が苦手ってことかなぁ、まあ2幕以降期待かなぁ、なんて気楽に考えてました。
そしたら2幕冒頭またもやパドモア女史が「みなさんもまさか私がまた出てくるとは想像されていなかったでしょう」と現れ、「気付かれた方もいらっしゃると思いますが、ヤオはアレルギー疾患で声が出なくなってしまいした。」と説明始め、会場えぇ~っ!と騒然。代役キャストとしてツアー参加しているアイリーン・ペレスが2幕から歌います、彼女は今大急ぎで衣装をつけています、にはもう観客全員笑うしかないという感じでした。
全く杞憂でした。
彼女はドン・ジョバンニのツェルリーナや、グノーのロメオとジュリエットのジュリエットを歌ってるそうで、非常に明るく響き渡る声質。そして強弱使い分けの感情表現が的確で聞き入ってしまい、特に芯のあるようなピアニシモがすばらしい。 ジョルジョに言われ、愛を諦めなければならない葛藤と決意がビシビシ伝わってきます。 「芯を感じるピアニシモ」というのも変な言い方ですが、単に弱音で歌うのではなく、意志の強さというものを感じて、まさにヴィオレッタの性格にぴったりの表現でした。
キーンリサイドならではの微妙な役どころを表していたと思います。
アルフレードのジェームス・ヴァレンティは身長高いイケメンだけど、とてもやさしい歌い方だから、今回の男声陣目立たない演出には合致していたのでは?
こんな大波乱の舞台をきちんと仕切ったパッパーノはすばらしい。
テクニックだけでなく、訴えかけるパワーがすばらしいし、なによりステージ度胸素晴らしい、こういう経験踏んでスターになっていくんでしょうね。
ロイヤルオペラハウスの底力とマネジメント力を感じた貴重な経験でした。もちろん舞台も大満足です。
演出:リチャード・エア アソシエイト・ディレクター:ポール・ヒギンズ 美術:ボブ・クローリー 照明:ジーン・カルマン 振付:ジェーン・ギブソン ヴィオレッタ・ヴァレリー:エルモネラ・ヤオ(1幕で降板)→アイリーン・ペレス フローラ・ベルヴォワ:カイ・リューテル ドビニー侯爵:リン・チャンガン ドゥフォール男爵:エイドリアン・クラーク 医師グランヴィル:リチャード・ウィーゴールド ガストン子爵:パク・ジミン アルフレード・ジェルモン:ジェームズ・ヴァレンティ アンニーナ:サラ・プリング ジュゼッペ:二-ル・ギレスピー ジョルジョ・ジェルモン:サイモン・キーンリサイド 使いの男:シャルベル・マター フローラの召使い:ジョナサン・コード ロイヤル・オペラ合唱団 / ロイヤル・オペラハウス管弦楽団 ◆上演時間◆ 第1幕:15:00 - 15:40
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