12月の読書メーター
昨日の朝刊に芥川賞と直木賞の候補作品が出ていたのですが、今年は辻村深月さんがノミネートされてて、「おー、早いのでは?」なんて思ったのですが、 ・池井戸潤「鉄の骨」(講談社) ・佐々木譲「廃墟に乞う」(文藝春秋) ・白石一文「ほかならぬ人へ」(祥伝社) ・辻村深月「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」(講談社) ・葉室 麟「花や散るらん」(文藝春秋) ・道尾秀介「球体の蛇」(角川書店) 辻村さんの名前の後に注意マークがあって、「本当の『辻』という字は『にてんしんにょう』です」とありました。そうだったのですね。結構読んだつもりでしたけど、全く気付かずでした。私としては、先月ちょうど読んだ葉室さん「花や散るらん」を応援しています。辻村さんもとっていただきたいのですが、辻村さんが今回とったら、葉室さんの受賞がずーっと先になってしまいそうな気がするので、ここであげてください(笑ちなみに作品としては、「花や散るらん」のシリーズの前作「いのちなりけり」の方がよかった気もしますが・・・。2009年12月の読書メーター読んだ本の数:17冊読んだページ数:4797ページ■散りしかたみに今泉シリーズでやっと主人公がしっくりきた1冊でしたが、主人公今泉が不在の場面が多かったからかも(笑 梨園には一般とは相いれない世界がどこかにあるからか、話の結末は冷たいようだけど、歌舞伎にはなくてはならない仕方ない部分なのかも。読了日:12月01日 著者:近藤 史恵http://book.akahoshitakuya.com/cmt/3988956■ふちなしのかがみ今までの辻村さんと一番馴染みのテイストは「八月の天変地異」だろうか?他の作品はいつもの辻村さんに「何か」がテイストされた感じになっていて、恩田風?乙一風?綾辻風?など今回は「アラカルト」な感じ。相変わらず「学校」という閉鎖的な空間の独特の空気を描くのがお上手。読了日:12月02日 著者:辻村 深月http://book.akahoshitakuya.com/cmt/4005675■マークスの山 (ハヤカワ・ミステリワールド)文庫と比べようとぱらぱら読みだったのですが、ずいぶん印象が違う。こちらのマークスは殺人鬼とは言え「人間」。文庫は「人間の形をした狂気」であるマークス。文庫は結末に勢いがあるが、こちらは真知子が活きているし、加納兄弟とのくされ縁がしっくり感じられる。一粒で二度おいしい的な出来上がり。読了日:12月04日 著者:高村 薫http://book.akahoshitakuya.com/cmt/4028089■天使と悪魔(上)「ダヴィンチ・コード」より教会や宗教と密接に関わる部分があり、映画の撮影で物議をかもしたのも納得。物語のスピード感は同じくで、あっという間に読了。セルンのコーラーが曲者っぽいがあれだけの登場で終わるのか??(笑読了日:12月05日 著者:ダン ブラウン,越前 敏弥http://book.akahoshitakuya.com/cmt/4047072■天使と悪魔(下)一気に読了。素晴らしい演説に無宗教の私にもぐっとくるものがあったので、結末には謎を解き終わった!という達成感がありつつも何だか哀愁ただよう気分。すべての枝葉をはずして幹だけにした時のあまりのシンプルさに愕然とします。そしてその分、美術・芸術・思想・歴史と豊かに茂った物語であったことも実感。読了日:12月06日 著者:ダン ブラウン,越前 敏弥http://book.akahoshitakuya.com/cmt/4052510■夜叉桜むき出しの信次郎とすべてを水底にたたえたような遠野屋。その横でみつめる一般常識人代表の手下の伊佐治。三人のコントラストが端正で美しい。読了日:12月10日 著者:あさの あつこhttp://book.akahoshitakuya.com/cmt/4091793■木練柿(こねりがき)今回は短編集で、信次郎・遠野屋・伊佐治の周りの人間にスポットをあて、物語の背景に厚みを出してきた。いない人物の鮮やかな存在感、表面に出てこない家族の息遣いが3人の人物象を厚くする。井月屋の話はちょっとありがちな展開だったように思ったが・・・。読了日:12月11日 著者:あさの あつこhttp://book.akahoshitakuya.com/cmt/4100385■QED 神器封殺 (講談社ノベルス)事件の方、犯人のこだわりはわかったけど、なぜこだわってるのか省かれすぎのような・・・・。逆に歴史のQEDの方は今回盛りだくさんでしたが、静岡県民としては、草薙神社って名前なのに影薄いの?とちょっとビミョーな気持ちに。読了日:12月13日 著者:高田 崇史http://book.akahoshitakuya.com/cmt/4122472■QED ventus 御霊将門 (講談社ノベルス)殺人事件ってなくても・・・ といつも思っていたけど、実際ないと何だかやっぱり何か足りない感じに(笑 将門辺りの歴史の疎いせいもありちょっとインパクトがなかった。 読了日:12月17日 著者:高田 崇史http://book.akahoshitakuya.com/cmt/4167580■花や散るらん「忠臣蔵」を一歩ひいたところからみるとこんな感じになるのでしょうか? 幕府と朝廷、それに大奥が関わっている話はよく聞くようになったネタですから、第三者である咲弥たちの視点で書かれていてすっきり読めました。ただ、蔵人の活躍が少なくてちょっと残念。「花や散るらん」たる武士の最後が赤穂浪士だったのかもしれないですねー。読了日:12月20日 著者:葉室 麟http://book.akahoshitakuya.com/cmt/4202415■花散らしの雨 みをつくし料理帖勿論料理ありきの物語なのですが、周囲の出来事に心揺らしながらも誠実に料理を「作ろう」という気持ちを持ち続けようとする澪の成長ぶりが伺われる。恋や人の生死は一番人間を成長させるもんだなー。りうばあちゃんが絶妙の説明役に。読了日:12月21日 著者:高田 郁http://book.akahoshitakuya.com/cmt/4202432■七つの死者の囁き (新潮文庫)有栖川さんはいつものごとくで安定感あり。恒川さんもいつもの雰囲気を楽しめました。小路さん、こういうロマコメちっく(?)なところありますよね(笑 道尾さんは著作を読んでたらもっと楽しかったかも。全体的に及第点だが、特に良い というほどじゃなかった気も・・・。読了日:12月21日 著者:有栖川 有栖,石田 衣良,鈴木 光司,小路 幸也,吉来 駿作,道尾 秀介,恒川 光太郎http://book.akahoshitakuya.com/cmt/4206048■ドリトル先生月から帰る (岩波少年文庫―ドリトル先生物語)猫の話のことはすっかり忘れてました。 時間を作るために苦労して牢屋に入ろうとするのが笑えた。読了日:12月24日 著者:ヒュー ロフティングhttp://book.akahoshitakuya.com/cmt/4233512■QED 河童伝説 (講談社ノベルス)読了日:12月25日 著者:高田 崇史http://book.akahoshitakuya.com/b/4061825178■QED~flumen~九段坂の春 (講談社ノベルス タS- 20)「九段坂の春」から夏・秋・冬 と4つの短編で4人の過去を書いてます。が、4人目が御名形さんってやっぱレギュラーにするからってこと? とそこにひっかかった(笑 若い頃にもしや出会っていたかも・・・ という「二人の姉妹が・・・」ってのは許せるが、他のリンクはちょっと無理やりすぎる。普通に「箸休め」な短編でよかったのに。読了日:12月29日 著者:高田 崇史http://book.akahoshitakuya.com/cmt/4282711■イラスト図解 古事記 (絵でみる世界の名作)高田崇史「QED」を読んでいるうちに気になって、簡単なのないかなー と思ったら図書館で見かけました。 ちょっと簡単すぎるけど、「入門」にはこの程度で十分なのかも。読了日:12月31日 著者:三浦 佑之http://book.akahoshitakuya.com/cmt/4300120■9の扉 リレー短編集前の方の設定ももらってる人、お題だけでまた新しい物語になる人など、いろいろで楽しい趣向の本。3人とも未読の殊能→鳥飼→麻耶のリレーが醍醐味あり。でも辻村→北村がほんわか来て、読後感さらによし。辻村さんには最後の数ページでいつも「がーっ」と持っていかれます。きっと猫の名前は「にゃおる」だぞ(笑読了日:12月31日 著者:北村 薫,法月 綸太郎,殊能 将之,鳥飼 否宇,麻耶 雄嵩,竹本 健治,貫井 徳郎,歌野 昌午,辻村 深月http://book.akahoshitakuya.com/cmt/4300131▼読書メーターhttp://book.akahoshitakuya.com/