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カテゴリ:わんこでもわかる栄養学
「ナトリウム」「カリウム」・・・細胞膜の外側と内側で浸透圧の調整をしていて、電解質と呼ばれます。 生物は、海水と似た組成の塩分が溶けている体液を持っています。 塩分の大部分は食塩(塩化ナトリウム)の成分であるナトリウムと塩素です。 ついでカリウム、少量のカルシウムやマグネシウムなどです。 塩分はイオンの形になって電気を通す性質があるので、電解質と呼ばれます。 電解質は、体の中で神経や筋肉が興奮する時に重要な役割を担っています。 食物などで体内に入り、尿や汗、下痢、嘔吐などで体外に排出されます。 それぞれの電解質の濃度が高くなり過ぎても、低くなり過ぎても、不都合なことが起こります。 下痢や嘔吐を繰り返したり汗をかき過ぎると、水分だけでなく電解質も失われるので補給が 必要となります。 スポーツ飲料は一種の電解質補給液ですが、冷たいものは体に負担となるので、室温状態で 飲むほうが良いです。 ナトリウム([元素記号] Na ) 成人の体内には約100gのナトリウムが存在し、3割が骨に、残りは細胞外の体液中に 含まれています。 神経伝達などの機能も果たしていますが、重要なのは、カリウムとバランスをとりながら、 血圧を調整することです。 過剰に摂取しがちなミネラルですので、カリウムとのバランスを崩さないように摂取を控えるよう 注意が必要です。 また、体液をアルカリ性に保ち、筋肉・神経の興奮を弱める働きがあります。 さらにナトリウムは、水分代謝、胃酸や他の分泌腺の活性化、暑さによる疲労や日射病の 予防にも活躍しています。 ● 食塩(塩化ナトリウム)を始めとして、調味料や加工食品に必ずと言っていいほど含まれ、 激しい運動による発汗などがない限り欠乏することはほとんどなく、むしろ過剰摂取が現代人に 増えてます。 長期的にナトリウムの過剰摂取状態が続くと、血液中のナトリウムが増え、浸透圧が高くなり、 これを薄めようと細胞から水が血管内に浸透し、血液量が増え、血圧が上がります。 それによって高血圧、動脈硬化、脳卒中、腎臓病、肥満など生活習慣病の原因になります。 多く含まれる食品 食塩、みそ、しょうゆ、調味料、加工食品、塩辛、佃煮、ハム、ソーセージ、蒲鉾、 インスタントラーメンなど 欠乏症 倦怠感、食欲不振、嘔吐、意識障害など、筋肉痛、熱けいれんなど 過剰症 高血圧、胃がんの促進など カリウム([元素記号] K ) 成人の体内には約200gのカリウムが存在します。その8割が細胞内に含まれ、心臓や筋肉の 機能を調節するなどの働きをしています。 また、カリウムは細胞内に存在して、細胞の外にあるナトリウムとバランスをとって (浸透圧の維持)、血液中のナトリウムの濃度を一定に保ち、血圧を調整する重要な 役割があります。 カリウムが十分にあれば、ナトリウムを追い出して血圧を下げますが、カリウムが不足していると、 細胞内外にナトリウムが過剰となり、血圧が上昇してしまいます。 不足しやすいミネラルですから、高血圧症の予防のためにも意識して摂取する必要があります。 ● カリウムは水に溶け出てしまうので、煮る・茹でるなどの調理によってかなり失われます。 煮汁も利用するなど調理方法に工夫しましょう。 多く含まれる食品 ひじき、じゃが芋、バナナ、丸干しいわし、干し柿、干しぶどう、切り干し大根、のり、昆布、大豆、きな粉、納豆、ほうれん草、さつまいも、アーモンド、パセリ、たけのこ、きのこ、干しプルーン、ピーナツ、黒砂糖など 欠乏症 脱力感、食欲不振、不整脈など 過剰症 高カリウム血症 ○ 1日の塩分摂取量は10gが望ましいとされていますが、日本人の食生活では平均11.2g(平成15年、国民栄養調査)と多めです。 ナトリウムには血圧を上げる作用があるため、高血圧を招き、動脈硬化を促進してしまいます。 また、体内の塩分が多くなると、その濃度を下げるために水を多く飲んだり、尿の排泄が 少なくなったりし、体内の水分量が増えてむくみの原因になることもあります。 体内水分量の増加は心臓に負担をかけ、血圧も上昇するという悪循環にもなります。 塩分を控えめにすることを日常的に心がけましょう。 また、ナトリウムとカリウムは腎臓で排泄量を調整していますが、カリウムはナトリウムの排泄をうながして 血圧を下げる働きがあるので、健康な人はナトリウムと同量程度とるように心がけましょう。 慢性腎不全などで腎臓の機能が低下している方は、腎臓に負担のかからない摂取量について、 医師・栄養士の指導を受けてください。 次は、ミネラル総集編の予定 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年12月11日 20時39分27秒
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