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カテゴリ:韓国
そろそろ春休みの時期・・・
休みといえば帰省、 帰省といえば、Eさんとのあるエピソードを思い出す。 ・・・・・・・・・・ 私がまだプサンに住んでいた頃、 日本に帰省した際は、帰りの荷物が大変だった。 プサンはソウルに比べ日本食が少なく、 あっても、スーパーで3倍以上の価格で売っていたため、 いつも懐かしの日本の味を、旅行バッグいっぱいに詰めて、 ヒーヒー言いながら持ち帰っていた。 ご近所や、帰省出来なかった人達へのお土産、 ストック用の菓子や食品をはじめ、薬、化粧品の補充、洋服、 読みたくても読めなかった新刊本・・などなど、 食べ物以外にも、日本に帰ったら調達したいものがいつも目一杯あった。 カバンに入りきれない時は、たまに送ることもあったが、 やはり送料が高くてばかにならないので、 大概は持ち帰りにしていた。 ある日、 夏休みを目前に控えた私はEさんと韓国語の授業をしていた。 勉強に行き詰まったので休憩にし、お茶を飲みつつ夏休みの予定をEさんに告げた。 「7月の×日から日本に帰省する予定なんですけど・・」 「じゃあ、授業は出来ないデスネ~、ん~わかりました・・ーー」 残念そうにしている彼に、軽い気持ちで私は言った。 「日本のお土産、なにか買ってきましょうか? ほら、Eさんの大好きな柿ピーとか・・^^」 その時、Eさんの目がキラッと輝いた。 「え~~!そうデスカ!?それなら、それなら・・アレを買ってきてください!>▽<」 「アレって?」 「僕は、アレが欲しいです!!こう・・本です!」 「本?なんの?」 「本っていうか・・辞書です!」 「じ、辞書?」 「そうそう!辞書!」 「日本語の?」 「えと~、日本語の~古い~・・・」 「古い?」 「古い言葉の~・・」 「古い言葉・・・?古語?古語辞典!?」 「そう、それですっ!^^」 「ええ~~!?><」 辞書なんて・・・! 重い・・ 重いよ、アンタ・・・(TT) 私的には、持って帰るのが最もナンギなものBest3に入るくらい、 本(しかも辞書!)は厄介である。 しかも、 お土産品として3大タブーの、 重い、高い、デカイ の3要素を全て含んでいるではないか~~!(TT) 私はEさんに妥協案を提示してみた。 「なんか他のじゃダメ?^^;」 「いいえ!辞書がいいデス!`´」 「もっとこう・・軽いものでさ、 本だったら、面白そうなの文庫で探してくるよ? 高橋留美子とか好きでしょ?」 「いいや、辞書がイイデス!」 「なんで?辞書ならこっちが安いじゃん」 「ずっと探してるんですが、いいのがナイです。 種類がないし、高いし・・」 (辞書は日本でも高いゾ!) 「韓国の出版社でも?」 「韓国のじゃ、ダメなんです!全っ然載ってません`´ だから、やはり日本のじゃないと」 「古語だもんな・・」 「そうそう!^^ それで、ちゃんとした、語彙数の多いのをお願いシマス!」 「はい?@@」 「語彙数の1番多いのを買ってきてクダサイ!」 「う・・><」 語彙多数 = 高価 ・・・ 辞書は大体、語彙が多いほど、値段も高く、厚みもブ厚くなるものだ。 Eさんは、 簡易辞書ではなく、ズッシリ重い、ちゃんとしたやつを買って来いという。 「私が高校の時使ってたやつ、まだ家にあるかも・・^^;」 「ダメです!辞書は新しくないと!ちゃんと載ってません!`´」 「古語だから関係ないんじゃない?^^;」 「それでもダメです`´」 「ねぇ、柿ピーと文庫本にしない?TT」 「いーや古語辞典です。それ以外はいりません!`´」 ガンとして言い張る、頑ななEさんである。 アンタ・・・ アンタさ、 私が帰省から戻る時、どんだけ大変か知らないでしょ? 持って帰りたくても持って帰れない、カバンに入りきれないやつを、 泣く泣く置いていったりするんだよ? オシャレな靴は、かさばる箱を捨て、 雑誌、ビデオの類は厳選し、 カップ麺は買わず袋麺にして、 それでもコアラのマーチとかいちごポッキーは毎回箱がつぶれてるんだぞ・・・!?(TT) 私は急に ムウゥ・・(‐з‐) という気分になってきた。 大体、テグの人間は頑固な人が多いというけれど、 Eさんもそれに違わず頑固人間だ。 言い出したら、絶対引かない。 コレ!といって突き進む。 信念を曲げないとか、それはそれでいいんだけど、 別にそれをここで出さなくてもいーんでないの? お土産というからには、私が買ってきてあげるつもりなのに、 遠慮会釈無く高価で重いものを頼むEさん。 私の都合とか、懐具合とか、相手のことは眼中に無いんだろうなぁきっと・・ これが韓国人気質なのか、テグ人気質なのか、 はたまたEさんの、欲望に正直なコドモ気質によるものなのかは 定かではなかったが、 ともかく(彼の向学心に水を差してはイカン)と、 年上の私としてはオトナな気持ちで、その要望に沿うべく (そこそこ)高価で(そこそこ)ブ厚い古語辞典 を日本で購入し、Eさんに差し出した。 Eさんはすごく喜んで、「コレはいいですね~~>▽<」と満足げだった。 そりゃそうであろう、 辞書代の他、私の労力と痛惜の念がたっぷりと込められているのだから。 (いちごポッキー諦めたり・・とかそんなレベルの) Eさんが大変に喜んだことで私の苦労はちょっぴり報われた気がした。 そして私は、 自分は人様にはあまりお土産物を頼まないようにしよう・・(--;) ・・と強く心に誓うのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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