その純な気分の気配を彼女が僕に運んでくる。
いやな気分でまた夕暮れが来て。とことん疲れ果てて、そういったビジネスな関係に、誰々の紹介のなんてやつの、責任不在のとことん投げるだけの風情に、相手させられて疲れ果てた時間には夜になってて、また僕の嫌いな日曜日のその夜がきてる。 会社を飛び出してから、僕には休みがない。ただ、きみにあう時間だけが、放たれたような恋の気分をとりもどしてくれる。 こんな気分の僕は君のまつ阪急の前に出かけている途上の、不機嫌な運転手の乱暴な運転の、渋滞を潜り抜ける流れを、京都御所の近くのホテルに向かっている。 きみをみただけで、この気分から開放されるはずだった。 その純な気分のふしぎな気配を彼女が僕に運んでくる。 たどりついたら、きみの顔なんかわすれちゃってるかもしれないし、そもそも僕なんか我がないもんだから、いらいらするとのべつまくなし当り散らされるタイプなんだった。 やっと会えたきみはなにかしら、機嫌がわるくてこのまえのテンションで愛してはくれないし、どうせ僕なんかと思ってる僕のいやな部分が吐き出されてく、一番大切な彼女の前で、そして終わるはずのない恋が終わった、たぶん僕が思っていたような理由で。しかしその理由はなんだったんだろう。 しかし僕は今夜最後まで僕を演じきって主演男優賞、そもそも彼女のそういった気配りのある愛を確かめる厳しい時間でさえ、M的に快感だったころのことを思い出したりしてるけど、どうも疲れきったぼくは,ぼろぼろの雑巾のように、きみにあそばれて、ほうりだされる夜の街で、きがつきゃ雨なんかふりだしている。