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テーマ:お勧めの本(7401)
カテゴリ:書評2nd.シーズン
ちょっと前ですが、滅多に読まないジャンルの本を二冊読みました。川畑のぶこ、やました ひでこ著『モノを捨てればうまくいく 断捨離のすすめ』(同文館出版)、池田千恵著『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす! 』(マガジンハウス)。世間的な評価はどうあれ、滅多に読まないジャンルであることと、どちらも自分が苦手なことが題材になっていること、この二点で読んでみたのですが。
本で扱う「断捨離」というのは、精神修養の概念に過激なまでの実践を取り入れた、一種のライフスタイルを見つめなおす本で、軸となっているのは、まさに「無駄を捨てる」ということ。断ち、捨て、離れる。もちろん、しがらみやら、執念みたいなものも含まれるのですが、それを象徴する物質の断捨離を、ズバッと示しています。澁澤的書斎派を是とする私としては、うず高く積まれた本や、怪しげなモノに囲まれて暮らすのは理想なのですが、正直重たくもある。自分に断捨離ができるのか…と自問自答したところ、「とにかく集めるだけなら、かえって審美眼が落ちる」という結論に到達し、審美眼を高めるための断捨離ならできるだろうという確信ができました。 それで、ここ一月ほど、断捨離にいそしんでいるワケですが、自分の価値観が変化したり、ある部分先鋭化されていく過程にあって、やはり取り残されているモノたちが結構あるんですね。本書では、「もったいな、というのは分かるけど」と前置きをし、リサイクルの可能性を示唆しながら、それでも「原理主義的に捨てる」ということを勧めています。それだけ捨てれば、もちろん暮らしもスッキリするし、無駄な悩みや労力もいらなくなる、気持ちが軽くなる、という肝心な目的は果たされ、同時に何より「無駄なものを増やさない」「無駄なものを増やすから、かえってもったいないのだ」ということを骨身で知る、という真髄にたどり着く、というのです。 私は、リサイクルと併用しながら、身辺整理を少しずつ進めていますが、面白いことに、全然風景が変わらない(苦笑)。つまり、いろんなところにいろんなモノが、思いのほか入っていたりするもので、「かなり整理したぞ」と思っても、実は表面部分にまで到達していなかったりするワケです。これは相当に本気でやらないと、なかなか先に進まないぞ、と思いつつ“断捨離設計”を都度軌道修正しながら、日々コツコツと取り組んでいます。同時に、「もったいない」ということの意味を少し噛みしめるチャンスとなり、ちょっと前にコマーシャル的に流行ったのであまり共感できなかった「MOTTTAINAI」運動に興味が湧き、久しぶりにサイトを覗いてみると、ブーム的な浮つきはすっかり去り、今は地に足の着いた、とても身近に感じられる深い運動を重ねているなと感じ、しばらく既成概念を断捨離して、追いかけてみようかと思った次第です。 一方、時間管理もまた私にとっては日に日に大切になってきている事項でして。昔は、「時は金なり、かもしれない。けれど、平均時間からすれば、人生なんてみんな半分は寝てるんだから、時間管理などに血眼になっても大差あるまいよ」と嘯いていたのですが、最近ちょっと考えなおしています。それで、朝4時起きによる時間の有効活用を提唱&実践している池田千恵氏の本を手に取ったのですが、これはこれで面白い。文献、ということでいえば、もっと突っ込んだ話が読みたかったけれど、基本根性論と、自己流早起きの提案で寸止めされてまして。語弊はありますけど、なんとなく、劣等感と成功幻想をモチベーションにした展開は、心寂しいものがありました(こう書くと失礼かもしれませんが、他意はありません。考え方の違いなのです)し、このままどこまでも突き進んだ時、何かむなしさが残らないだろうか、と思ったりもしましたが、少なくとも著者はこの方法で幸せをつかみ、時間管理の一つのモデルを築き上げたわけですから、それには素直に脱帽。要は、何をモチベーションとして、何のために、どのように、自分が考える時間概念と対峙できるか、なのかもしれません。 ともあれ、ちょっと目線を変えて本を読んでみることは、日常自分の中で前提のように凝り固まってしまっていることをほぐしながら、いろいろと考えるよいきっかけになります。(了) 断捨離のすすめ 「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/06/18 03:15:27 PM
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