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バベルの図書館-或る物書きの狂恋夢

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カテゴリ:音楽
 ホイットニー・ヒューストンの訃報には、なんとも言えない後味の悪さと、「やはり」という諦念が去来した。
 ホイットニーの鮮烈なデビューを今でも忘れられない。まだ中高生だった頃だと記憶しているが、その後自分が原稿を書くことになるとも知らず、なけなしの小遣いで購読していた憧れの某音楽誌で、これからの活躍が期待される若手の特集に、ジョニー・ギルらとともにイラストと評が紹介されていた(当時の某誌は、まだ写真が少なかったのだ)。
 その後の活躍は周知のところで、それほどコアなファンでなかった私よりも詳しいリスナーが大勢いるはずだが、彼女の才能は、単に「歌姫どまり」でない稀有なものであったことは間違いない。
 ポップにクロスオーバーしても転ばなかったのは、先天的な才能と、後天的なプモロモーションが奇跡的に共存できるだけの、圧倒的な歌唱力という土俵があったからに相違ない。
 ありきたりなラブストーリーを大ヒットさせ、およそメジャーシーンで聴かれることなどありえないカントリーミュージックの流行歌(ドリー・パートンのヒット曲である)をカバーして、世界中を―ポップに過ぎると否定したがるR&B原理主義者をも―唸らせてみせた。
 母にシシー・ヒューストン、従妹にディオンヌ・ワーウィックらが名を連ね、音楽一家という陳腐な表現では物足りない、まさにサラブレッド。彼女は、ディーヴァを超えた「レジェンド」にふさわしい歌手であったはずである。言うなれば、ホイットニーの名付け親であるアレサ・フランクリンや、ホイットニー自身が敬愛してやまないチャカ・カーンのあとを受け継ぐ者だ。まさに正統派、そして王道。
 ダイアナ・ロスが、ユニークなカリスマ・スター型の女王ならば、ホイットニーは、正統なるR&Bの女王の座におさまるべき宿命を負っていたはずであったのだ。
 そう思えばこそなおのこと、私には、長い低迷期にも、私は鷹揚に接していたように思う。つまりは、悪く言えば名誉職的な肩書きではあるけれど、つまりは「伝説」になるため、誰もが通過する屈伸運動の“屈”の時期だと考えていたのだ。
 それほどに、ホイットニーの素質もキャリアも盤石に思えたのだが、本人はもがき、苦しんでいたのだ。光が強いところには、濃い翳が生まれる。
 果たして、心寄り添える『ボディガード』が必要だったのは、映画の中のホイットニーではなく、映画の外のホイットニー。本当のホイットニー・ヒューストン。そう思えばこそ、映画で描かれた、栄光の陰でもがく「姉」は、実は現実のホイットニー・ヒューストンのドッペルゲンガーとしてこの悲劇を予告していたのではないかと思えて、なんとも嫌な汗を抑えることができない。(了)





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Last updated  2012/02/19 10:15:24 PM
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