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カテゴリ:母
母の姉は、その昔、小町と言われた。そして、
その姉の娘は、長じて、ミス☆★に選ばれた。 私の家には、絶対に、決して起こりえない誉れだ。 しかし、私が、初めて叔母に出合った時、 でで~~んと太ったおばさんは、小町の片鱗さえなかった。 また、ミス☆★だったと聞いた娘の夢子(仮名)さんのほうも、 私が初めて会った時にはすでに、おばさんだった。 おばさんでも、最近の女性は、きれいにしているから 美しいけれど、その私の従兄弟の夢子さんは、いつも すっぴんだったし、髪は、ひっつめて、後ろで ぎゅっと輪ゴムでしばっただけで、 服装は、どうでもいいようなかっこうで、 つっかけを履いてたし、 第一、ぜんぜん女らしい物言いとか、美人に付きものの 色っぽい仕草が、なかった。 ぶっきらぼうなしゃべりかたで、 どこにでも、ころがっている様な、隣のおばちゃん風でしかなかった。 だから、 (母は、ああ言ってるけど、ウソだろう。) (だれでも、自分の家の事は、良いように言いたがる、あれだ。) と、内心思っていた。 大体、同じDNAをもってる我が家に、一人でも美形がいたかい? 悲しいけど、答えは明白だった。 ある日、母は入院した。私がそばで、看病していると ドアが開いて、夢子さんと、赤ちゃんを抱いた女性が 入室してきた。「これ、うちの娘。孫ができたのよ~」と、夢子さん。 がががが====ん! (掃きだめに鶴)とは、このことだった! 子供を抱いた娘は、たまごのようなつるつるの輝くような しみ一つ無い、すっぴんの顔、どこをとっても麗しい 清らかな、目鼻立ち、美しい放物線を描く眉、そして、 黒々とした、つぶらなまなこ、長いまつげ、 形のととのったかわいい鼻の穴。 ぽっちゃりとした口もとは、口角が、すっと上がって、 私達のような、への字になっていないのだ。 ぴかぴかに磨かれたすらりと伸びた真っ白な手足。 子供を産んだばかりなのに、くいっと締まったウエスト。 やっと、納得した。 従兄弟の夢子さんも、昔は、こんな風な女性だったんだ! そして、おばさんも、小町だったんだね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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