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tckyn3707@ Re:がんばる朱鷺子さん(08/30) 初めまして、alexさんのところで知りまし…
2011.10.28
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最近、夫は、ちょっとした旅行を計画していたのですが、
出かける前日になって、私が、あることを思い出しました。
それは5年ほど前になるでしょうか・・ある日、
私が夫に私の夢について話をしたことがありました。
私の母は亡くなる前に、生まれ故郷を夢見ていましたが、
「一度、△△線に乗って、ことことことこと故郷に帰りたい」と、
しばしば言っていたのです。
ですから、
「私が△△線に乗って、お母さんの代わりに、
ことことことこと母の故郷に帰ってあげるのが夢なのよ」
と言うと
「あ、、涙が出るじゃないか・・・」と、夫も声を詰まらせたことが
あったのです。
でも、私達はこの年齢に至っても、なかなか暇もなく
時はどんどんうち過ぎて行くだけでした。

母の故郷近くに旅行するにあたって
ふとそのことを思い出したのです。
急いでPCに向かいました。
実は、私は、母の里の住所も番地も全く知らなかった事に気がつきました。
長年親類のお付き合いを全くせずに、
引越しばかりする生活で、ばちがあたったようです。
覚えていることは、戦時中に母と共にその家に疎開したこと、
私は3才か4才でしたから、何も覚えていないのです。
△△町って、どこかな?と思ってネットで探しました。すると、
Googleマップに、それらしき町の駅名。
そして、その駅を中心に古い町並みが、そのまま残っている写真が出ました。
その写真を見て、ピンと来たのです。
「あ、これがお母さんの家じゃないのかしら・・」
どう表してよいやら判りませんが、鋭い勘が働いたのです。
そのGoogleマップの古い家の写真を頼りに、母の里に行くことにしました。

旅行の第一目的を果たし、一日を延長して
最後の日に、△△線に乗って、いよいよ母の里に向かいました。
車だったら楽だったのですが、
△△線に乗って訪れることが母の願いだったからです。
△△線に乗ると、電車はどんどん山に登っていくのです。
一度乗り換えたりして、2時間も乗っていましたら、
急に夫が
「次は○○駅だって!!」と言うのです。
「え=?○○駅だったらお父さんのお里だ=!」私は驚いて、
目を皿のようにして父の昔の家を探しましたが、分かるはずはありません。涙

母の夢を叶えてあげたいと思っていたけど、
△△線上に父の里もあるとは
考えてもみませんでした。ほんとうに、ほんとうに馬鹿ですね。

やっと目指す駅に到着しました。
母の町が、分からなくても、ネットに古い町並みの写真が出てるくらいだから、
タクシーで聞けばつれて行ってくれるだろうと、かる~く考えていたら、
なんと!とんでもない駅でした。
山の中の藪の中の駅は、駅とは名ばかりで、
待合室もたった1畳程度のへなちょこの、雨をしのぐだけの屋根と
木の長いすひとつでした
出来た当時から、 全く進歩していないのだろうと推察できます。
もちろん無人で、トイレも無く、飲み物もなく、タクシーなどあろうはずも無い。
私達は、びっくりしながら細い山道を下った。
右の山の下の田園方面と左の山道のどちらに行ったら良いだろう?
と迷っているところに、
ちょうどスクーターに乗ったお婆さんが通りかかった。
「もしもし、古い町は、右ですか?」
「ああ、そっちは田舎ですよ、町は山を登ります」だと~!
山の方が町とはね?
それに相当の山の田舎で、「そちらは田舎」と言われてもねぇ。^^

ぼっつりぽっつり山道を歩いて30メートルも登ると
急に目の前にGoogleマップの写真にあった古い町が開けた。
近所のおじいさんに目指す家の主を聞きただすと、
やはり、私の思ったとおり、
ばっちりそれが、母が生まれ育った家だった!
何故、するすると行けたのかは、判らない。母が導いたのかもしれない。
50年ほど前に売却した屋敷は
20年以上も前から、だれも住まない廃屋になって、荒れ放題だった。
私が裏に回って、確かめたら、うわあ~~~~~~~~
昔のままの間取りが見えた。懐かしい~~~~~!!!!
あの周りで遊んだ直径2メートルほどの大きな井戸の跡もあった。
蔵は無くなっていた。
私達が遊んだ庭に4軒続きの長屋が建っていて、
かつて人が住んだらしい跡があったが、そこもすっかり荒れていた。
大きな母屋は2階建てで、昔のままに、ひっそりたたずんでいる。
100数十年前に庄屋さんだった曾爺さまの建物は、
丈夫に出来ているのだろう。

「お母さん、とうとう△△線に乗って帰ってきましたよ」
と、心の中で語りかけた。
お母さんの思い出の△△山が、北西の方角に光っていた。
「ああ、お母さん、△△山の見える家に帰ってきましたよ」
と、空を吹く風にも伝えた。

















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最終更新日  2011.10.28 18:58:24
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