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カテゴリ:母
母の白髭お爺さんという人は、自分が、築いた家の財産を
つぶしたくなかったから、息子をスパルタ教育で育てた。 ところが、厳しすぎ、ぐれてお酒に溺れた。 「飲もう飲もうのOOさん」という有り難くないあだ名がついた。 だから、白髭お爺さんは ますます家の為に、良き嫁を探さねばならなくなった。 仕事で時々逗留する大地主があった。昔は庄屋さんだった家だ。 むちゃくちゃ大きな地主で、哀しい言い伝えもある◎▼池という 大きな池も持っていた。今でもある。 昔、この池を造る時、◎さんと、▼さんという2人の娘が、 人柱になった。その娘たちの名を冠した池の名前だ。 その、大きな地主の奥さんが、地味な人で、大奥様然とせず、 ちっとも威張らず、非常にすばらしい働き者だった。 朝はだれよりも早く起き、家中の朝ごはんを整えるしっかり者だった。 白髭お爺さんは、こういう家の娘さんをもらえば、我が家も安泰だと考え、 娘を大酒飲みの、どら息子の嫁に迎えた。(この嫁が、私のお婆ちゃんなのだ。) 嫁にきてみると、親子が非常に仲が悪いので、それの仲を取り持つのに、 毎日、苦労したそうだ。 白髭お爺さんが亡くなってから、すぐに、母の父親もあいついで亡くなった。 その時、母は、2才だった。 嫁を探した目利きの白髭お爺さんの望んだ通り、 夫亡き後、私のお婆ちゃんは、戦後まで、家を守りぬいた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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