|
カテゴリ:食べ物
1969年のお正月に、夫は職場の友人を10人ほど家に招いた。
私はそのころはまだ若くて、 おせち料理を作ったことが一度もなかった。 なにしろ大所帯で育って、 子供のころお手伝いをしたことがなかったし、 花嫁修業もせず、大学中途退学して結婚したし、 結婚してからも、誰かの家に招かれて行っていたし、 おせち料理は、大きらいだったから作ったことがなかったのだ。 でも、お刺身をたくさん用意したし、お雑煮もあったから 平気でお招きしたのだったが、 おせち料理が、ぜんぜん無いテーブルを見て、夫の友人達は 驚きの色を隠せなかった。私は、その時、皆さんの顔色を見て、 世間の常識が全くない自分を思い知らされることとなった。 1969年という年は、家庭には、まだまだおせち料理が あって当然な世の中だったのだった。 若い私は、世間の常識が大嫌いだったから、 常に世間を甘くみていた。 (おせち料理?知らない。何か?という感覚だった。) 私は、心からしまった!と思った。やっと、世間を意識した。 それ以来、お正月が来るころは本を読んで、おせち料理に 挑戦する私に変わった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|