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カテゴリ:高校時代
私達の高校は、クラブ活動が自由だった。
いくつ入っても良くて、どこをのぞいてもいいのだ。 だから、3年間、私は、手芸クラブ、コーラスクラブ、 バスケットクラブ、英会話クラブ、ARTクラブ と、 5つも所属して、ふらふらふらふらあちこちに顔を出し 何も自分の物に出来なかったが、楽しく暮らした。 〈クラブその1〉 英会話クラブ その頃はまだめずらしかったアメリカ人の男性教師。 外人を身近に見ると、不思議で不思議でたまらなくて、 いつも頭のてっぺんから足の先までじろじろみていた。 あまり日本人になじみの無い水色のスーツをよく着てこられた。 黒の細い細い紐を蝶々結びにし、たらりとたらして似合っていた。 カフスボタンは、今思い出すと、ブラックオパールでは なかったかと思うが、緑とブルーがきらきら光る、それはそれは 見たこともない美しい宝石を、真っ白なぱりっとしたカフスに のぞかせているのだ。 髪は、金髪で柔らかく、透き通るようなピンクの肌には、 金髪のうぶ毛が逆光線で光っていた。 一番不思議だったのは、そのブルーの瞳だ。 私は、先生のブルーの瞳をじっとのぞく。のぞいてものぞいても 何か、焦点が合わないのだ。どこどこまでも、吸い込まれそうで、 私の目は、先生の目に、ぴたりと、とどまる位置が見つからなかった。 時々先生が、私の顔の間近で、「わっ!」と、脅かす。 あまり私がじ===っと見つめるから、うるさかったんだろうね。 そういうことで、英会話は、何にも身に付かなかった。残念。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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