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カテゴリ:高校時代
高校のバスケットクラブには、ちょこっと行った。
背が高くて、林のような男の子達と一緒に、バスケットの 練習をした私だったが、一度も男の子と話をしたことが ないまま卒業した。3年になって、受験勉強が忙しくなったら クラブどころじゃなくなったしね。 卒業後、あれは、26才くらいの頃だったか、 バスケットクラブの3人の青年がふらりと会いにきてくれた。 私は、小さな長男の手を引いて、立ち話。 ほんの数分だったが、楽しくおしゃべりをして別れたのだ。 遠い地方に引っ越ししていた私に、 その中の一人の青年が亡くなったと風のたよりがあった。が、 忘れて過ごしていた。 36才くらいの時、彼が住んでいた街を通りかかり ふと、お墓にお参りしようと思ったので、家を訪ねた。 初めてあった母親は、喜んで案内してくれた。 お墓の前で二人で冥福を祈った後、 まるで、70才を過ぎたようにも見える、老いた母親が、 遠い目をして語ったことは、 驚愕に値した。 母親は、若い頃、夫が、裏切りをしたと言う。こともあろうに、 同居していた、実の妹に手をだした。大きな家であったが、 妻妾同居という3重の苦しみに、身も心もずたずただった。が 誰にも言えず、ただただがまんして暮らして行くしかなかった。 息子が成長するにつけ、彼も、それを知ることとなったが、 息子も家の恥を、誰にも言えず、 工場の跡取りでは、出ていくことも叶わず苦しんだ。 母親の辛さを見るにつけ、 父ともうまく行かなくなり、生活が荒んで、 とうとう、倉で、自死したのだと言う。 何故、私に告白されたのかは、わからない。 息子の昔の学友であり、過ぎ去って行くだけの人間だから、 母親も、気持ちがふと、ゆるんだのかも知れないし、 一度くらい胸の中に閉じこめた秘密を話して、 楽になりたかったのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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