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カテゴリ:高校時代
チビで、ふとっちょのY 先生がいた。
我が高校を退職され、後に大学教授になられたので、 本当はりっぱな先生だったらしいのだが、そのころの私には 偉大さは分からなかった。 Y先生は、変わった面白い先生だった。 私たちは、その不思議に先生らしからぬ 不埒な態度が好きだった。 ある日、学校全体で、ハイキングをした。 のろのろ歩いていると、Y先生が 私を振り返って、 ニヤリとしながら上着の内ポケットから、 小さなウイスキー入れを取り出して、「ほら」という感じで、 わたしに見せびらかした。 そんなやんちゃ坊主の、愛すべき先生だった。 今時そんな先生はいないだろうな~。 Y先生は、50才くらいで(私には、そう見えた) いやいや、30代だったかも知れない。謎?何故か独身だった。 こともあろうに、私たちクラスの西本さんに惚れていた。 それは、端から見ていても涙ぐましいアプローチを繰り返していたが 彼女は、涼しい顔。あたりまえだ。 西本さんは、めだたない、おとなしい、無口、笑わない、 何を考えているのか分からない少女だった。ところが、 驚いたことに、彼女は、おじさんキラーだったのだ。 私たちじゃがいも軍団にはとうていわからないフェロモンが 出ているらしい。それが分かったのは、 ある日、私と二人で歩いているときだった。 私たち生徒の絶大なる信頼をよせられている、かなりの年配の 男性教師が、近づいてきて、後にも先にも聞いたことが無い、 彼が作ったであろう可愛らしいニックネームで彼女に呼びかけた。 私は、あまりにも驚いたので、 (おお==!!△△よ、お前も殺られたのか~~?)と、内心うなずいた。 彼女はあたりまえのような涼しい顔をして、受け答えするのだった。 で、Y先生は、いくら好きでも、たった一人を特別扱いはできない。 だから、しょっちゅう、西本さんと友人2・3名を一緒に、 色んな名目で呼んで、連れ歩いた。わたしも、ダシにされて、 2度ほど、NHK見学とかに行って、その後は、おいしいトンカツの ご馳走にあずかった。おいしい物が何にも無い時代だったのにね。 今頃になって、クラス会に行くと、 あの頃は、しょっちゅうY先生の家にまねかれて、 「ご馳走を食べていたのよね~~~」などとふとどきなことを 2.3人が口走っている。全員が、共犯者だ。 くそ=!私を抜きにしてぇ~? (そこに、反応する?)汗 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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