|
カテゴリ:高校時代
高校一年生の時は、男女の混ざった教室だった。
担任は、学校一の大男、橋本先生だった。 彼は癇癪もちだった。そのガタイのままにひとたび怒ると びりびりと空気が震えた。その上、やたら頭がいいので、 理詰めで、やっつけられる。誰も彼に敵う者はいなかった。 ある日、彼は、下校前のホームルームの時間に、どすどすと 怒りながら入って来た。 「こうこう、こう言ったのは、誰だ=!!」 皆、しんとする。 「言った者が分かるまで帰さないぞ=!!」 と、たたみかける。 私は、内心、これは、大変だと思う。この分では、 何かが起こるかも知れない。 これは、ひとつ、私が人身御供になるしかないかな? 理由は、3つあった。 1)とことん行き詰まってから、犯人が出た時、何が起こるか 分からない恐ろしさがあった。 2)たとえ、私が言ったことになったとしても、たいして ダメージを受ける内容では、なかった。 3)私の兄は、先生の大学の後輩だったし、年は離れていたが ちょっとした知り合いだったから、私が犯人なら矛先が、鈍って、 先生の癇癪が治まるかもしれない。 私は賭けに出た。 すっと立ち上がって、「私です。すみませんでした」と言った。 予想的中~~~~~~~~!何となく、先生は静まって お帰り時間となった。 めでたし、めでたし。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|