|
カテゴリ:高校時代
次の時間の始まる前、ちょとした生徒間の会議があって、
自分の意見が聞いてもらえなかった私は、やけに腹が立った。 つい、若気の至り、「#######!!!」と、大声を挙げた時、 丁度先生が教室に入って来られた。先生はすぐに 「朱鷺子!立ってろ!」と命令を下した。 しまった!と、思いながら、私はごそごそ立つしかなかった。 しかし、こういう事件は未だかつて身に起きたことが 無かった私は、面目まるつぶれのいやな気分。 この教師は、とんでもない堅物だった。 頭の中は、まっ四角で、心は、岩石だった。この上なく 融通がきかない、石部金吉だったから、自分の運命が見えていた。 ふつうの教師だったら、日頃お利口ちゃんの私だと分かれば、 「おや、おかんむりですね?」などと軽くうけながしてくれただろうに… たとえ、最悪立たされたところで、すぐに、 「もう、よし、座りなさい、あまり大声を出しては品性が疑われますよ」 くらいのひと言で済んだはずだった。 でも、彼は、正しいことしか頭にない男だ。 1時間くらい平気で立たせているであろう。 私はプライドが傷つきまくった。恥ずかしさをごまかす為に、 すぐに、一枚の紙を廻した。そこに、 「私が悪いことをしたと思う人は、ひと言書いてください。 生徒を立たせたら、解決すると思いますか?」などと書いて、 こそっと廻したのだ。皆、いろいろばかなことを書き、紙は、 教師の目を盗んで次ぎ次ぎと、廻された。 しかし長くはつづかなかった。 一番前の席のSさんがいねむりをしていたのだ。 紙は、机から離れ、ふわり~っと、先生の前の床におちた。 万事窮す。私は職員室によばれて絞られた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|