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カテゴリ:高校時代
高校3年生になると、私は、急に、受験する体勢になった。
こうなると、何でも夢中に突っ走る私だから。 性格の上に大変化が起きた。 私は、元々つるんで行動するのが嫌いだったから、 この癖は、3年生で強く発揮され始めた。 常に、一匹狼だった。 人が、煩わしくて、めんどうくさかった。 誰かが「一緒にしましょう?」と、誘ってくるのもいやだった。 私は、自分の思い通りに、やりたいことを、ばりばりっと、 あっという間にしたかったから、おしゃべりなんか、やってられなかった。 しかし、友人は、私のそういった性質を理解していなかった。 特に、中のひとりAちゃんは、変に私にひっつき回っていた。 私は、どうやって彼女に、みつからないように、一人になろうかと あれこれがんばる日々だった。 彼女が結婚して、外国で長く暮らし、帰国したとき、 有志が、同窓会を開いたが、たまたま私は行けなかった。 友人が電話してきた。 「Aちゃんが、言ってたわよ~、あのころ、貴女に嫌われても嫌われても、 ひっつき回って嫌がられてた~~って!」 う~~む、言葉が出なかった。 私が嫌がっていたことは、分かっていたんだな~~と。 なら、どうしてほっといてくれなかったのかな~~?と。 でも、ずいぶん傷つけてしまったらしいのだ。彼女を。 私はただ、ひとりでいたかっただけで、 何もいじわるな言葉を言ったり、したりは、しなかった。 でも、 あの頃、悲しそうな目をして、私をじっと見た。 あの目。 どんな人も温かく包んであげることの出来なかった私。 私は、彼女に、何と言ったら許されるのか分からないけれど、 簡単なハガキを一枚出した。 「大人になって、苦労したから、私も少しは丸くなったのよ」と。 でも、返事はこなかった。 いつかは、逢う時もあるかもしれないが… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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