20数年ほど前だ。ある地方で、夫の部下の男性と女性をつれて
4人だけで、車を駆って、上野公園に遊びに行ったことがあった。
楽しく散策したり、お食事したりした後、それぞれ別れて自由行動し、
数時間後に集合することになったのだが、
集合時間になっても、女性が帰って来ない。
私達は、じっと待った。30分過ぎても帰って来ない。
まだ、携帯電話が発明されていなかった。
だんだんいらいらしてきたが、男性は、2人とも
何も愚痴をこぼさないで、平気な顔をしている。 えらい。
だから、女の私が、ぐちぐち言うのもいやらしいから、じっと耐えた。
3人とも、何もぐちを言ったり、とがめたりする言葉を
ぜんぜん言わないで、じっと待った。 とうとう
45分を越えて、彼女が走って現れた。3人は、
「よかった~~帰ってきてくれて」と、言って、喜んだだけだった。
そして、何事もなく、帰途に就いた。数日後
くだんの女性が、
「奥様、母の日おめでとうございます」と言ってプレゼントを
下さった。「ありがとう~~~~!」開けてみると、
東京の有名店のエプロンで、胸に私の名前が
刺繍してあった。あの男性と2人で、お金を出し合って
買ったのだそうだ。
あの日、久しぶりの東京で、自分の楽しみはぜんぜんせずに、
わたしのプレゼントをあれこれ探し歩いて、やっと見つけた
エプロン。その上、この刺繍に時間がかかって、
遅くなったのだった。
あの日、よくぞ、ぷりぷりしなかったこと!ひやりとした。
訳も知らずに、怒ってはいけません。
心にしっかり決めました。まる。