姿勢の良すぎるは
少しは人間としてましになりたかった私。 30代になってちょっとだけお茶を習った。大先生にお点前を見ていただいた時、あっと言う間にクレームがつく。「貴女は姿勢が良すぎます。そんなにピンとしないでお道具に温かく寄り添うようにからだを優しく添わせて、お点前をなさい。」私は目から鱗が落ちた。子供のころから「貴女は姿勢がよくてすばらしい」と褒められつづけてきた私。姿勢が良いのが一番だとばかり思っていたが、もっとからだを丸くしなさいだなんて。確かに、人に対しても、やさしく、柔らかく、温かいところが欠けていることに思い至った瞬間だった。今では、背中が痛くて、背筋を時々、のばしのばし暮らす67才になってしまいました。それにしても、慈愛深いこころが備わったかどうか。悲しい現実です。