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カテゴリ:次女
私35才、夫45才の若くて、威勢がよい頃のこと。
夫の兄の頼みで、特殊な、漢方薬を買いに夫婦で出かけた。 店の前に来ると、 「僕は外で待ってるから、君が買って来て」と言う。 一人で店に入って、注文するも 店主は、やたらに、のろのろして、なかなか出来なかった。 その、のろのろが、頂点に達した時だった。 いきなりガラッと戸を開けて夫が首をのぞかせ 「何してるんだ!!遅いじゃないか!!僕は先に帰る!!」と 私をどなりつけて、さっさと、帰ってしまった。 夫は癇癪をおこして怒っていたが、私は、もっと腹が立った。 私のせいでもないのに、あんなに妻をどなるなんて、許せない! 後にも先にも、あんな夫、みたことが無い。 何だい!何だい! 品の無い男==!! その時から二人は、口をきかなかった。 次の日の朝、次女は高熱を出し幼稚園を休んでいた。 布団に寝ている次女の熱っぽい顔をのぞきこんで、 私は心配でしかたがなかった。 夕方ともなって私は、 娘の病気と、夫との、だんまり喧嘩に疲れ果て、 娘の枕元にねっころがって 「お父さまが怒って、口を聞いてくれないから嫌になっちゃった」 と、何となく娘にいいつける。 次女は、布団の中から私をじっと見て、小さな声で 「お母さま、お父さまに謝ったの?」と聞くので 「あのね、お父様が悪いのよ、私は悪くないの」と、 子供に言いわけした。 すると、熱に目をうるませた娘は、つづけて 「あのね、お母さまは悪くないと思っていても、 神様はどう思ってるかわからないよ」 と、言うではないか。 わたしは、脳天をガンッと殴られた気がした。 そうなのだ。 実は、最初から、私は、心の中で夫に意地張っていた。 夫が、兄にたのまれた事を、私におしつけて、 自分は外で待つなんて、なんていやな男だろう。くっそー。 と思っていたから、 店主がぐずぐずしても、寒い外で待ちくたびれてる夫に、 優しい気遣いをしてやらなかったし、 知らん顔をして、内心意地張っていたのだった。 夫が怒ってしまったのは、私の意地悪るの気持ちが 起こしたことだったのではないかな?ということに 気が付いていた。だから、娘の言葉で、目が覚めた。 やっと、自分も悪かったなと、反省させられた。 若き日の夫婦喧嘩の始まりは、こんなものですね? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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