栗の実・・・その参
新婚なのに 二人での食事も待つことの出来ない我がままな彼と~ それを許して笑顔で受け入れる新妻そして今は大家族の世話をして 農家を手伝いこともなげに 旦那のふけを払いのけるその行為に・・・(栗の実を拾って帰ると~前日の続き)「私には 出来ない・・・」そう思ってしまった・・・何が出来ないの?この部屋の中をただよう・・・ たった今 襟元を飛び立ったふけが畳の上に ゆっくりと舞い降りてくる光景は今も 私から離れてくれない・・・真新しい畳なのに どこか煤けて見える・・・・・・指で掴めるほどの わた埃の目立つ畳を何故だろう・・・ 別れた旦那の一部分として 思い出してしまう・・・お見合いして わずかな日数で結婚してしまったことに今更ながら 後悔の念を深め その後悔を 確信してしまったのは この頃からかもしれない・・・というか もう 最初から無理だったのかもしれない何があっても 受け入れられなくなってしまっているきっと どれもが どうしようもない嫌悪感・・・愛していたらどうでしょう?・・・何もかもが肯定的で疑う余地もなく 受け入れてそして とってもばら色なフィルターで見えるんだろうなぁ・・・二人の未来を・・・夢を・・・思い描くことが出来ないんですもの・・・どう考えてみても 私たちの将来を 想像することは 出来そうに無い・・・=== 宴もたけなわそろそろ お先に失礼しようかな・・・ そう思っていた矢先にその長兄の お父様が 私たち二人に身体を向けて こう言った「子供はまだかな? それとも~ 子供が出来たら・・・こっちに帰ってくるんかな?」「え?」「東京から帰って 一日も早く ここで一緒に暮らしなさい」「・・・・・?」私は 恐ろしくて・・・その言葉に 完全に 凍りついてしまった・・・