お子さんを精神的孤児にしてませんか
今朝は朝からご機嫌ななめで、保育園についたとたん、狂ったように泣き続ける子Sちゃん(女の子1歳10ヶ月)がいました。なぜそんなに泣いているのか、お姉ちゃんのほうに聞いてみると、歩いて母親にだっこされてきたのに、保育園につくなり、すぐに下ろされてしまったのが、いたく気に入らなかったらしい。その後もぐずぐずしていましたら、なんとか気分を盛り上げて、時折だっこしながら楽しく遊ばせていました。しかし外部の音楽や歌の講師の先生が来たとたんに癇癪が再発。保育士と離れるのがイヤでしょうがないらしい。背中を逸らせて、顔を真っ赤にして、怒涛の号泣が続くこと30分近く。別室に連れていき、抱きしめて歌を歌ってあげると、少し落ち着きます。その後に、何がイヤなのか、どうしたいのかを聞いてあげると、答えこそしないものの、もっと落ち着きます。このコは、見た目は穏やかな感じのお子さんなのですが、他のコを突き飛ばしたりすることも多く、日頃から目が放せません。指の甘皮をわざと剥がして血を流し、見せに来たり、絆創膏を剥がして、怪我の跡をわざわざ私に見せたりもします。信頼できる大人に心配して欲しいのです。もっとかまってほしいのでしょう。そんなときは精いっぱい、心配してあげることにしていますが、家族がフォローしてあげないまま、万が一今のまま、成長してしまうと、間違いなくリストカッターのように自傷行為に走る気がしてしまいます。私は人生相談サイトを主催しているのですが、中高生の自傷癖はいまやファッションと化しているほど、心があたり前のように荒廃している子が増えています。Sちゃんも、ブランドものの最新のファッションをさせ、髪はカーラーで軽くウェーブさせていて、とても虐待されているようには見えないのですが、Sちゃんの言動を見ていると、家庭に問題があるようにしか思えません。たとえ家で叩いたり、怒鳴ったりしなくても、きれいな格好をさせて、美味しいものを食べさせていたとしても、それだけで子どもは幸せにはなれません。逆に言えば、抱きしめて、愛してると伝えてさえもらえれば、きれいな洋服もたいそうなご馳走も不要なわけです。本来、3歳くらいまでの子どもは、母親にべったりくっついている年頃です。保育士に甘えるだけでも競争率の高い保育園に預けられるだけでも、小さな子どもには相当のストレスを強いています。ないがしろにされる心の痛み、無視されることの辛さを知ってあげてください。時間が許す範囲でかまいません。子どもたちの言葉に耳を傾けてください。まだ何を言ってるかわからなくても、わかった範囲で理解したことを示してあげるだけでいいんです。それで子どもの心は落ち着くものです。あとひとつ。朝晩、きちんと声をかけ、抱きしめてあげましょう。忙しいことを理由に、かわいいお子さんを精神的孤児にしないでください。スペシャリストに訊く人生相談【こころの処方箋】