目標の変更
戦後アメリカの生活に近づきたいとのあこがれが、長い間日本人にあり、途上国の人々も多かれ少なかれアメリカ型の生活様式を目標としていた。世界の覇者としてのアメリカの力とそれを生み出した自由で奔放な文化へのあこがれもあったのだろう。 今回、アメリカ発の金融危機でアメリカ型資本主義が世界標準ではなくなった。それとともにアメリカ社会やアメリカ文化の持つ問題点も意識されるようになっている。EUは従来からアメリカの方針とは一線を画す姿勢であったが、これからはその傾向が強まる。 EU諸国の生活様式や社会の仕組みは長い歴史に裏付けられたもので、やや窮屈ではあるが落ち着きがあり、これからの途上国の目標となる可能性が高い。アメリカはどうなるのかも予測しがたいが、生活様式というものはそう簡単には変わらないだろう。