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2008年08月16日
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カテゴリ:あ行の作家
タイム屋文庫.jpg

時をまたいで仕掛けた
あの、恋のつづき。

亡くなった祖母の思い出がたっぷり染み込む家で、突然の思いつきで始めた
「タイム屋文庫」。タイムトラベル専門の貸本屋というそのアイデアは、
実はかつて置き去りにしてしまった恋のつづき。そこで彼女は、たった一人の
客を待つつもりだったのだが……。
考えなしで抜け作の三十女が、心機一転をはかって繰り広げるロマンチック
ストーリー。どこか懐かしくて温かい、何度でも味わえる傑作。 (Amazonより)


ブログのレビューを参考にさせていただいた方:なみへい500さん


はじめのうちは、なんとなく読みづらいかな・・・と感じていたのですが、読んでいく
うちに段々と馴染んできて、独特の言いまわしとかが楽しくなってきたりして。

主人公の柊子のほにゃ~っとした「抜け作」っぷりが、なんかいいんですよ。

柊子とレストランの店長・樋渡徹のセリフのやり取りがすごく楽しくて、
ちょっとこそばゆくなるような、二人の微妙な感じの関係もなんだか微笑ましい。

101歳で亡くなった柊子の祖母・ツボミは、大正時代、腹心の友と一緒に
新潟から小樽まで家出してきたパワフルなお嬢さん。

「おばあちゃんはどうしてこのまちにきたの?」と柊子が尋ねると、
「おまえたちに会うためだよ」「おまえたちに会いにきたんだよ」

このツボミおばあちゃんの答え、なんかすごくグッときちゃいました。


「タイムトラベルの本しか置いてない本屋があったらいいな」
それは高校時代、思いを寄せていた少年・吉成くんがいっていた言葉。

柊子が「たった一人の客」吉成くんを待つためにはじめたはずの貸し本屋
「タイム屋文庫」で思いもよらなかった不思議なことが起こり始める・・・。

全体的に力の抜けた感じのあたたかい雰囲気がとっても魅力的な作品。

読み終わった後、記憶の片隅に埋もれていた、自分の少女時代(笑)を思い出して、
なんだかくすぐったいようなちょっと幸せな気分になりました。







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最終更新日  2008年08月16日 22時21分15秒
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