|
カテゴリ:か行の作家
僕のクラスで連続消失事件が発生。僕は四番目の被害者に! といっても、なくなったのはもう授業でも使わないたて笛の一部。 なぜこんなものが!?棟方くんの絵、ニワトリ、巨大な招き猫型募金箱、 そしてたて笛が一日おきに姿を消すという奇妙な事件が五年三組に だけ起こっている。ニワトリなんか密室からの消失だ。 この不可思議な事件を解決してみないかと江戸川乱歩好きの 龍之介くんに誘われ、僕らは探偵活動を始めることにした。 僕がちょっと気になっている女子も加わり事件を調べていくのだが…。 そこにニワトリ惨殺目撃証言が!町内で起きた宝石泥棒との関連は? 龍之介くんの名推理がすべてを明らかにする。 (「BOOK」データベースより) 以前からちょっと気になっていた倉知淳さんの作品。 この作品、字は大きめで漢字には全てふりがながふってあり、 ページの角が丸いという、ジュニア向けの仕様になっていて 思わず「いい年した大人が読んじゃってごめんなさい」 と、ちょっとアウェイな気分になってしまいました(笑) でも、読み始めるとすぐに、すぅーっと吸い込まれるように 小学生時代に戻ったような感覚になりました。 主人公の高時くんとその友達の龍之介くんは、江戸川乱歩の 本を読むのが大好きで、好奇心旺盛な小学校5年生。 特に龍之介くんは、明智探偵でも少年探偵団でもなく 悪役の怪人20面相が好き。 これには「おお~!」という感じでした。 私も小学5年生の頃、ジュニア向けの江戸川乱歩作品 (黒っぽい色のハードカバーでちょっと表紙が恐かった・・・)を かなり読み漁ってたものですから。 しかも、私も怪人20面相が一番のお気に入りだったので 龍之介くんにすごく親近感が湧いてしまいました♪ 高時くんと龍之介くんは自分のクラスで起きた「不要物消失事件」 の謎を解き明かそうと、放課後に探偵活動をはじめます。 本当にどこにでもいそうなタイプの高時くんと、大人顔負けの 推理を展開していく龍之介くんのコンビがとてもいいです。 大雑把な担任の先生、校内をウロウロ徘徊する保健の先生、 努力が報われずいつも空回りしている学級委員長などなど 出てくるキャラクターも楽しくて。 あと、「学校の裏門の前にある文具店の口うるさいばあちゃん」 ってのが登場するんですが、まさにドンピシャという感じで 私の学校の裏門の前の店のばあちゃんがこういう人だった。 これってもしかして、全国共通だったりするんですかねー?(笑) 教室、校庭、飼育小屋、図書室、職員室、保健室。 懐かしいものばかりで、教室の床の質感とか木の机と椅子の 手触りとか、そういった細かい記憶がどんどん蘇ってくる。 木造校舎のトイレの入り口で転んで、敷居でみぞおちを 強打してしばらく息ができなかった、なーんていう いらないことまで思い出してしまいましたが・・・(汗) 「そうそう。小学5年の頃ってこんな感じだったなー。」 って、なんだかほっこりした気分になりました。 「ジュニア向け」とはいえ、というか、だからこそ 子供をナメたような作りにはなっていません。 伏線もしっかり張ってあり、二転三転する展開など 大人でも十分楽しめる推理小説だと思います。 イラストがメチャメチャかわいいですよ~(*^-^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[か行の作家] カテゴリの最新記事
|