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2006年02月13日
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カテゴリ:台所育児
先日の日記に書いたとおり、
土壇場になって、私の方がびびっちゃった
「豆腐の手のひら上切り」

ニセモノ包丁をニセモノと知らず、
自信をつけちゃったMyuは、あれ以来、
豆腐を切りたがって切りたがってしょうがありません。
あのときの様子なら、本物包丁でも問題ないな。
と、やってもらったら、
難なく成功。

やっぱり案ずるより生むが安し。で、
彼女自身も、とっても嬉しそうで、ちょっとお姉さんに
なった気分みたいです。
達成感を味わえて、自信もついて、と
ナルホド、「効用」として謳われていたように
確かに、子供が変わります。

「豆腐が下まで切れたな。」というのを、
手のひらにあたる、包丁の刃の感覚で認識して
それ以上包丁を下ろしもせず、水平に押しも引きもせず、
すっと上に持ち上げる・・・
大人には何でもないことだけど、
ちょっと、「感覚」を要する作業だと思います。

だからといって、私自身がやっている親子料理教室に
参加してくれる子供みんなに応用できるか、というと
きっと、また違うハードル。

包丁の刃の特性をカラダで理解しているぶんには、
絶対に危険なこともありえない。
だから、大人にとっては難しくもなんともないコトだけど、
それを幼い子供にやってもらう、と思うと
すごく危なそうな気がするのは、
包丁の使い方や、刃物の怖さを理解させてあげられていないから。

親子料理教室などで、
*素材を宙にもったまま(まないたに置かずに)
 包丁の尖った先で、ぶっ刺すようにして切ろうとする子
*ものすごい力と勢いで、野菜を切っていくので
 勢いあまって、すべった刃が今にも指を直撃しそうな子
*「ちょっと、お母さんのやり方を見てて」と諭しても、
 やりたい気持ちで焦ってしまって、母親をふりはらおうと、
 手に持った包丁を振り回してしまう子

などを目にしてきています。どれも超ド級の冷や汗モンです。
(大勢でやったり、包丁の数が限られていたりで
子供のはやる気持ちが高じすぎて、こうなるのでしょうから、
ワタシのやり方次第だ、とも思うのですが)

こういう場合は、
いつもお母さんが扱っている包丁に対する、「憧れ」や
いつもはママゴト遊びでやっているモノが、本物になった「喜び」
は、あるんだけど、まだまだ包丁や刃物の役割や特性、怖さを
理解はしていないのだと思います。

だから、そのまま
「豆腐の手のひら上切り」をやっても、
その難しさ、を理解していない
(=Myuが当初、やるのを怖がったように、自分の手のひらに向けて
 刃をおろすことの意味を理解していない)
かも知れないので、仮にうまくいっても
本物の達成感や自信は得られないかも・・・

でも、そう感じる子供に大人は本物の包丁を渡せないと
思うので、
子供にとっても、大人にとっても
やっぱり「包丁の手のひら上切り」をやることは、
イコール、大人は子供に包丁の特性を理解させ、何をすべきかを理解させた上で、子供を信頼して包丁を渡し、子供は自分の力を信じて行う。
なのかも。

渡した時点で、もう実は成功は約束されている。
もしくは、逆の言い方もできて、
成功が約束されていないと、渡すこともできない。


少し飛躍しますが、
近頃時々起こる、子供が人を刺したり、殺したりしてしまう事件。
ゲームやテレビ、漫画などのバーチャルな世界で、
殺したり殺されたりに慣れている割には、
実際に友達ともみあってケンカしたり、料理などで
刃物を使う経験も乏しくて、
もう十分に大きくなっていても、
刃物の本当の怖さを理解していなかったり、
どこかでゲームのようにリセットできるような感覚に
なっていることも、原因のひとつだと言われていますよね。

今やゲーム、テレビ、漫画、
どれも避けて子育てするのは難しいと思いますが、
今日の「豆腐の手のひら上切り」、ひいては「おだいどこ育児」に
よって得られる経験が、それらの氾濫によっておこる
「実体験のない経験」を緩和してくれるんではないかと
願っています。





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最終更新日  2006年02月15日 08時03分57秒
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