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 岩手県ほど、汲めども尽きぬ観光資源に圧倒される県はない。

 久慈の近くに見事な琥珀博物館がある。展示品を堪能したあと、ぼくはある疑問に取りつかれた。この近くに宇部という地名がある。宇部と言えば山口県の都市を思い浮かべるのがふつうで、なぜこんなところに同じ地名があるのだろうか。単なる偶然か、それとも何らかの理由があるのか。

 
 琥珀のことを英語でamber と言う。フランス語でambre、スペイン語で ambar、イタリア語で ambraだから、このamの音とberの音が訛ってウベとなることは十分に考えられる。もちろん、いちばん歴史の浅い英語は論外として、フランス語などから入ったとはとうてい考えられない。サンスクリット語あたりに遡るような語源があって、そこから東へ流れてきたとすれば、その可能性がありえなくはない。

 とはいっても、山口県の宇部市で琥珀が取れないことには話にならない。

 そこで、こちらの方を調べてみると、宇部市では確かに琥珀が取れることがわかった。


 何と、琥珀の二大産地には、ともに宇部という地名がついているのだ。

 そんなことがいったい偶然で起こりうるだろうか。

 これはもしかしたら、世紀の大発見ではないか。だが、それだけで結論が出せるほど、この世界は甘くはない。


 ウベのほか、アベ、エベの可能性を調べてみた。明日香村阿部山と青森県安部遺跡から琥珀が出土しているが、このふたつは偶然の可能性が高い。

 ほかに琥珀と宇部との関係を検証する手がかりとなるものはほとんど見当たらない。あるとすれば、久慈琥珀株式会社の代表者が江部という名前であることくらいだ。もしも、宇部が琥珀の原音に由来するのであれば、最初の母音はアンバーのアなどというはっきりした音でもなく、もう少しくぐもった音であったはずで、訛ったとすればアベよりはむしろウベ、エベになる可能性が高い。江部さんの存在がわかったことは、同じ音がウベとエベの両方に分化した可能性も浮上してきたということである。

 
 さて、ここから先がほとんど空白に近い。amberはアラビア語から中ラテン語に入ったことまではわかっている。

 一応これでぼくの筋書き通り、アジアにまでもってくることができた。

 スリランカのシンハラ語にambaraという語があって、昨年コロンボで探しあてたシンハラ語-英語辞典にはtalcの訳語が載っている。琥珀というわけにはいかなかったが、まったくつながりがないわけではない

 この後、アジアの言語をやるうちに、何か面白い発見をすることがあるかもしれない。それまで答えはお預けである。
 

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最終更新日  2006年12月07日 09時35分39秒
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